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Intel,6コアCPU「Core i7-980X Extreme Edition」を正式発表。「Xeon 5600番台」も同時リリース
i7-980Xのダイ |
i7-980Xのダイレイアウト |
i7-980Xについては,概要紹介も含めた詳細なレビュー記事を11日に掲載済みだが,簡単に振り返っておくと,「Clarkdale」(クラークデール,開発コードネーム)や「Arrandale」(アランデール,同)ベースのデュアルコアCore i7・i5・i3と同じ,Westmere(ウェストミア,同)アーキテクチャを採用する製品であり,32nm High-kメタルゲートプロセス技術を採用して製造される“ヘキサコア”CPUである。
CPUパッケージはLGA1366。従来のLGA1366と完全な互換性が保たれているため,Bloomfieldコアを採用したCore i7-900番台を搭載できる「Intel X58 Express」チップセット搭載マザーボードであれば,基本的にBIOSのアップデートだけで対応可能だ。
Core i7-980X Extreme Editionレビュー記事
このほか,主な特徴は表1にまとめたとおり。コア数が従来のCore i7-900番台比1.5倍になったことを受け,共有L3キャッシュ容量が1.5倍の12MBになったのもポイントといえるだろう。
“i7-980Xの下位モデル”登場を予感させる
新世代6&4コアXeon 5600番台も一挙12製品がリリース
開発コードネーム「Westmere-EP」と呼ばれてきた新シリーズ,発表時点のラインナップは12製品。いずれも,32nm High-kプロセス技術を用いて製造されるプロセッサで,CPUコア数は6または4となる。CPUパッケージはLGA1366を採用しており,既存の「Xeon 5500番台」が動作するシステムで,熱設計や電源容量の制約がないものなら,基本的にBIOSのアップデートだけで載せ替えが可能だ。
シリーズの主なスペックは表2のとおり。L3キャッシュ容量が,4コアモデルも含めて12MBで揃っているほか,仮想環境下で動作するOS間のセキュリティを高める「Intel Trusted eXecution Technology」(TXT),AES暗号の暗号化/復号化を高速に処理する「Intel Advanced Encryption Secyrity-New Instructions」(AES-NI)といった新要素が追加されている一方,それ以外の要素は従来製品であるXeon 5500番台を踏襲する。
Xeon 5600番台とXeon 5500番台の関係は,言ってしまえば,従来のi7-980Xと従来型Core i7-900番台のそれを,そのままサーバー&ワークステーション用プロセッサに持ってきたようなものである(※正確には,Westmere-EPが先にあって,Gulftown=i7-980Xこそが“一般PC市場向け派生品”という扱いだが)。
Gulftown――i7-980Xと異なるのは,12モデル用意されるなかで,4コア製品が用意されたり,QPI(Quick Path Interconnect)やメモリコントローラ,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)に差別化が行われていたりすることだ。
ラインナップは表3に整理してみたが,特徴的なところを拾っておくと,まず,Intel Microarchitecture(Nehalem)以降の2-way(=2ソケット)用CPUとして,動作クロックが3GHz超の製品が初めて追加されている点を挙げられよう。
また,プロセッサ・ナンバーが「L」で始まる低消費電力版として,6コアでTDP 60Wのモデルや,4コアで同40Wのモデルが加わっているのも特徴といえる。
そしてもう“二つ”,ここまであえて触れてこなかったが,Intelは,
- 1-way(=1ソケット)システム向けの「Xeon W3680/3.33GHz」
- 組み込み用途向けの「Xeon E5645/2.40GHz」「Xeon L5638/2.00GHz」「Xeon L5618/1.86GHz」
もリリースしていたりする。表3では全部まとめているので,計16製品になっているが,実際には2-wayのサーバー&ワークステーション向けが12製品,同1-wayモデルが1製品,組み込み用途向けが3製品というラインナップになるわけだ。
i7-980Xの下位モデルは(少なくとも近々には)登場する予定になっていないが,Xeonの多彩なラインナップから,Westmere世代におけるLGA1366版Core i7の可能性を想像してみるのも面白いだろう。
なお,従来のXeon 5500番台は,当分の間「下位モデル」という位置づけに切り替わりつつ,一部ラインナップが維持されるという。Xeon 5600番台で,完全に置き換えられるわけではないようだ。
……現在のところIntelの日本法人であるインテルの動きはないが,本社が発表した以上,遅かれ早かれ,日本円の情報なども出てくるはずだ。期待して待ちたい。
→Intelによるニュースリリース(英語)
- 関連タイトル:
Core i7(LGA1366,ヘキサコア)
- この記事のURL:
(C)Intel Corporation