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「ロマンシング 佐賀」プロジェクトを語るプレミアムナイトが開催。「サガ」および佐賀の魅力や,意外な共通点が飛び出したトークの模様をレポート
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印刷2014/03/17 15:36

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「ロマンシング 佐賀」プロジェクトを語るプレミアムナイトが開催。「サガ」および佐賀の魅力や,意外な共通点が飛び出したトークの模様をレポート

 スクウェア・エニックスと佐賀県は,東京都内の六本木ヒルズ ヒルズ カフェ/スペースにて,イベント「ロマンシング 佐賀 LOUNGE」を,2014年3月13日から16日まで開催した。最終日には,同イベントの会場に100人のスクエニメンバーズ会員が招かれ,トークショー「ロマンシング 佐賀 プレミアムナイト」が実施。「サガ」シリーズの生みの親であるスクウェア・エニックス エグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏や,佐賀県知事の古川 康氏らが登壇し,サガシリーズおよび佐賀県にまつわるトークが繰り広げられた。

画像集#001のサムネイル/「ロマンシング 佐賀」プロジェクトを語るプレミアムナイトが開催。「サガ」および佐賀の魅力や,意外な共通点が飛び出したトークの模様をレポート

 イベントの冒頭で登壇したのは,河津氏と古川氏,そして今回のプロジェクトリーダーを務めたスクウェア・エニックスの市川雅統氏,および佐賀県 FACTORY SAGAの金子 暖氏の4名。イベントの記者発表会でも語られたように,20年前からスクウェア・エニックスと佐賀県が互いにコラボレーションをしようと画策しており,今回,ようやく実現したわけだが,古川氏は「12年前,私が佐賀県知事に就任したときの企画がまだ生きていたのか」と驚きを隠せなかったという。一方,河津氏も,「駄洒落から始まった企画を,佐賀県さんがこうして真剣に受け止めてくださったときは,正直,まずかったかなと思いました」と冗談交じりに話し,会場を沸かせていた。

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スクウェア・エニックス エグゼクティブプロデューサー 河津秋敏氏
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佐賀県知事 古川 康氏

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スクウェア・エニックス 市川雅統氏
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佐賀県 FACTORY SAGA 金子 暖氏

 スクウェア・エニックスと佐賀県双方のプロジェクトスタッフは,いざコラボすることが決まっても,ゲーム企業と地方自治体という組み合わせで,何をやれば効果的なアピールができるのか見当が付かなかったという。そのため,まずはお互いを知るために,3か月近い時間を掛けて何度も会議を繰り返したそうだ。
 その結果として,開催された「ロマンシング 佐賀 LOUNGE」について,金子氏と市川氏は,両者のいいところをうまく融合して表現できたのではないかと述べた。

 さらに市川氏は,仮に20年前にコラボが実現していたとしても,今回のようにはならなかっただろうとし,「長い時間を経て,世間の『サガ』シリーズに関する認知が変化したからこその結果だったのではないか」との見解を導き出したという。
 そして古川氏は,「佐賀はいいところ」ということを,いかにして関心を抱いてもらうかについて常に模索しているとし,今回はサガシリーズがフックとしてピタッとハマったことが成功の要因だったと語った。

小林智美氏(右)は,サガシリーズ25周年をお祝いする花束を河津氏に贈呈。この花束は「ロマンシング サガ」のナイトハルトをイメージしているそうだが,店員に花をチョイスしてもらおうと彼の設定を伝えたところ,大笑いされたそうだ
画像集#006のサムネイル/「ロマンシング 佐賀」プロジェクトを語るプレミアムナイトが開催。「サガ」および佐賀の魅力や,意外な共通点が飛び出したトークの模様をレポート
 続いてサガシリーズのイラストレーションを担当する小林智美氏がゲストとしてトークに加わり,「ロマンシング 佐賀 LOUNGE」の目玉となった有田焼大皿「明けの明星 〜いつか旅する者へ〜」制作の裏話などを披露。
 当初,小林氏は佐賀県産の日本酒のラベルなどに使われるイラストなどを描くことになるかもしれないと聞かされていたとのことで,2014年に入って大皿の絵付けをすることになったときは,かなり驚いたという。

 古川氏は,約400年前に生まれた有田焼の磁器生産技術が,欧州などで珍重されていた時期から70〜80年後に,ようやくドイツのマイセンが研究を重ねて陶磁器の生産に成功したというエピソードを例に出した。
 古川氏はこの流れを,1980年代に日本から始まり,今や世界各地に広がっているゲームの展開になぞらえ,「今回のコラボは,今昔の日本におけるリーディング産業がうまく融合したもの」と表現した。

 実際の有田焼への絵付けでは,紙とは違って,素焼きの皿が水分を吸い込んでしまい,筆が引っかかって苦労したと話す小林氏。加えて大皿に絵を描くため,長い時間,腰を90度以上に曲げていなければならず,苦労したそうだ。しかし,そうした困難があったにしても,今回の絵付けを非常に楽しめたと小林氏は感想を述べた。
 なお「明けの明星 〜いつか旅する者へ〜」という名称は,小林氏自身が付けたもので,描かれている「ロマンシング サガ2」の最終皇帝の二人が,「次はあそこへ行ってみよう」「みんなで行こう」と語っている情景をイメージしているとのことだ。

会場では,「明けの明星 〜いつか旅する者へ〜」の制作に協力した,「しん窯」の橋口氏(写真左)と,「幸楽釜 徳永陶磁器」の徳永氏が,有田焼の魅力を解説した
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 後半のトークには,もう一人のゲストとして,サガシリーズの音楽を手がける“イトケン”こと伊藤賢治氏が加わった。伊藤氏は期待の若手として「ロマンシング サガ2」から関わり,ベテランの植松伸夫氏とともに楽曲を制作していたのだが,仕上がった曲は,どちらが作ったのか分からないくらいの出来だったと河津氏は当時を振り返る。
 ちなみに,今でこそ「イトケンと言えばバトル」というイメージがあるかもしれないが,その当時,植松氏が激しい曲を作りたがらなかったため,伊藤氏がバトルの曲を担当することになったのだという。

伊藤賢治氏は,「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」から,「オーバーチュア」の演奏を披露した
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 また楽曲の制作に関して,一般的なRPGではストーリーの展開から情景を思い浮かべて作曲していくが,サガシリーズではフリーシナリオというゲームの性質上,箇条書きの設定をベースに発想を膨らませなければならなかったと話す伊藤氏。それに対して,楽曲を発注する側の河津氏は,期待とまったく異なる曲が上がってくることも含めて楽しんでいたと語った。

 市川氏がゲームボーイ版で聴いた楽曲の思い出を語ると,伊藤氏は,当時のゲームボーイについて,音源のステレオ再生が可能とは言っても,左右とセンターの3つのポイントしかなかったことを説明。そうした制約を乗り越え,いかにサラウンド風に音源を聴かせるか工夫を重ねたエピソードを披露した。
 一方,小林氏は,伊藤氏の楽曲が使われたシーンの中では,「サガ フロンティア」のアセルス編エンディングがお気に入りとのことで,伊藤氏の楽曲が流れ,寵姫がぐるぐる回っているところが耽美で目眩がすると語っていた。

会場では,既報のとおり,「THEATRHYTHM FINAL FANTASY CURTAIN CALL」に,DLCシナリオとして「ロマンシング サガ」の楽曲が配信されることが発表された。今のところ「下水道」「四魔貴族バトル1」の2曲の名前が上がっているが,河津氏によればほかの曲も配信されるとのこと
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 トークショーのエンディングでは,金子氏が「ロマンシング 佐賀 LOUNGE」について,佐賀の伝統工芸品や食材を五感で楽しめる希な機会だったのではないかとコメント。また市川氏は,小林氏の原画をここまできちんとした形で世間に公開できたのは初めてだとし,こうした機会を与えてくれた佐賀県と来場者に感謝を述べた。
 最後に,伊藤氏が「ロマンシング サガ3」から「ポドールイ」,「ロマンシング サガ」から「オープニングタイトル」の2曲の演奏を披露し,プレミアムナイトを締めくくった。

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ロマンシング 佐賀 公式サイト

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