プレイレポート
「リーグ・オブ・レジェンド」,2019年に向けてのプレシーズンが到来。調整は控えめながら,タワーが大量のゴールドを吐き出すプレートを装着
ひとまず,プレシーズン環境における影響の大きそうな変更点を見ていこう。
タワーが5枚のプレートを装着
今回のアップデートの調整の方向性として,ライアットゲームズは
- レーン戦フェーズの改善と延長
- より容易かつ満足度の高い逆転勝利
- 結果が決まりきった試合のより早い終結
- ルーンパスによるステータスボーナス制限の排除
という,4つの目標を掲げている。このうち,ゲームプレイに大きく影響を与えそうなのが,レーン戦フェーズの改善となる,タワー周りの変更だ。プレシーズンから,タワーに「タワープレート」なる新要素が追加されたのである。新しいタワーには,このプレートが5枚装着されている。1枚につき1000HPを持ち,合計するとこれまでよりもタワーのHPが上がっており,さらにプレートが破壊されるたびに硬くなっていく。試合開始から14分経つと,なぜかプレートはすべて消えてタワーの防御アップ効果はなくなる仕組みだ。つまり,「序盤はタワーが残っている」状態になりやすく,これによりレーン戦が延長されるというわけである。
それだけでは,「序盤にレーンを制圧して,ほかのレーンで有利を作るタイプのチャンピオンが不利なのでは?」と思うかもしれないが,重要なのはプレートを破壊するごとにゴールドが入るということ。タワー下に入った敵チャンピオンを倒せないとしても,プレートを1枚破壊するごとに160ゴールドももらえるのだ。
レーン戦が得意なチャンピオンとしては,長くなったレーン戦を利用して「タワーを殴って相手と差をつける」という選択肢が生まれる。その一方で,ロームしたいチャンピオンの場合は,「レーンを離れている間にプレートを破壊される」というリスクも負うことになるので,これまでよりも正確な状況判断が求められそうだ。
一方,レーン戦が苦手で,タワー下でじっくりファームしたいチャンピオンにとっても,タワーがかなり長持ちするようになったので,ファームに使える時間が長くなる……という狙いがあるようだが,現時点できちんと機能しているかは,微妙なところかもしれない。プレートからがっつりゴールドを稼いだ相手とシャレにならない差がついてしまい,後で対処するのは難しい印象なのだ。このあたりは今後のパッチで調整されていくのだろう。
レーン周りの変更でもう1つ大きいのが,ミニオンの移動速度だ。前シーズンは,仮に自分のチームが優位を築いていても,相手のミニオンウェーブのクリア能力が高ければ,バロンバフがない限りタワーを破壊しきれないという状態が,たびたび発生していた。そこでプレシーズンでは,ミニオンの対タワー能力が向上している。
また,砲撃ミニオンの出現間隔が早まるタイミングが前倒しになったほか,試合時間に応じて高くなっていく全ミニオンの移動速度ボーナスが,大幅にアップ。これまで,試合開始から20分で+25だった移動速度ボーナスが,10/15/20/25分で+25/50/75/100まで向上するようになり,妙に気合を入れてタワーに突っ込んでいく。中盤あたりのブーツをアップグレードしていないタイミングでミニオンと並走すると,足の速さに驚くと思う。
賞金システムが変更,逆転要素は機能するのか
複数のキルを獲得しているチャンピオンが倒されると,獲得ゴールドが増える賞金システムにも変更が加えられている。4キル以上での賞金がこれまでよりも増え,さらにキルを取っていなくても,ミニオンとモンスターから多くゴールドを稼いでいるチャンピオンに対しても,賞金がかかるようになった。
さらに,負けているチームのチャンピオンが倒されたときに獲得できるゴールドが減少する調整も行われている。
これらの調整は,ゴールドで不利を背負っているチームが相手に追いつくため,そして不利なチームで奮戦しているプレイヤーのデスによって試合が決まってしまわないためといった意図によるものだ。賞金が高まったチャンピオンの撃破に成功した場合,最大で1000ゴールドも入るので,大幅にアイテムの更新を進められる。
ただ,この仕組みは,キルを取ったチャンピオンが誰になるかで,その後の展開も大きく左右されてしまうということでもある。サポートでうっかりキルしてしまい頭を抱える,なんてことにもなりそうだ。
なお,今回の調整に合わせて,誰にいくらの賞金がかかっているかは,スコアボードで簡単に確認できるようになった。ゴールドを集めるべきチャンピオンを使っている場合は,集団戦前に倒したい相手を確認しておこう。もちろん,自分のチームが勝っているときに,自分に高額賞金がかかっているなら,不用意な行動は一気にチームを不利に導くことになる。
うっかりテレポートによる無駄死には要注意
前シーズンから導入された新たなルーンだが,今回の変更点はそれほど多くない。そんな中でホットなのが,調整された「魂の収穫」と,新たに追加された「シールドバッシュ」だろう。
これまでの魂の収穫は,追加ダメージの威力が無限に上がっていく効果は面白かったものの,強化されすぎな状態になってしまったり,発動条件的に使えるチャンピオンが限られるという問題があった。そこで今回の調整では,「体力50%以下のチャンピオンへの攻撃(スキルでも可)で発動&強化」という,分かりやすい効果になっている。
……新しい効果は,実装してみたら強すぎて即下方修正なんてことになっていたりするのだが,しばらくしたら落ち着くはずだ。多分。
一方,シールドバッシュは,シールドを展開すると増加防御を獲得し,さらに次の通常攻撃で追加ダメージを与える効果も得られるというもの。追加ダメージはシールド耐久値と増加体力でスケールしていくので,シールドを張りながら敵を殴り続けるようなチャンピオンにうってつけだ。アーゴットあたりが暴れそうな気がしてならないが,そもそも盾なんて持っていないのに,どうやってシールドバッシュをかますのだろうか。
また,これまでのルーンは,「覇道」や「天啓」といった組み合わせによって,ステータスを強化するパスボーナスの内容が決まってしまっていたが,この仕組みが撤廃され,試合開始前に3つのボーナスを好みに合わせて選べるようになった。どのルーンを使っても攻撃速度+9%を得たり,あるいは対面に合わせて物理防御+5を2つ得たりなどが可能となっているので,より柔軟にルーンを用意できるだろう。
サモナースペルの「テレポート」にも手が入っている。詠唱時間が4.5秒から4秒に短縮された代わりに,なんと発動後の自身でのキャンセルができなくなっているのだ。これまでは「集団戦が始まりそう,テレポート! ……って,手遅れだ,やめておこう」なんてことも可能だったが,今は飛んだが最後,タイミングが悪いとそのまま無駄死にするしかない。飛ぶつもりはないが,テレポートのエフェクトだけ見せて敵の突撃を留まらせるといった芸当もできなくなったので,新しいテレポートは慎重に使う必要がある。
ほかにも細かな調整も行われているが,主な変更はこんなところだ。例年のプレシーズンと比べて……というか,前シーズン全体を通しての環境の大荒れ具合に比べれば,ずいぶん大人しい印象だが,プレシーズン中にどこまで変化していくことになるのだろうか。 2019年シーズンは,2019年1月23日に開始となる予定だ。2か月ほどのプレシーズンで新しい環境に慣れつつ,次の準備をしておこう。
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