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本日発売の「藤堂龍之介探偵日記 琥珀色の遺言」,開発秘話を公開
本作は,主人公である私立探偵・藤堂龍之介が,大正時代の上流階級の館「琥珀館」を舞台に起きた連続殺人事件の真相を解き明かすというストーリー。DS版の新機能として,タッチペンによる手書き入力で最大四つまで記録できる「メモ機能」,新しい人物や選択肢が加わったときに通知する「進展お知らせ機能」が追加されたほか,難度の設定も行えるようになった。
今回,藤堂龍之介シリーズを復活させて携帯電話向けに新作を開発しているアルティの稲垣隆史氏による,20年の歳月を経て復活した本作の開発秘話が公開されたので,以下に掲載しておく。
アドベンチャーゲームポータルサイト、「ミステリー・セレクション」(DoCoMo、au、SoftBank)内で配信されている藤堂龍之介探偵日記シリーズでは、約15 年ぶりのオリジナル新作となった携帯アプリ版「瑠璃色の睡蓮」で企画、ディレクションを担当。その後の作品でもディレクターやプロデューサーとして多くの作品に関わる。DS 琥珀色の遺言では舞台監督・監修を担当。 プロフィール
稲垣隆史(いながきたかし)
株式会社アルティ 制作部 オーシャンプロダクツ リーダー
■当時の資料も琥珀色に…20 年の歳月を感じます
『藤堂龍之介シリーズ』は今から20 年前の1988 年に発売されました。最初は、PC−9801版の8bit カラーで描かれたイラストから始まったんです。
その後、windows 版でイラストが強化されました。2000 年から配信されているモバイル版でも少し改良したんですけど、今回DS に移植されることで、より大正浪漫の雰囲気が出るようにさらに改良しました。
今回、DS に移植するにあたって、20 年前の資料の掘り起こしを行いました。今はエクセルとかPC で管理してますけど、当時は資料が全部紙で管理されていて。ゲームの設計図なども全部紙で作成管理だったため、その量は膨大でした。しかも、重要な部分には付箋が貼ってあり、剥がれるとどこの付箋か分からず大変だったり(笑)また、大正時代のゲームを作るということでパソコン版製作当時は様々な建物や場所を取材したのですが、当時の写真も資料として取ってあって、80 年代の写真もたくさんでてきたし、当時の販促に使った広告とかビジュアル素材もその時に発掘されました。それこそ、20 年の月日を経て、紙の色が琥珀色に変色してましたね。ちょっと感慨深いものがありました…。
【当時の資料】写真資料やゲームの設計図。写真にはタイトルで出てくる洋館の写真が写っている
■20 年前から今回のDS にかけて、藤堂の世界は膨らんでいる
ニンテンドーDS ならではの特色は、一つは「タッチペンでの移動」。これにより実際に館の中を移動している雰囲気を出せるようになりました。
それまではコマンド形式で、選択肢に「廊下」とか「食堂」など場所が指定されていて、場所を選択するだけだったんですけど、ニンテンドーDS ではタッチペンを使えるようになったことで、ビジュアル的になり、スライドさせてMAP(館見取り図)上を移動することができるようになったのが、今回の一番の変更点です。
もう一つは「メモ帳」。これも「タッチペン」ならではものですね。ただ、この2 点に決まるまでは大変でした。
また、細かい追加としては今まではなかった【アイキャッチ】を入れたことで、より良い雰囲気を醸し出すことができました。結果的には満足しています。
また、今回の最大の特徴は『追補編 虚妄の報い』が収録されている点ですね。『追補編 虚妄の報い』は株式会社アルティになってから制作された話で、携帯アプリとして5 年ほど前にリリースされた補完ストーリーです。
『琥珀色の遺言』では話が進むにつれ、登場人物が館を出ていってしまうのですが、館に残された人たちはこの後どうなるのか。気になりませんか? 実は『追補編 虚妄の報い』は株式会社アルティのスタッフが、スタッフとしてではなく1ユーザーとして『琥珀色の遺言』のその先が知りたいという、ささやかな想いがきっかけで作られた物語なんです。
『琥珀色の遺言』が初めて世に出た20 年前から、こうやって新たにストーリーが追加されて、今回のDS に続いていることを考えると、藤堂の世界は膨らんでいるんだな、と実感しました。
■眉目秀麗な藤堂の粋な振舞いも魅力
主人公である藤堂龍之介のビジュアルは今まで一度も出たことがなく、シルエットのみが存在しています。
藤堂というキャラクターのイメージは実はシリーズの最初からがっちりあったわけでは無いと思うんです。ただ、シリーズを重ねていくことでキャラクターの設定がどんどん確立していって、20 年以上たった今でも新たに藤堂シリーズの新作を作る時には、逸脱せずに新しいストーリーを進めることができているんですね。
また、眉目秀麗な藤堂の粋な振舞いも魅力のひとつです。藤堂の各ストーリーには必ず「女性」が登場します。ストーリーによっては藤堂がモテモテで女性に追われていたり、追っていたり…色男ならではのキザな台詞やニクいシーンも多数あります。まぁ、大正時代のお話ですから、仮に実在して現代に生きていたら100 歳は超えてますけどね(笑)
2008 年11 月某日
- 関連タイトル:
藤堂龍之介探偵日記 琥珀色の遺言 西洋骨牌連続殺人事件
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