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10大ニュースで振り返るIntelの1年。2010年は32nmプロセス採用の製品を全面展開へ
宗像義恵氏(インテル 取締役副社長) |
2009年の序盤,Intel/インテルがしきりに繰り返していた「不況時のルール」が,あらためて紹介された |
話題を集めたのは,32nmプロセス技術を採用した新工場に70億ドルの投資を行うと2月に発表したことで,これは憶えている人も多いのではなかろうか。
ゲーマー的に大きなトピックといえるのは,Intel Microarchitecture(Nehalem)が,ミドルクラスの価格帯に降りてきた,LGA1156版Core i7/i5のリリースになる。
もう一つ,以前から諸外国よりも市場シェアが高いと言われてきた日本のノートPC市場については,「実際のところ,『オフィスのスペース』という制約から,デスクの上で使われることが想定されてきた」と宗像氏。「(安価な)Netbookが登場してきたことで,ようやく,『外に持ち出して使う』という形が増えてきたのではないか」と分析する。
そのうえで氏は,「Atomより,もう少し高い性能が欲しいという要求が出てきたのではないか。今までNetbookを使っていたお客様に,(今後は)より上位セグメントのプラットフォームを使っていただけるのではないかと期待している」と,2010年は,いわゆる“CULVノートPC”に代表される低価格ノートPCや,通常のモバイルノートPC市場が盛り上がるという見通しを示していた。
「かれこれ6年間,WiMAXを推進してきたが,ようやく使える環境ができた」と宗像氏。立ち上げまでの苦労をにじませながらWiMAXを語っていた |
宗像氏はNehalemアーキテクチャベースのサーバー向けプロセッサ「Xeon 5500番台」にも言及。「メーカーやエンドユーザーに多数が導入され,いいローンチができた」と自賛する |
現在,首都圏や関西圏を中心に,35都道府県で利用が可能になっているというWiMAX。「すでにWiMAX搭載モジュール搭載PCは16機種ほど出ているが,来年の春にはさらに多くの機種が出てくる」と宗像氏は予告し,先行してサービスが始まっているWiMAXの普及を,今後も強力に推進していく姿勢を見せていたが,2010年には,強力なライバルであるLTE(Long Term Evolution,Super 3Gもしくは3.9Gともいう)がサービスを開始する見込みになっているだけに,向こう半年が勝負になるのではなかろうか。
32nmプロセス世代を全面展開しつつ
22nmプロセスの量産技術を確立
また,「22nmプロセスのテストラインもすでに動いており,量産技術を確立した。(新しいアーキテクチャと新しいプロセス技術を1年おきに投入する)Tick-Tockモデルに従って,2年後には22nmプロセス世代の生産が始まるだろう。そこまでの量産(スケジュール)は見えている」と,自社が持つプロセス技術の順調さをアピールしていた。
2009年のIntelを振り返ってみると,世界規模の不況下にあっても,IntelはCPUやチップセット,ネットワーク製品で,予定されていた製品を順調に投入し,スケジュールを確実に消化してきた印象だ。
一方2009年は,技術畑の“顔”の一人だったPatrick P. Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏がIntelを去るという,大きな事件があった年でもある。2010年以降の製品に,この影響がどう出てくるのか,2010年中の単体グラフィックスカード製品化スケジュールが消えた「Larrabee」(ララビー,開発コードネーム)など,一部はすでに影響が表へ出てきているが,このあたりもユーザーとしては興味の一つになりそうだ。
- 関連タイトル:
Core i7&i5(LGA1156,クアッドコア)
- 関連タイトル:
Core i7(LGA1366,クアッドコア)
- 関連タイトル:
Core i7 Mobile Processor(クアッドコア)
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(C)Intel Corporation
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