ニュース
JC Globalがサービスを予定しているSFテーマのオンラインFPS「Another Day」の詳細が,秋葉原PCゲームフェスタで明らかに
4月27日に掲載したニュースでもお伝えしたように,Another Dayは,韓国のQueen's Softが開発したオンラインFPSで,サービス形態は基本料金無料のアイテム課金制が予定されている。
テーマはSFで,地球温暖化による環境の変化や大気汚染,伝染病の猛威を受け,未曾有の危機を迎えた2030年の未来において,自然浄化事業の権利をめぐり,地球環境保護機構の設立したエリート戦闘部隊「Safe Guard」と各国の企業とが激しい戦いを繰り広げているという設定だ。Another Dayとは,Safe Guardのニックネームであり,同時に「明るい未来」も意味しているという。
現在,特殊部隊ものから第二次世界大戦もの,そしてSFものまで,さまざまなジャンルのオンラインFPSが数多くサービスされているが,ゲームの概要を紹介したAnother Dayチームマネージャーの富永寛之氏は,新規タイトルであるAnother Dayの魅力/特徴として以下の5点を挙げた。
まずは「SF武器」で,ありえないような空想的な武器が多数登場し,後述する3種類の兵科を組み合わせることで,さまざまなプレイスタイルが可能になるという。武器としては,電磁誘導式のレールガンのほか,電動ノコのようなブレードの付いたナイフ,そして敵に当てるとダメージを与えられるが,味方には体力回復になる“エナジーキャノン”など,個性的なものが揃っている。
第2のポイントは「アクション」。スクリーンショットからも分かるように,兵士達はいかにもハードSFといったごっついスーツを着込んでおり,例えばスーツの背中に装備されたブースターを使って急速移動したり,光学迷彩によって姿を消したり,あるいは壁を蹴ってより高いところへジャンプしたりといった動きが可能になっている。こうしたさまざまな特殊アクションを使いこなすことで,スピーディでダイナミックな戦闘が体験できるというわけだ。
ゲームの設定に沿った二種類のサーバーが用意されているところも特徴だと,富永氏は続けた。プレイヤーはまず「プラネットサーバー」に入って,“Save the Planet”というミッションに挑むことになる。戦場になるのは地球上で,基本的にPvP(対人戦)がメイン。ここでしかるべき結果を出すことで,もう一つの「ユニバースサーバー」へ進む資格が得られる。ユニバースサーバーのミッション“Save the Universe”の舞台は宇宙で,地球外資源の探索のため未知の惑星に飛び出したプレイヤー達が,さまざまな戦いに挑むことになるのだ。
いずれも比較的おなじみのモードで,“Another Dayならでは”とはちょっと言いにくいかもしれないが,ゲームモードについては今後増えていく予定とのことで,サービス開始当初はよく知られたルールのモードのほうが取っつきやすいという判断もあったのかもしれない。いずれのモードもチーム戦が基本で,最大参加人数は8人対8人の計16人。また,基本的にPvPはプラネットサーバーで行われ,もう一つのユニバースサーバーでは,Co-op(協力プレイ)が楽しめるという。
というわけで,特徴その5として富永氏が挙げたのが「本格的なCo-op」だ。Another Dayに使用されているゲームエンジンは,アメリカのデベロッパであるMonolith Productionsが開発したLithtech Jupiter EXで,2005年の「F.E.A.R.」から2009年の「F.E.A.R. 2: Project Origin」まで,数多くのタイトルに採用されている。低スペックのPCからハイスペックマシンにまで対応しているほか,とくにF.E.A.R.では高度なAIも話題となり,このAIを使ったCo-opモードも注目点だというわけだ。
ユニバースサーバーで宇宙に進出したプレイヤーが,襲いかかってくるさまざまなモンスターを相手にCo-opを演じることになるわけだが,残念ながら今回のイベントで詳細は公開されず,詳しくは後日改めて発表されるとのことだった。
以上の五つがJC Globalの訴求するAnother Dayの五つの魅力というわけだが,続いて,ゲームに登場するクラスの紹介が行われた。本作には,どの勢力も同じく「Assault」(アサルト),「Sniper」(スナイパー),そして「Supplier」(サプライヤー)の三種類の兵科が用意されている。
基本的に,武器はクラスに固定されているが,アイテムを使用してスロットを増やせば,それ以外の武器の携行も可能になり,さらに投擲系の武器も増やせる。このように,装備のカスタマイズ性の高さも特徴の一つとして紹介されており,例えばヘッドショットに対する耐性を上げるヘッドギア,防御力やスタミナ,移動速度を上げるボディースーツなどが用意されている。また,個々の武器にスコープやグレネードランチャーを装備して能力を高めることも可能だ。
販売されるアイテムがどのようなものになるのかについての言及はなかったが,おそらくこうしたカスタマイズ系のものも数多く用意されているだろう。もっとも,お金をかけたほうが強くなるという状況はあまり好ましくないので,そのへんのバランスは微妙だ。
10分間という短時間ながら,実際にチームデスマッチを体験する機会も得られた。まったくの新作を初めてプレイするということで,さすがにコントロールに手間取ったのだが,基本的な操作方法は普段FPSをプレイしている人なら分かりやすいはずだ。戦場となった「Factory」は広い倉庫のあちこちにコンテナが置いてあるというマップで,各クラス一人ずつの3対3での戦いだ。
先行するオンラインFPSに比較してグラフィックスレベルは確かに高めだが,ロースペックのPCにも対応しなければならない必要上,最新FPSタイトルに比べればかなりカジュアルだ。ただ,グラフィックスの設定オプションが数多くあり,すべてを最高にすればかなりの美しい画面になるとのこと。最近多いスタイルだが,HUD類は最小限で,ミニマップなどもない。サプライヤークラスなら,味方の位置を把握できるが,それをほかの兵士に的確に伝えるためにはチャットなどを介する必要がある。ボイスチャットがあれば連携が取りやすいだろうが,対応しているかどうかは今のところ不明だ。
ちなみに,Queen's SoftでAnother Dayを制作するメンバーの中には,マルチプレイFPSの元祖として知られる「Quake」(1996年)の開発に携わった人もいるとのことで,そういえばブースターで近距離を飛んだり,壁を蹴って二段ジャンプできたりするところは,Quakeの“ストレイフジャンプ”や“バニーホップ”を思わせる。
いずれにしろ戦いのテンポは非常に速く,リスポーンまでの時間も短いので,勝負の決着も短時間で付く。「戦略よりはアクション」という雰囲気だ。
富永氏は最後に,今後の展開について語った。
まず,「先行訓練」と称するクローズドβテストは2010年6月に実施予定。「公開訓練」と名付けられたオープンβテストは2010年7月に開始予定だ。詳しくは近日発表される予定とのことなので,続報を待とう。
また,長・中期的展望としては,コンテンツの追加,イベント,公式大会の開催などを定期的に行っていくとしている。JC Globalは,Another Dayのプレイヤーを「コアプレイヤー」「ミドルプレイヤー」,そして「ライトプレイヤー」の三つのレイヤーに分け,それぞれに個別の施策を行っていく予定だ。例えば,コアプレイヤーには公式大会,ミドルプレイヤーにはネットカフェでの展開や,コミュニティ支援機能の拡充,そしてライトプレイーにはチュートリアルの充実といった感じ。もちろん,基本的な運営についても,例えば不正行為の即時対応など,細かく行っていく予定とのことだ。
最後に,JC Globalの取締役社長である申 哲昊氏が挨拶を行った。申氏は,Another DayはJC Globalがサービスをする四つめのタイトルであり,初のFPSであると述べ,日本におけるオンラインFPSをこれから盛り上げていきたいと続けた。もちろん,このジャンルでのトップも目指すという。また,五つめのタイトルについても,もうすぐ発表できるとのことだった。
数多いオンラインFPSジャンルに新たに加わったタイトル,Another Day。テーマはSFだが,ミリタリームードも強く,さまざまなユニークな武器による,スピーディな戦闘が楽しめそうな作品になっている。さらに詳しい情報が公開されるのを待ちたい。
- 関連タイトル:
Another Day
- この記事のURL:
(C)Queen's Soft All Rights Reserved. (C)KT Hitel Co.,Ltd All Rights Reserved. (C)JC Global. All Rights Reserved.