連載
ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第30回「Bethesda Softworksは『Fallout 3』だけじゃない!(3)」
ヤバイ。ヤバイのだ。ターミネーターシリーズをもう一度勉強し直してみようと思い,Blu-rayでリリースされた「ターミネーター2 プレミアム・エディション」「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ ファースト・シーズン コレクターズ・ボックス」を購入したところ,懐具合は寒くなるわ,面白過ぎて仕事が進まなくなるわという始末。
後者は,ターミネーター2以降の物語を描いたTVドラマシリーズで,まだ見たことのない人も多いかもしれないが,ターミネーター2が好きだった人は,間違いなく楽しめるだろう。6月には劇場版のシリーズ第4作も公開されることもあって,2009年は自分内のターミネーター熱がかなり高まりそうな気配だ。
といったところでそろそろ,前回の予告どおりBethesda Softworksのターミネーターゲームの話題に移ろう。
昨今,映画スピンオフ系シネゲーといえば,ターミネーター以外では「スター・ウォーズ」「スタートレック」「トロン」あたりが有名である。これらに共通しているのは,原作がSF作品であること。非現実的な世界が描かれていたり,CGが多用されていたりするため,ゲームになってもグラフィックス的な違和感が少ないことから,映画で描かれた世界に対してプレイヤーが直接関与できるような感覚を生み出しやすいのかもしれない。
さてBethesdaは,1993年に第二のターミネーター・スピンオフ作品「The Terminator: Rampage」(以下,Rampage)を発売した。こちらは2029から引き続き,Vijay Lakshman氏を中心としたスタッフが開発を担当している。
舞台となるのは,前作同様2029年の荒廃したLA。軍事用コンピュータ「スカイネット」が送り込んでくる,さまざまな種類のターミネーターや無人戦闘機と戦うという設定のFPSだ。
心なしか2029よりも単純な作りになってはいるが,原作ファンのLakshman氏の関わった作品だけあって,世界観の再現っぷりに関しては,マニアも納得の高い完成度といえるだろう。
前回も少し触れたが,Lakshman氏が最初に作った2029は,同時期に発売されたid Softwareの「Wolfenstein 3D」の陰に隠れてあまり目立たなかったタイトルである。
しかし2029の次にLakshmanが手がけたRampageは,Wolfenstein 3DスタイルのFPSとして開発されているのは興味深いところだ。
ちなみに当時は“Wolfen Clone”と呼ばれるようなFPSの黎明期で,3Dゲームにとっての大きなターニングポイントでもあった。そう考えるとRampageもまた,時代の変化を後押しした作品の一つであったと言えるだろう。
これは,1994年にBethesdaに入社したTodd Howard氏が関わった,二つめの作品である。ちなみに一つめは,1994年発売の「The Elder Scrolls: Arena」だ。
こちらは前述のLakshman氏が,ゲームデザイン,ディレクション,そしてプロデュースを担当している。つまりThe Elder Scrollsシリーズの方向性を決定づける大きな役割を,Lakshman氏が担っていたといえるだろう。そしてこの作品に,入社したばかりのHoward氏も参加していたのだ。
ちなみにLakshman氏は,The Elder Scrolls: Arenaを最後にBethesdaを退社したため,彼が作りあげたターミネーター・フランチャイズは,残ったスタッフが引き継ぐこととなった。
その時期,FPSが台頭し始めたPCゲーム市場に適応すべくBethesdaは,オリジナルの3Dエンジン「XnGine」を生み出している。そしてXnGineは,Future Shockを皮切りに,1998年発売の「The Elder Scrolls Adventures: Redguard」まで,6〜7タイトルで採用されるなど,Bethesdaの主力武器として活用されていた。
当初SkyNETは,Future Shockのエクスパンションパックとして発売される予定だったが,俳優を実写取り込みで登場させるなどのパワーアップが加えられたこともあり,独立したタイトルとしての発売に至っている。
SkyNETは,Future Shockのプリクエル(前日譚)という位置付けのストーリーが描かれているが,未来を舞台にスカイネットと対決するという点では共通。このあたりに,アペンドディスク仕様だった頃の名残が垣間見える。ゲームシステムは,どちらもいわゆる“DOOMタイプ”のFPSだ。
ただ,Future ShockもSkyNETも,Lakshman氏が関わった作品と比べて独創性が足りなかったためか,販売本数はBethesdaの予想を下回ってしまった。そしてSkyNETを最後に,Bethesdaはターミネーターフランチャイズから手を引いたのである。
最後に一つ余談を。
“The Terminator”と“Terminator”は別の商標で,映画「ターミネーター2」以降の作品は原題から“The”が取り除かれている。従って,誰かが映画「The Terminator 2」というタイトルの作品を作ることは可能らしい。
というわけで,Bethesdaのシネゲーについてはここまで。次回は,ゼニマックスアジア(ベセスダ・ソフトワークスの親会社)のゼネラルプロデューサー高橋 徹氏に,発売中止がアナウンスされたあの“蔵ゲー”(お蔵入りゲーム)について聞く。
■ドブ漬けゲームスープレックス(30)
Xbox360
「NBAライブ08」(エレクトロニック・アーツ)
ゴルフ,アメフトときて今回はバスケットボール! ここのところEA SPORTS漬けになっているのは,短時間でさくっと遊べるゲーム以外,プレイする余裕がないから(泣)。
バスケゲームというと個人的には,メガドライブの「NBAプロバスケットボール ブルズVSレイカーズ」で遊びまくった記憶が蘇ってしまうのだが,そのぶん,「16年も経つとゲームはここまで進歩するのか!」と感動。
当時の筆者が本作の画面を見たら,きっとテレビ中継と間違えると思う。それほどまでに,各選手の再現っぷりがお見事。ロード時間にNBAトリビアを紹介してくれるので,NBAファンなら飽きる瞬間などなさそうだ。
ゲーム自体は,「負けて学ぶ」タイプの極めてまっとうなスポーツゲーム的デザインになっている。最初のうちは,ブロックなどが非常に難しいのだが,慣れさえすれば問題はない。
実況音声も含めてきっちり日本語化されているので,英語が苦手な人だって安心だ。
え? なぜ最新作「NBAライブ09」じゃないのかって? そりゃ,NBAライブ09が発売されたおかげで,本作が安くなっていたからで……。
「NBAライブ08」公式サイト
|
(C)1984 CINEMA '84, A GREENBERG BROTHERS PARTNERSHIP All Rights Reserved.
- 関連タイトル:
NBAライブ 08
- この記事のURL:
キーワード
(c)2007 Electronic Arts Inc. EA, EA SPORTS and the EA SPORTS logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. 本製品に使用されている”NBA”及び各”NBAチーム”の表示は NBA Properties, Inc. と各NBAチームの商標権、著作権、その他の知的所有権により保護されています。これらを使用することは、全体か部分かを問わず NBA Properties, Inc. の書面による事前の同意なしには認められておりません。(c)2007 NBA Properties, Inc. All Rights Reserved. All other trademarks are the property of their respective owners.