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  • 発表日:2008/06/02
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[COMPUTEX]NVIDIA,「Crysis 2」のDX11パッチ適用版を披露。Kal-El世代に向けた次世代タブレット用TPSのデモも(ムービー追加)
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印刷2011/06/01 14:18

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[COMPUTEX]NVIDIA,「Crysis 2」のDX11パッチ適用版を披露。Kal-El世代に向けた次世代タブレット用TPSのデモも(ムービー追加)

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会場の様子
 COMPUTEX TAIPEI 2011の初日となる現地時間2011年5月31日には,「その時代を代表する,厳選された企業が集まる」という名目で,スマートフォンやネットワーク,クラウドサービスに関連した企業が参加する基調講演群「Innovation Forum 2011」が開催された。
 参加企業にはNECやNTTドコモといった日本企業もあったが,内容的に最も興味深かったのはNVIDIAのものだったので,同社の基調講演をレポートしたい。


DirectX 11パッチ適用版

Crysis 2のデモを一部公開


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Dan VivoliことDaniel F. Vivoli氏(Senior Vice President, NVIDIA)
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今のPC誌では,PCの記事よりもタブレットやスマートフォンに関する記事のほうが多いそうだ
 NVIDIAの基調講演で登壇したのはDaniel“Dan” F. Vivoli上級副社長。「Personal Computing for a New Generation」(次世代のパーソナルコンピューティング)という題で話し始めた氏はまず,10年前と現在のPC誌の内容を比較しながら,この10年でユーザーにとってのコンピューティングがどう変革してきたのかを説明した。

 要約すれば,10年前は200ドルで容量64MB分のメモリモジュールしか買えなかったが,現在は同一金額で合計16GB分のモジュールが買える,といった具合だ。GPUメーカーのNVIDIAも,10年前はポリゴンにテクスチャを貼り付けて基本的なシェーディングを行うだけの「RIVA 128」を提供していた。当時は「最先端リアルタイム3Dグラフィックス!」として賞賛されたが,最新のGeForceでは,ほとんど映画向けCGに近いレベルのゲームも楽しめるようになった,とVivoli氏は続ける。

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10年前と現在の,「200ドルで買えるメモリモジュールの容量」比較。こうやって並べてみるとけっこうインパクトがある
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RIVA 128で動作する「MotoRacer」。「RIVA 128なら煙が白くて動きも滑らか!」と感動したおっさんゲーマーも多いはず

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 そして,その「映画向けCGに近いゲーム映像」の一例として公開されたのが,近日公開が予定されているというパッチによりDirectX 11対応を果たした「Crysis 2」の一部だ。


 公開された映像で確認できたのは,高輝度部分が維持される「HDRモーションブラー」と,ジオメトリシェーダを用いた「スプライトベース被写界深度表現」,ディスプレースメントマッピングを用いた「立体的なディテール付加表現」,テッセレーションを応用した「鶏冠状の水面の波表現」など。リリースが今から楽しみだ。

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DirectX 11パッチ適用版Crysis 2のデモの様子
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話題はやはりTegraへ

Kal-El世代に向けた次世代TPSも披露される


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「3200ドルで何が買えるか」を示したスライド
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YouTubeで1分間にアップロードされる動画の容量。現在は全世界で1分間に50GBがアップロードされているとのこと
 ところで,10年前当時の最先端ハイスペックPCは一式3200ドルもしたとVivoli氏。これに対し,今では3200ドルがあればPCと一緒にPlayStation 3(=ゲーム機)や携帯端末までもが一緒に買えるという。

 これは,先ほどのメモリモジュールを用いた話と似ているため,あらゆるコンピューティングデバイスの値段が単純に安くなった……という事実だけを捉えることもできるが,Vivoli氏は,「ユーザーである我々人間がこの10年間の間に膨大な容量のデジタルコンテンツを消費し,それと同時に膨大な容量のデジタルコンテンツを生み出すようになったため,その要求性能に答えるべく,必然的に高性能で安価になったのだ」と,独特な考察を展開する。

 「鶏と卵」の話に近い議論として,「コンピューティングパワーが上がるから大量のデジタルコンテンツの消費と生産が促進される」というわけだが,いずれにせよ,この流れが衰えることは当面ないだろうというのが,Vivoli氏の見通しである。

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タブレットユーザーと非タブレットユーザーにおけるデジタルコンテンツ消費特性の違い
 そしてVivoli氏は,その流れのなかで,今後のコンピューティングにおける主役がタブレットやスマートフォンになると予測する。「もちろん,GeForceの主戦場となる,最先端のゲームプラットフォームたるハイエンドPCがなくなることはない」と口添えるも,一般ユーザーは,タブレットやスマートフォンを用いて大量のデジタルコンテンツを消費したり生産したりするのが多くなるはず,というわけだ。

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話題はやはりTegra 2へ
 そうなると,ここでNVIDIAが大きく取り上げるのは,「Tegra 2」ということになる。
 Vivoli氏の基調講演では,Tegra 2を搭載したタブレット製品が紹介されるとともに,その上で動作するゲームタイトルが紹介された。

 まず最初に紹介されたのは,Acerの未発売タブレット製品上で動作する,Tegra 2最適化版のジェットスキーゲーム「Riptide GP THD」だ。Bluetoothベースで動作する任天堂のWii用純正コントローラをこのAcer製タブレットと接続し,このWiiコントローラで操作する様子がお披露目されたのである。

Wii用コントローラをタブレット端末にBluetooth接続してRiptide GP THDをプレイするデモ
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 続いて,「Samurai II: Vengeance」などで知られるMADFINGERが開発中という,タイトル未定のTPSゲーム,そのα版がデモンストレーションされた。現時点では倒すべき敵もおらず,「ステージマップの中を歩き回れるだけのウォークスルー」以上でも以下でもないのだが,動的ライティングと静的ライティングを違和感なく融合させた3Dグラフィックスは見応えがあり,Vivoli氏も「5〜6年前のハイエンドPC向けゲームに近いクオリティが,いまやタブレットで動作する」と,興奮気味にTegra 2の持つポテンシャルの高さを訴求していた。

MADFINGERが開発中のリアル系TPS。ゲームエンジンにはUnityが用いられている
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Kal-El搭載機でGlowBallを実演中
 最後は,すでに映像としては公開されている次世代Tegra「Kal-El」(カルエル,開発コードネーム)向けのテクノロジデモ「GlowBall」をKal-Elの開発機で実際に動作させるライブデモだ。ピンボールのようなゲーム型で,発光するボールが縦横無尽に動き回り,周囲の障害物に対してリアルタイム影を生成させる部分が見どころの1つとなっている。

GlowBallのデモ
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 Kal-Elでは,Ultra Low Power GeForce(ULP GeForce)のコア数が増えていることから,より高度な(現行PCに近い,リッチな)シェーダを動かしてもフレームレートを落とさずにゲームプレイが行えるとのことだ。

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「パーソナルコンピューティングの主役はタブレット端末へ」が,NVIDIAの予見する近未来
 Vivoli氏は,このデモが実際のKal-El搭載機上で行われているのを証明するため,4コアで構成されるKal-Elに対して強制的に2コアを無効化し,動作を重くするさまを実演。また,公式には「製品名未定」とされるKal-Elについて,今回の基調講演中で氏が「Tegra 3……おっと,Kal-El」(Tegra 3……Woops, Kal-El)と笑ってごまかしながら言い直す瞬間が何度かあった。
 こういった,コア数を示すようなデモや,製品名のポロリがまかり通るほど,Kal-Elの開発と生産見通しは順調で,製品版のリリースは近いということなのだろう。

 なお,冒頭で名前だけ挙げたNECやNTTドコモも含め,Innovation Forum 2011関連のプレゼンテーションは,Innovation Forum 2011の公式Webサイトで近日中に公開される予定とのことだ。興味のある人はチェックしてほしい。



Innovation Forum 2011の公式Webサイト(近日公開予定)

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