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Intel,第3世代Xeon Phi「Knights Hill」の存在を明らかに
もうその“字面”だけでもゲームと縁遠いことが分かると思うが,GPUと関連のある数値演算アクセラレータ「Xeon Phi」の新たなロードマップが明らかになったので,そのあたりを中心に,新情報をざっとまとめてみたいと思う。
第3世代Xeon Phi「Knights Hill」の存在が明らかに
当初,単体GPUとして開発が始まり,その後,数値演算アクセラレータとして仕切り直されたXeon Phi。現行製品は,開発コードネーム「Knights Corner」(ナイツコーナー)と呼ばれていた“仕切り直し後の第1世代”だが,2014年6月に開催された「International Supercomputing Conference 2014」(ISC2014)においてIntelは,第2世代品として2015年後半に登場予定となる「Knights Landing」(ナイツランディング,開発コードネーム)の詳細を明らかにしていた(関連記事)。
そしてSC14における最大のトピックとなりそうなのが,第3世代Xeon Phiである「Knights Hill」(ナイツヒル,開発コードネーム)の公表である。Knights Hillという開発コードネーム自体は,噂レベルで何度か出ていたが,Intelが公式にその存在を認めたのは,今回が初めてではなかろうか。
もっとも,Knights Hillの詳細は,まだほとんど明らかになっていない。上のスライドから分かるとおり,SC14で公表されたのは,10nmプロセス技術を用いて製造され,第2世代の「Omni-Path Architecture」がサポートされるという2点だけである。
これは,SC14に合わせて発表された,高速かつ多機能なスイッチ技術だ。Omni-Path Archtectureを実装した第1世代の製品は,Knights Landingに合わせて立ち上がることになる。
Intelの説明によれば,Omni-Path Architectureでは,多彩なネットワークトポロジ(≒接続方法)を実現でき,小規模なクラスターから大規模なスーパーコンピュータまでサポートできるとのこと。また,高速かつ低レイテンシでもあるそうだ。
IntelはISC2014で,「Omni Scale Fabric」というインターコネクト技術を発表しているが(関連記事),今回のIntel Omni-Path Archtectureは,それを支えるスイッチ技術という理解でいい。Knights Hillでは,そんなOmni-Path Archtectureが第2世代モデルになるというわけである。ただし,その「第2世代Omni-Path Archtecture」で何が変わるのかは,今のところ明らかになっていない。
Intelは,プロセッサ製品単体だけでなく,メモリ技術やファブリック技術,省電力技術など,ハードウェアとソフトウェアをひとまとめにしたトータルな技術でHPC分野にアプローチしていく。要するに,世界最大の半導体メーカーが持つ総合的な技術の利を活かし,HPC分野のシェアを広げようというわけだ。
なお,2015年後半のローンチが予定されているKnights Landingの製品に関するアップデートはなかったが,すでに50基のHPCシステムがKnights Landingベースで設計に入っているとのこと。2015年の立ち上げに向け,順調に進んでいると,Intelはアピールしている。
今回,Knights Hillの登場時期は一切発表されていないが,タイミング的にはエクサスケールを狙う製品になるだろう。こうしたHPCの技術は,一部が将来的にゲームの市場へ下りてくる可能性があるだけに,Xeon Phiの動向にも目を配っておくのがよさそうだ。
IntelのXeon Phi製品情報ページ
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