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ASUS,ゲーマー向けスマートフォン「ROG Phone 5」シリーズを発表。最上位モデルは容量18GBのメインメモリを搭載
中でも注目は,最上位モデルであるROG Phone 5 Ultimateで,18GBという大容量のメインメモリを搭載するのが見どころとなる。
世界市場における販売時期と価格は以下のとおり。なお,ASUSによると,日本国内における販売も予定しているが,発売時期や価格は明らかになっていない。
●ROG Phone 5:3月発売
- メインメモリ容量8GB,内蔵ストレージ容量128GB,799ユーロ
- メインメモリ容量12GB,内蔵ストレージ容量256GB,899ユーロ
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量256GB,999ユーロ
- メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB,1199ユーロ
- メインメモリ容量18GB,内蔵ストレージ容量512GB,1299ユーロ
いずれの製品も,ディスプレイパネルとして約6.78インチサイズで解像度が1080×2448ドットの有機ELパネルを採用する。従来モデルの「ROG Phone 3」の約6.59インチとくらべて,ディスプレイサイズは若干広くなった一方で,公称本体サイズは,77(W)×173(D)×9.9(H)mmとほとんど変わらない。
ROG Phone 5シリーズの各製品における目につく違いとして,メインメモリと内蔵ストレージの容量以外に,筐体デザインが挙げられる。ROG Phone 5は背面にドット状のLEDイルミネーションを搭載する一方で,ROG Phone 5 ProとROG Phone 5 Ultimateは,ASUSが「ROG Vision」と呼ぶ小型ディスプレイを備える点も挙げられよう。
ROG Phone 5 | ROG Phone 5 Pro | ROG Phone 5 Ultimate | |
---|---|---|---|
メーカー | ASUSTeK Computer | ||
OS | Android 11 | ||
ディスプレイパネル | 約6.78インチ有機EL,解像度1080×2340ドット,アスペクト比 9:20.4,最大リフレッシュレート144Hz,HDR対応 | ||
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 888」 ・CPUコア:Kryo 680(最大2.84GHz) ・GPUコア:Adreno 660 |
||
メインメモリ | 8GB,12GB,16GB | 16GB | 18GB |
ストレージ | 128GB,256GB | 512GB | 512GB |
アウトカメラ | 2眼式,標準:約6400万画素,マクロ:約1300万画素 | ||
インカメラ | 約2400万画素 | ||
対応5Gバンド | 未公開 | ||
対応LTEバンド | 未公開 | ||
対応3Gバンド | 未公開 | ||
無線LAN対応 | Wi-Fi 6E(IEEE 802.11ax) | ||
Bluetooth | Bluetooth v5.2 | ||
バッテリー容量 | 6000mAh(3000mAh+3000mAh) | ||
待受時間 | 未公開 | ||
連続通話時間 | 未公開 | ||
USBポート | USB Type-C×2 | ||
公称本体サイズ | 77(W)×173(D)×9.9(H)mm | ||
公称本体重量 | 約239g | ||
本体カラー | Phantom black,Storm white |
ROG Phone 5では,Snapdragon 888の採用に合わせて,内部設計を従来製品から大幅に設計したという。たとえば,「ROG Phone II」やROG Phone 3では,SoCを筐体の端に搭載していた。それに対して,ROG Phone 5シリーズでは,SoCを新たに筐体の中心に配置している。これにより,放熱用のベイパーチャンバーやグラファイトシートの大型化が可能になったという。
また,SoCを筐体の中心に置いたことで,専用外付けクーラーである「AeroActive Cooler 5」の風を効果的に当てられるようになったそうだ。AeroActive Cooler 5を装着することで,SoCの温度を最大15℃,筐体の表面温度を最大10℃も下げられるという。筐体やSoCの温度上昇を抑えることで,安定したゲーム性能を発揮できるというのがASUSの主張だ。
ROG Phone 5のディスプレイパネルは,最大144Hz表示に対応しており,これはROG Phone 3から変わらない。ただし,タッチパネルのサンプリングレートが270Hzから300Hzへと引き上げられた。これにより,144Hz表示におけるタッチ操作の入力遅延が,従来製品の25msから24.3msへとわずかながら下げられたという。
サウンド面についても触れておきたい。ROG Phone 5は,筐体の両端に搭載するスピーカードライバーとスピーカーチャンバーを大型化することで,スピーカーの出力が21%向上した。
だが,スピーカー以上にゲーマー向けスマートフォンとして注目すべきは,3.5mmミニピンのヘッドセット端子が復活したことだ。ROG Phone 3では,5G対応の外付けモデムや5G用のアンテナを搭載するためにヘッドセット端子が省略していた。しかし,ROG Phone 5が採用するSnapdragon 888は,5G対応モデムをSoCに統合しているので,ヘッドセット端子用のスペースを確保できたとのこと。加えて,D/Aコンバータ(以下,DAC)にESS Technology製の「ES9280AC Pro」を採用しており,高インピーダンスのヘッドホンにも対応するのもポイントである。
ROG Phoneシリーズならではの特徴である側面タッチセンサー「AirTrigger」も世代を重ねて,「AirTrigger 5」となった。AirTrigger 5では,本体に内蔵するモーションセンサーを使った操作が強化されている。従来はスマートフォンを降るという動作に機能を割り当てられたのだが,AirTrigger 5は本体を左右に動かす,あるいは前後左右に傾けるという動作に対して,個別に機能を設定できるようになった。
なお,最上位のROG Phone 5 Ultimateには,側面だけでなく背面にも2つのタッチセンサーを備えているのも見どころだ。
ソフトウェア面の強化も図られている。
まずは,ゲーム向けの最適化モードである「X mode」には,従来よりもCPUの動作クロックやディスプレイのリフレッシュレートなどを引き上げる「X mode+」や,動作クロックを下げて電力消費を抑える「Ultra Durable」といった新たな動作モードが追加となった。
ゲーム向けの設定を行うユーティリティである「Armoury Crate」にも,いくつかの機能が新たに実装されている。とりわけ注目したいのは,「Scout mode」と「Esports mode」という2つの動作モードだ。Scout modeは,画面の色を反転して,FPSなどで相手の姿を視認しやすくするという機能だ。
一方のEsports modeは,eスポーツ大会を運営する企業の要望をうけた機能とのことで,Esports modeを有効にすると,通知の抑制やバッテリーを経由しないバイパス充電の有効化,ROG Phone 5に搭載するゲーム向けの機能をオフになるという。eスポーツ大会では,ゲーマー向けスマートフォンが備えるゲーム用の機能を規約で禁止しているケースがあり,そうした状況に対処したものだ。
最後にROG Phone 5用の周辺機器について紹介したい。ROG Phoneでは,スマートフォン本体に装着して,2画面ゲーム機化する専用ドック「TwinView Dock」をはじめとする豊富な周辺機器が特徴であった。しかし,ROG Phone 5用の周辺機器として提供するのは,AeroActive Cooler 5とケースのみとなるそうだ。ASUSによると,ユーザーにとって価値があるアクセサリを考えたうえで,今後はこれまでとは別の方向性を取りたいと説明している。
なお,専用ゲームパッド「Kunai GamePad」といった一部のデバイスは,ROG Phone 5でも利用が可能であるという。
ASUSのROG Phone 5製品情報ページ(英語)
ASUS日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
Republic of Gamers
- この記事のURL:
(C)ASUSTeK Computer Inc.