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印刷2019/05/27 22:00

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ASUS,薄型ノートPCやゲーマー向けモバイルディスプレイなど新製品を多数発表。ゲームにも使える2画面ノートPCも注目だ

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 2019年5月27日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,5月28日に開幕するCOMPUTEX TAIPEI 2019に合わせてPCおよび関連周辺機器を多数発表した。本稿ではその中から,ゲーマー向け製品ブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)と「TUG Gaming」の新製品と,ゲーマー向け特化ではないが,読者の関心を惹きそうな新製品について,簡単にレポートしたい。


ゲーマー向け薄型ノートPC「ROG Zephyrus」がラインナップ拡充


ROG Zephyrusシリーズのラインナップを示したスライド。右端が現行製品で,発表済みの2機種と合わせて計5機種となった
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 ROGの新製品としては,多数のノートPCを中心に,ディスプレイやヘッドセット,電源ユニットが発表となった。
 とくに注目すべき点は,ゲーマー向け薄型ノートPCである「ROG Zephyrus」シリーズのラインナップが大幅に拡充され,従来どおりのハイエンド製品から,1200ドル程度の比較的安価な製品まで,バラエティ豊かな計3機種が登場したことにある。

 上位モデルのほうから見ていくと,垂直リフレッシュレート240Hz表示が可能で,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応した15.6インチサイズのIPS液晶パネルを採用する「ROG Zephyrus S GX502」が登場した。
 従来のROG Zephyrusは,ボディカラーが黒の製品しかラインナップしていなかったが,ROG Zephyrus S GX502は,シルバーのカラーバリエーションを用意してきたのも見どころと言えよう。

ROG Zephyrus S GX502のシルバーモデル。筐体は切削加工したマグネシウム合金製パネルで,ゲーマー向けノートPCでは世界初の試みであるという
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 搭載GPUはノートPC向けの「GeForce RTX 2070」(※おそらくMax-Q Designと思われるが詳細は未公開),搭載CPUにはノートPC向けの第9世代Coreプロセッサを採用しているとのことだ。

 「ROG Zephyrus M GU502」は,ROG Zephyrus S GX502のマグネシウム合金製筐体や240Hz表示対応IPS液晶パネル採用といった特徴は継承しつつ,搭載GPUにノートPC向け「GeForce RTX 2060」を採用する製品だ。本体の厚さは約18.9mm,重量は約1.9kgとのことである。

ROG Zephyrus M GU502
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 Zephyrusシリーズでは初となるエントリー市場向けの新製品が「ROG Zephyrus G GA502」だ。本製品は,CPUに4コア8スレッド対応の「Ryzen 7 3750H」を,単体GPUにはノートPC向けの「GeForce GTX 1660 Ti」を採用し,北米での価格が1199.99ドル(約13万1100円,税別)という手の届きやすい価格を実現したのが特徴である。

ROG Zephyrus G GA502
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 垂直リフレッシュレート120Hz対応の液晶パネルを採用し,メインメモリ容量は16GB(※接続チャネル数は未公開),内蔵ストレージは容量512GBのSSD(※接続方式は未公開)を搭載するなど,価格対性能比は非常に高いものとなっている。妥当な価格で国内にも登場すれば,注目を集める製品となりそうだ。

 eスポーツゲーマー向けを謳うROG STRIXシリーズのノートPCとしては,「ROG STRIX SCAR III」(以下,SCAR III)と「ROG STRIX HERO III」(以下,HERO III),「ROG STRIX G G531」(以下,G531)および「ROG STRIX G G731」(以下,G731)という4製品が発表となった。

赤い台形の部品がROG Keystoneだ
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 SCAR IIIとHERO IIIは,2018年6月に発表となった「ROG STRIX SCAR II」および「ROG STRIX HERO II」の後継機種である。両製品とも,ASUSとBMW Designworks Groupの協業によってデザインされた新筐体を採用したうえで,「ROG Keystone」と称する着脱可能な小型ストレージデバイスを採用したのが特徴だ。
 ROG Keystoneはユーザーが作成したROG用ソフトウェアの設定プロファイルを保存しておき,筐体右側面にある専用スロットに取り付けるだけで設定を読み込めるほか,秘密のストレージ領域「Shadow Drive」にアクセルできるようになるものだという。自分のKEY Stoneを他のSCAR IIIやHERO IIIに差し込むだけで,自分のPCであるかのように使えるといったところが利点だろうか。

左はROG Keystoneを取り外したところ。右はROG Keystoneの裏側。何かのアンテナがあるので,PC本体とは非接触で通信するようである
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 SCAR IIIとHERO IIIのスペックは,ほぼ同じようなもので,いずれも第9世代CoreプロセッサのCore i9――展示機の1台は「Core i9-9880H」を搭載――と,ノートPC向けGeForce RTX 2070を採用している。ただ,上位モデル的な位置付けのSCAR IIIは,垂直リフレッシュレート240Hz対応の液晶パネルを採用する点が目立つ違いだ。

左がSCAR IIIで,右がHERO III。外観は非常によく似ているが,HERO IIIのほうは,[W/A/S/D]キーのキーキャップが白色になっている。なお,前面と左右側面の底面側には,カラーLEDが埋め込まれており,派手に光る
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 G531とG731は,エントリー市場向けの製品である。筐体のデザインはSCAR IIIやHERO IIIをベースにしているものの,ROG Keystoneには対応していない。
 その一方で,ブラックだけでなくシルバーに近い「Glacier Blur」のカラーバリエーションを用意している点が目立つ違いだ。

G531のブラック(左)とシルバー(右)。HERO IIIでROG Keystoneのあったところはふさがっている
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 G531とG731の詳細なスペックは,本稿執筆時点では明らかになっていないが,垂直リフレッシュレート144Hz対応の液晶パネルを採用することは判明している。

展示コーナーには,ASUSとBMW Designworks Groupの協業による試作ノートPCも展示されていた
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キーボードの左右にあるスリットにはカラーLEDイルミネーションが組み込まれている(左)。筐体後端もフィンが並んだようなデザインとなっている(右)
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 ノートPCではそのほかに,TUF Gamingブランドのエントリー市場向けノートPC「TUF Gaming FX505DU」と「TUF Gaming FX705DU」も発表となった。
 両製品とも,Ryzen 7 3750HとGeForce GTX 1660 Tiを採用しているのが特徴だ。

TUF Gaming FX505DU(左)とTUF Gaming FX705DU(右)。液晶パネルのサイズが,前者は15.6インチ,後者は17.3インチと異なっているが,搭載CPUとGPUは同じである
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17.3インチ&240Hz対応のゲーマー向けモバイルディスプレイ「ROG STRIX XG17」


 続いては,液晶ディスプレイの新製品を紹介しよう。
 ASUSは以前から,15.6インチサイズのモバイル向け液晶ディスプレイを製品化していたが,それらはゲーマー向けの製品ではなかった。
 一方,今回発表となった「ROG STRIX XG17」は,ASUS初のゲーマー向けを謳うモバイル液晶ディスプレイである。

ROG STRIX XG17
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 全体的なデザインは,既存のモバイル向け液晶ディスプレイである「ZenScreen MB16AC」と似ており,折り曲げてスタンドになるカバーが付属するのも同様だ。
 しかし,液晶パネルはサイズが17.3インチとなり,垂直リフレッシュレートは最大240Hzに対応,VESA標準のディスプレイ同期技術「Adaptive-Sync」(※AMD独自のディスプレイ同期技術「FreeSync」と事実上同じもの)にも対応しているというから,立派なゲーマー向け液晶ディスプレイである。

 PCやゲーム機との接続インタフェースは,Micro HDMI×1,USB Type-C(DisplayPort Alternate Mode対応)×2となっており,接続できる機器の選択肢が増えたのも嬉しいポイントと言えそうだ。

折り曲げるとスタンドになる「Smart Cover」を採用するのは既存の15.6インチモデルと同様だ(左)。接続インタフェースが3種類に増えて,MicroタイプではあるがHDMI接続も可能となった(右)
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TUF Gamingブランドのディスプレイ製品
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 液晶ディスプレイではそのほかに,TUF Gamingブランド初のディスプレイ製品である「TUF Gaming VG27AQと「TUF Gaming VG27BQ」,および「TUF Gaming VG32VQ」が発表となった。
 これら3製品共通の特徴は,ASUSが「次世代のAdaptive-Sync」と称するディスプレイ同期技術「ELMB-SYNC」を採用している点にある。

TUF Gaming VG27AQを使ったELMB-SYNCのデモ環境。地図を横スクロールで表示させて,文字の視認性を確認するというものだった
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 ELMB-SYNCは,ASUSが一部のゲーマー向け液晶ディスプレイで採用しているモーションブラー低減技術「Extreme Low Motion Blur」(ELMB)をベースに,Adaptive-Syncのようなディスプレイ同期技術を組み合わせた技術のようだ。説明スライドでは,垂直リフレッシュレートが120Hzまでは黒挿入が働き,144Hzでは黒挿入を行っていないように見える。
 ゲームを使ったデモはなかったのだが,ELMB-SYNCがオンのディスプレイとオフのディスプレイで,同じ地図を横スクロールさせて文字の読みやすさを比較するというデモを見た限りでは,たしかに文字は読みやすかった。

ELMB-SYNCの説明スライド。ELMBは固定リフレッシュレートにしか対応していなかったが,ELMB-SYNCは可変リフレッシュレート表示にも対応する
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 そのほかの周辺機器も簡単に紹介しておこう。
 サウンド関連では,リアル7.1chサラウンドサウンド再生に対応するヘッドセット「ROG Theta」(アールオージー セータ,またはシータ)と,ステレオヘッドセット「ROG Theta Electret」(アールオージー セータ エレクトレット)という2製品が登場した。

 ROG Thetaは,ASUSが以前から取り組み続けているリアル7.1chサラウンド対応ヘッドセットの最新モデルとなる。

ROG Theta
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 ROG Thetaは,左右のエンクロージャにフロント,センター,サイド,リアという計4基ずつのスピーカードライバーを内蔵しているのがポイントだ。一方,サブウーファのドライバーは省略されており,「Virtual Bass」という技術によって仮想的に実現してるとのこと。
 なお,リアル7.1chやリアル5.1ch対応のヘッドセットでは,各スピーカードライバーの音量調整が非常に難しいのが難点である。ただ,今回の発表ではROG Thetaにおける音量調整の話は出なかったので,何らかの工夫がこらされているのかどうかは不明だ。

エンクロージャ内におけるスピーカードライバーの配置を示したスライド。フロントのみ40mm径で,ほかの3基は30mm径となっている(左)。インタフェース類はシンプルで,接続対象機器を切り替えるスイッチらしいものと,音量調節ダイヤル兼マイクミュートボタンがあるだけだ(右)。左右のエンクロージャにやや太めのケーブルがつながっていることにも注目してほしい
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 一方のROG Theta Electretは,アナログ接続型のステレオヘッドセットであるが,エンクロージャ内に一般的なダイナミック型スピーカードライバーに加えて,平面タイプのエレクトロスタティック型スピーカードライバーも内蔵しているのが特徴である。
 7.5kHz以上の音域に強いエレクトロスタティック型スピーカードライバーと,それ以下の音域に強いダイナミック型スピーカードライバーを組み合わせることで,高音域から低音域までを再現できるのが特徴であるとのことだ。

ROG Theta Electret。外観はROG Thetaとよく似ているが,写真の展示機は取り外し可能なブームマイクが外されたままだった(左)。右はROG Theta Electretのエンクロージャを構成するパーツを並べたスライド。円形をしたダイナミック型の上にある四角い板がエレクトロスタティック型のドライバー(Electret Driver)である
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 周辺機器の最後に紹介するのは,ROGブランドの電源ユニット新製品「ROG STRIX 750W」と「ROG STRIX 650W」である。
 ASUSは2018年6月に,同社初のゲーマー向け電源ユニットとして出力1200Wの「ROG Thor 1200W Platinum」を発表。その後,出力850Wの「ROG Thor 850W Platinum」をラインナップに加えていた。

 既存のROG Thorシリーズがハイエンド市場向けであったのに対して,メインストリーム市場向けを狙ったのが,今回のROG STRIX 750WとROG STRIX 650Wであるという。ROG Thorシリーズで採用していた電源内の冷却用ヒートシンクはそのまま採用しながら出力を下げて,電力変換効率も80 PLUS PLATINUMから80 PLUS GOLDへとグレードを下げることで,低価格を実現したのがポイントであるとのことだ。

ROG STRIX 650W(左)。ケーブル類を着脱可能なフルモジュラー式のATX電源ユニットである(右)
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キーボード面に横長ディスプレイを備えた2画面ノートPCも登場


 最後に紹介するのは,非常に独創的な方法で2枚のディスプレイを搭載したノートPC「ZenBook Pro Duo」と「ZenBook Duo」の2製品だ。ゲーマー向け製品ではないが,両製品とも単体GPUを搭載してゲーム用途もアピールしていたので,簡単に触れておきたい。

 以下の写真を見ると見当がつくと思うが,ZenBook Pro DuoとZenBook Duoは,キーボード部分を手前側に寄せて配置し,本体奥側に横長のサブディスプレイ「ScreenPad Plus」を搭載することで,メインのディスプレイと合わせて2画面を実現したノートPCである。

ZenBook Pro Duo。キーボードの奥側にあるのがサブディスプレイだ
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ZenBook Pro Duoのディスプレイ仕様を示したスライド
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 上位モデルであるZenBook Pro Duoの場合,メインディスプレイは15.6インチサイズで解像度3840×2160ドットの有機ELパネル,サブディスプレイ側は14インチサイズで解像度3840×1100ドットのIPS液晶パネルとなっている。どちらの画面もタッチ対応だ。
 Windows 10からは2つのディスプレイにデスクトップを拡張しているように認識されているので,2画面間でウインドウを移動したり,2画面全体を使って1つのアプリを表示することも可能だ。ウインドウの移動や配置をやりやすくするツールも備えている。

 ASUSは,メインディスプレイ側で動いてるアプリケーションのツールパレットをサブディスプレイ側に配置したり,通常ならバックグラウンドで動いているようなアプリケーション――たとえば音楽再生ソフト――をサブディスプレイ側で表示したりといった使い方をアピールしていた。ゲームの場合なら,メインディスプレイでゲームをプレイしつつ,サブディスプレイ側で実況配信ソフトを操作したり,ゲームの細かい情報を表示したりするのに役立つというのがASUSの主張である。

左はゲームをプレイしながら,サブディスプレイ側で実況配信のチャット欄やWebカムで撮影した自分の姿を表示している様子。右はゲームの細かい情報をサブディスプレイ側に表示している様子だ
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ZenBook Duo
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 ゲーマー向けPCではないものの,ZenBook Pro Duoは,GPUにGeForce RTX 2060,CPUには第9世代CoreプロセッサのCore i9シリーズを採用しているとのことなので,スペック的にはゲームにも十分対応可能だ。
 下位モデルのZenBook Duoは,メインディスプレイ側が14インチの解像度1920×1080ドット,サブディスプレイ側が12.6インチで横方向の解像度が1920ドット(※縦方向は確認中)となっており,GPUに「GeForce MX250」,CPUはCore i7シリーズを搭載する。ゲーム用途メインで使うには,いささか非力といったところか。

 スペックからして高価な製品になるのは間違いないが,ゲームに耐えられる性能と独創的な機能を備えたZenBook Pro Duoを,欲しいと思う人は少なくないのではなかろうか。

ASUSのCOMPUTEX特設Webページ(英語)

ASUSTeK Computer公式Webサイト


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