ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,独ベルリンで開催されるコンシューマーエレクトロニクスの総合展示会「IFA 2017」に合わせ,現地時間の8月30日に多数のPC新製品を発表した。
ゲーマー向けブランド「Republic of Gamers」(以下,ROG)関連製品は,発表会の後で公開された「Showcase」のみでの展示となったが,その中で注目したいのは,垂直リフレッシュレート144Hz対応かつG-SYNCもサポートした,17.3インチ,応答速度7ms,解像度1920
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1080ドットの液晶パネルを採用するノートPC「
ROG Chimera」だ。
ROG Chimera。液晶パネルの表面加工はノングレア(非光沢)となっている。キーボードは10キー付きのフル仕様だ
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天板部
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思い返すと,年初のCES 2017でASUSは,垂直リフレッシュレート120HzでG-SYNC対応の液晶パネルを搭載するノートPCをアピールしていた。そこから半年でスペックを1ランク上げてきたわけである。
さてこのROG Chimeraだが,GPUはノートPC向け「GeForce GTX 1080」,CPUは4コア8スレッド対応の「Core i7-7820HK」。Xboxアクセサリのワイヤレス接続機能を統合しているため,特別なアダプターなしにXbox One用ゲームパッドなどをワイヤレスで接続できるのは面白い。
ROG Chimeraの主なスペック。追加アダプターなしにXbox One用コントローラを接続して利用できる。Xboxの配信機能もホットキーで利用できるようだ
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本体両側面。Type-AおよびType-CのUSBポートや,ワイヤードLANポート(RJ-45),マイク入力およびヘッドフォン出力用3.5mmミニピン端子×といったお馴染みのインタフェースが並んでいる。ビデオ出力インタフェースは背面側だ
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なおASUSによると,「垂直リフレッシュレート144Hz+G-SYNC」の対応は,COMPUTEX TAIPEI 2017で「FPS向け」として発表されたノートPC「
ROG STRIX SCAR Edition」でも対応するそうだ。標準モデルでは垂直リフレッシュレート120Hzのところ,上位バリエーションとして提供することになるという。
液晶パネルサイズ15.6インチと17.3インチの2モデルで登場モデルというROG STRIX SCAR Edition。上位バリエーションとして垂直リフレッシュレート144Hz+G-SYNCモデルを準備中だということが明らかになった
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COMPUTEX TAIPEI 2017のROGブランドにおける主役だった「MAQ-Q Design」採用ノートPC「
ROG Zephyrus」は,今回も登場。展示には要となる冷却機構周辺をスケルトン化して分かりやすくしたモデルもあった。
16.9〜17.9mmという薄い筐体にノートPC向けGeForce GTX 1080を搭載するモデルだ。MAX-Q Designを実現する冷却機構は,2基のファンと,見えるだけでも5本のヒートパイプによって実現されていることが分かる
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ShowcaseのROGコーナー。肝心の最新世代CPUにゲーマー向けモデルの新作はまだ出ておらず,GPUにもそれほど動きがないということで,今回,ROGブランドとしての発表会は見送られたのだと思われる
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冒頭で「発表した」と述べたすぐ次に展示会場の話をしてしまったわけだが,では発表会で何が出てきたのかというと,第8世代CoreプロセッサのU-Processor Line(Uシリーズ)を搭載する2-in-1がメインだった。ただ,もう1つ,これまでもプロトタイプが披露されてきた「ASUSのMRヘッドマウントディスプレイ」が,「
ASUS Windows Mixed Reality Headset」として正式発表になり,欧州市場における販売価格が税込449ユーロと明らかにされたのはトピックだろう。
ASUS Windows Mixed Reality Headsetが正式発表。欧州市場では税込449ユーロからという価格設定となっている
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現在各社からリリースされているMR(Mixed Reality,複合現実)対応ヘッドマウントディスプレイのスペックはいずれもリファレンス相当で差別化が難しく,差別化はスペック以外のところで行うしかないのだが,ASUS Windows Mixed Reality Headsetは,ゴーグル部を100以上のポリゴンで表現したデザインと,そのゴーグル部を跳ね上げられるようにして,MRの視界と現実の視界を容易に切り換えられるようにしてあるのが特徴だ。
なお,公称重量は約400gとのことである。
展示会場でのデモの様子。Oculus RiftやHTC Viveと違って,外部に設置するセンサーを使用しないのがMicrosoft製Mixed Realityの特徴だ。ヘッドマウントディスプレイ側で内蔵する6軸センサーと,前面のカメラモジュールでセンシングする
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