Jonney Shih氏(Chairman, ASUSTeK Computer)
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COMPUTEX TAIPEI 2015の“0日め”にあたる台湾現地時間2015年6月1日,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,恒例となっている報道関係者向けイベントを開催した。ステージでASUSの総帥である
Jonney Shih(ジョニー・シー)会長が紹介したのは,いまや同社の代名詞的ブランドとなっている「Zen」系の製品だったが,発表会場の展示コーナーには,ゲーマー向け製品ブランド「
R.O.G.」(Republic of Gamers)の新製品も多く並んでいた……というのは,
速報でお伝えしたとおりだ。
展示コーナーは人でごった返しており,長時間占有してビデオレポートを始めようとするマナーのないメディアもいたりして,ほとんど戦場なのだが,なんとか製品写真を撮ってきたので,注目度の高そうな製品について,フォトレポート的な詳報をまとめてみたいと思う。
無銘のG-SYNC対応湾曲ディスプレイ
無銘のG-SYNC対応湾曲ディスプレイ。「Project CARS」のデモが行われていたが,レースゲームとのマッチングはとても良好に見えた
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34インチの湾曲型IPS液晶パネルを搭載する,R.O.G.ブランドの液晶ディスプレイだ。会場では「
34-inch Curved G-SYNC Monitor」いう仮名で紹介されていた。
解像度は3440×1440ドット,アスペクト比はいわゆる21:9で,G-SYNC対応。製品名が決まっていないことからも想像できるとおり,発売日,価格はいずれも未定だそうだ。
接続インタフェースはDisplayPort 1.2とHDMI 1.4で,G-SYNCに対応するのはもちろんDisplayPortのほうだ。HDMI接続時のリフレッシュレートは「30Hzか,その程度」(ASUSの製品担当者)だそうなので,こちらは映画用といったところかもしれない。
スタンドは非常にユニークかつゴツい。接続や給電に用いるケーブルは,スタンド脚部の中を通せるようになっていた |
三つ脚の下には赤色LED。なお,展示機には付属していなかったが,「5-way」とされるスティック型のOSDコントローラが用意されるようだ |
“IPS感”と湾曲感を出すために,斜め上から撮影してみたカット。パネルの表面加工はハーフグレアといったところか
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「Cherry MX RGB」採用キーボード「Claymore」は,10キーの着脱が可能
見づらくて申し訳ないが,Cherryロゴの入ったCherry MX RGBキースイッチ
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ZF ElectronicsとCorsairの独占契約期間が終わり(
関連記事),晴れて(?)他社も採用できることになった,「
Cherry MX RGB」キースイッチ。基本的には「Che
rry
MX」スイッチと同じ仕様ながら,筐体が透明で,埋め込まれたフルカラーLEDの色を効率的に光らせることができるというのが特徴だが,それを採用する,ASUS初のキーボードが,「
Claymore」だ。
Claymore
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展示会場にあったのは,いま写真で見てもらったとおり10キーレスなのだが,製品紹介シートには10キーユニットがある。これはどういうことかというと,10キーユニットは,左右どちらにも取り付けられる,着脱式なのだ。「小さくて,なくなってしまうかもしれないので,今回は持ってこなかった」と,製品担当者は笑いながら話していた。
本体両側面に,10キーユニット接続用のコネクタとマグネットが用意されている
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少し気になったのは,キーボード本体の背が高く,やや腰高な印象を受けたことだ。とくに手前側のキーの背が高いため,快適に使うには,パームレストを用意したほうがいいかもしれない。
本体側面から。写真右が手前側になるが,やや腰高に見える
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世界市場における市場投入は2015年第3四半期の終わり頃を見込んでいるとのこと。価格は「見てのとおりのハイエンドモデルなので,相応のものになる」(製品担当者)とのことだった。
本体底面側には着脱式のUSB 2.0,USB 3.0,サウンド入出力端子が用意され(左),さらに本体奥側側面にはUSB 3.0ポートとヘッドセット接続端子が用意されていた(中央,右)。インタフェースを引き出せるようにもなっているということなのだろう
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MMOゲーマー向け。ワイヤード&ワイヤレス両対応の超大型マウス「Spatha」
MMOゲーマー向けマウスとして展示されていたのが,ワイヤード&ワイヤレス両対応の右手用マウス「
Spatha」だ。外観の特徴はとにかく大きく,重いことに尽きると言ってもいいくらいで,左サイドの6ボタンが非常にユニークなデザインであることを忘れてしまうほど,とにかく巨大である。
単体だと分かりにくいかもしれないが,Spathaは,もう,巨大としか言いようがない
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本体側面の6ボタン。ちなみに内蔵のLEDは約1677万色から好きな色や光り方を設定できるという
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ケーブルをつないだところ
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ASUSによると,これはMMOゲーマーの要望に応えた結果だそうで,MMOゲーマーにとって「軽いこと」の優先度は低く,むしろ,数が多くて押し分けやすい左サイドボタンと,ワイヤレスで長時間プレイでき,バッテリーが切れたらワイヤードで充電しながらさらにプレイし続けられることのほうがより重要だという調査結果に基づいて,ボタンと,ワイヤレス&ワイヤードを突き詰めていったところ,こういう形状になったのだそうだ。
本体底面。さすがに錘(おもり)は用意されていないようだ
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ちなみに,左サイドの6ボタン以外は,左右メインとセンタークリック機能付きスクロールホイールのほか,ホイール手前×1,左メイン脇×2で,計12個。搭載するセンサーは「トラッキング速度150IPS,最大加速度30G,DPI最大8200」とのことなので,PixArt Imagingの「ADNS-9800」系レーザーモデルではないかと推測される。
USBケーブルは,付属のスタンドに接続しておくと,使わないときに利用可能な充電台になる
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Claymoreと同じく,Spathaも,2015年第3四半期の終わり頃に発売予定。価格もやはり相応なものになるとのことだ。
G-SYNCに対応の新世代フラグシップノートとなる「G751」
「
G751」は,
6月1日にNVIDIAから発表されたノートPC向け「G-SYNC」に対応するノートPCだ。
G751。外観は,従来のR.O.G.ノートPCをおおむね踏襲している印象を受けた
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キーボードの外観もぱっと見は従来とあまり変わらない。ただ,G751では,新たに,自動&手動両対応のゲーム画面キャプチャツール「ShadowPlay」と,プリインストールのゲームプラットフォーム「Steam」をいずれも一発で起動するためのキーと,マクロを登録可能な[m1]〜[m3]キーを搭載するのが特徴となっている。
キーボード左奥に特殊キーが並ぶ。一番左,カメラマーク入りのものがShadowPlay用で,Steamロゴが入ったものはもちろんSteam用。マクロ用の[m1]〜[m3]キーはその右に並ぶ
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搭載されるGPUは,G-SYNC対応ということで,GeForce GTX 900Mシリーズ。最も高額な構成では「GeForce GTX 980M」を採用することになり,さらに,GPUのオーバークロックも可能になっているという。一方,組み合わされるCPUは「Core i7」とされており,その世代は明らかになっていない。
大型のノートPCということで,インタフェース類は一通り揃っている。ただ,Mini DisplayPortとHDMI Type A,アナログRGB(D-Sub 15ピン)にUSB 3.0×2,サウンド入出力端子,LAN端子がずらっと並んだ右側面(右写真)は,マトモに使おうとするとやや鬱陶しいことになるかも
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気になる価格は,最小構成で
1699ドル(税別)からとのこと。日本市場向けには,カスタマイズされたうえで出荷されるため,当然,それより上がることになるだろう。世界市場ではすでに出荷を開始しているが,日本市場では9月から10月頃の発売になるのではないかと,製品担当者は話していた。
「ゲーマー向け薄型ノート」を訴求する「G501」
MSIやHewlett-Packardが先鞭をつけた感のあるゲーマー向け薄型ノートPC市場。そこに向けてASUSの用意してきた製品が「
G501」となる。スペックに関して明らかになっているのは「4K解像度のIPSパネルを採用する」ことだけで,筐体のサイズはもとより,搭載されるGPUも明らかになっていないが,確かに薄いということは一目で分かる。
G501
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天板を閉じた状態。ゲーマー向けノートPCとしては確かに相当薄い
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本体両側面のインタフェース群。サイズがサイズだけに,G751と比べると多少見劣りするものの,Mini DisplayPortとHDMI Type Aが用意されているため,3画面出力は可能だ。4極3.5mmミニピンのヘッドセット接続端子も用意されている
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キーボードの配列はやや窮屈な印象もあるが,キーストロークは十分にあるため,慣れれば軽快に打鍵できるのではなかろうか。
世界市場では市場投入済み,日本市場では9月から10月頃の登場見込みというのは,G751と同じ。最小構成では
1299ドルという価格設定になっているそうだ。
Skylake搭載のゲーマー向けスリムPC「G20CB」
G20CB。Skylake搭載のゲーマー向けスリムPCとして,いずれ日本市場にも登場しそうだ
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ある意味,最もガードが堅かったのが,容量12.5リットルの薄型筐体を採用するデスクトップPC「
G20CB」だ。世界市場では9月以降の発売が予定されているというG20CBは,開発コードネーム「
Skylake」こと
第6世代CoreプロセッサとGeForce GTXを組み合わせてあるとのことで,筐体の中を見せてくれないかと頼んでも,きっぱり断られてしまった。
以上の製品は,COMPUTEX TAIPEI 2015のASUSブースでも展示されるという。もし追加情報が手に入れば,またお伝えしたい。