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[COMPUTEX 2008#25]ASUSの「R.O.G」は,ゲーマー向けとオーバークロッカ−向けの2ラインナップへ分化
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印刷2008/06/10 15:16

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[COMPUTEX 2008#25]ASUSの「R.O.G」は,ゲーマー向けとオーバークロッカ−向けの2ラインナップへ分化

 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,COMPUTEX TAIPEI 2008の同社ブースで「R.O.G」(Republic of Gamers)最新マザーボードを公開するとともに,新しい製品戦略を明らかにした。

Maximus II Formulaのデモ機
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 ASUSでR.O.Gシリーズ製品のマーケティングを統括するDerek Yu氏は,「これまでのR.O.Gは,ゲーマーとオーバークロッカーの両方をターゲットとした製品構成になっていた。しかし現在は,ゲーマーとオーバークロッカー,それぞれに向けて最適化したラインナップ構成を考える時期に来ている」と述べる。そしてCOMPUTEX TAIPEI 2008で示された一例が,ゲーマー向けモデルとなる「Intel P45 Express」(以下,P45)搭載の「Maximus II Formula」であり,「Intel X48 Express」搭載のオーバークロッカ−向けモデル「Rampage Extreme」である。

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P45チップセットを搭載し,DDR2-1200動作に対応したMaximus II Formula
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DDR3-2000動作をサポートするX48マザーボードになるRampage Extreme


一般の自作派ゲーマーもターゲットになる

高コストパフォーマンス追求モデル,Maximus II Formula


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2本あるPCI Express x16スロットは,PCI Express 2.0 x16×1またはPCI Express x2.0 x8 ×2動作で,P45の仕様どおり。なお,PCIスロット脇(写真左端)には,新しくデザインされたスタートおよびリセットボタンが配された
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CPUの電源まわりには16フェーズのPWM回路がずらりと並ぶ。これらはEPU 2コントローラにより,負荷に応じて動的にフェーズ数が切り替えられることで,高い性能と低い消費電力を両立するという
 Yu氏によれば,Maximus II Formulaは「パフォーマンスに妥協のない一方,一般的な自作派PCゲーマーでも手の届く価格帯を目指し,バランスを取ったモデル」とのこと。「P45チップセットが持つポテンシャルの高さを最大限に活用し,優れたコストパフォーマンスを実現している」という。
 もちろん,コストパフォーマンスを実現するために,妥協した部分がないではない。例えば,PCI Express x16スロット×2を採用するMaximus II Formulaだが,PCI Expressマルチプライヤチップなどは搭載していない。つまり,デュアルグラフィックス構成時にはPCI Express 2.0 x8 ×2になるわけだ。その意味では,ASUS(や他社の)P45マザーボード上位モデルと比べて,R.O.Gらしい“突き抜けた”印象は減り,違いが少なくなっているともいえるだろう。

 しかしその基板レイアウトは,一般PCユーザー向けのP45搭載ハイエンドマザーボード「P5Q Premium」とは異なっている。とくに,グラフィックスカードの安定動作や,(ゲームユースにおいて比較的現実的といえる)オーバークロック性能の実現に向け,各コンポーネント用の電源まわりや,マザーボード全体におけるシグナルノイズの低減などには,十分な配慮がなされているという。

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オーバークロック設定時の安定した長時間動作を追求するため,MCH(ノースブリッジ)への電源供給用に3フェーズPWM回路を搭載する。DIMM用にも2フェーズ搭載
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P45搭載の一般ユーザー向けハイエンドモデル「P5Q Premium」。「Maximus II Formula」とは基板レイアウトやコンポーネントが少なからず異なっている


オーバークロック性能に妥協を許さない

ハイエンドモデルとして登場するRampage Extreme


 一方,従来的なR.O.Gの路線を引き継ぎ,「究極のオーバークロック性能を実現すべく,搭載する部品にも気を配りパフォーマンスを追求したモデル」(Yu氏)として訴求されるのが,Rampage Extremeである。

TweakIt。スタートおよびリセットボタンとは別に,小刻みな電圧変更を可能にするスティックと,[Toggle][Confirm]ボタンが用意される
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 外観上の特徴は,Maximus II Formulaでは見た目が変わっただけだったスタートおよびリセットボタン部に,追加のボタン×2とスティックレバーが用意されていることだ。これは「TweakIt」と呼ばれ,「究極のオーバークロック動作を目指すうえで必要になるのが,細かな電圧調整だが,これを,BIOSメニューに入らずとも実現するのがこのスイッチ群だ」とYu氏。CPUとMCH,メインメモリ電圧を調整できるようになるそうだが,3項目をどうやって調整するのかといった動作の詳細は,実際に製品が登場するまでベールに包まれたままのようだ。

 またRampage Extremeでは,各パーツが持つポテンシャルを,オーバークロック動作時にきちんと発揮できるよう,CPUやメモリ,MCH,PCI Express x16スロットへ供給する電源周りを強化している。CPUに16,MCHに3,メモリモジュール用に2というフェーズ数のVRMを採用するのはMaximus II Formulaと同じだが,Rampage Extremeではこれに加えて,CPUとメモリモジュール用のコンデンサに富士通製の機能性高分子ML-3キャパシタを採用することで,安定した電源供給を実現するとのことだ。ASUSはこの機構を「Extreme Engine」と呼んでいる。

CPUとメモリモジュール用PWM回路には,それぞれ富士通製の機能性高分子ML-3キャパシタが組み合わされる。より安定した電力供給が可能になるという
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共通した仕様も多い

Maximus II Formula&Rampage Extreme


 ゲーマーか,オーバークロッカ−かというカテゴリの違いはあれども,同じR.O.Gシリーズということで,共通の仕様は少なくない。以下,主要なポイントをまとめてみよう。

●BIOS Flashback
BIOS Flashbackを実現するデュアルBIOSを搭載。写真中央には,拡張版CPU Crazyでサポートされる「SB Crazy」の動作インジケータも見える
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 “緊急時用のバックアップ”ではない,積極的なBIOS切り替えを想定したデュアルBIOS機能である。ユーザーは,2バージョンのBIOSを,任意に切り替えて利用できる。例えば「ASUSの推奨する安定版リビジョン」と,「特定の問題が解決していたり,オーバークロックスコアで実績のあるリビジョン」といった具合だ。

●CPU Level Upの拡張
 オーバークロックで引き上げたいパフォーマンスを指定するだけという簡単操作の自動オーバークロック機能「CPU Level Up」を拡張し,MCH(ノースブリッジ)やDIMM,ICH(サウスブリッジ)も,Normal / High / Crazyという選択肢から簡単にオーバークロック設定を行えるようになった。

●iROG
ICHの近くに設けられたiROGチップ×2。今後のR.O.Gマザーボードでも,新機能はiROGから制御できる形で実装される見込み
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 より細かなマザーボードの制御を可能にするというコントローラチップ。BIOS Flashbackや,拡張されたCPU Level Up機能などは,いずれもBIOSを通じてiROGから管理される。また,よりきめ細やかな手動オーバークロック設定がサポートされるという。新機能の追加に当たって,非常に重要なチップだとYu氏。

●カスタマイズ可能なチップセットクーラー
 チップセット用クーラーはネジ留めされているため,より冷却能力の高いクーラーを利用したり,あるいは液体窒素冷却時に邪魔になったりしたときは,容易に取り外しが可能だ。また,ノースブリッジ用ヒートスプレッダの一部はネジ2本で固定されており,これを取り外して付属のウォーターブロックと取り替えると,標準チップセットクーラーの液冷化にも対応できる。液冷化時の外観は,CeBIT 2008で公開されたR.O.Gコンセプトモデル「Pinotnoir」に似た印象を受けた。

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Maximus II Formulaの背面。チップセットはネジ留めされている
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Rampage Extremeに取り付けられたウォーターブロック

●「Speeding HDD」
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 Silicon Image製のハードウェアRAIDコントローラ「SiI 5723」を搭載。同コントローラの機能を利用し,2台のHDDを接続すると自動的にRAID 0アレイが構成されるのがSpeeding HDDだ。ゲームプログラムをインストールすれば,読み出し時間の短縮に寄与するというわけである。


 2008年夏に投入が予定されるR.O.Gマザーボードは「ハイコストパフォーマンスのゲーマー向けモデル」と,「徹底したオーバークロックモデル」という形に2極化することになる。ついに,純粋なゲーマー向けモデルが登場するわけだが,一方で「ハイコストパフォーマンス」と聞くと,どうしても下位モデル的な印象を受けるのも確かだ。
 この点についてYu氏は,「これはR.O.Gの新製品だ。コストパフォーマンスを追求したMaximus II Formulaではあるが,性能面で競合の後塵を拝するつもりはない」と,そのポテンシャルには自信を覗かせる。

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 これまでは,「ゲーマー共和国」を名乗りつつも,どちらかというとオーバークロック用途が想定されがちで,オーバークロック周りのコストが製品価格を押し上げてしまい,一般のPCゲーマーからすると,高嶺の花という感が多少なりとも否めなかったR.O.G。そんな同ブランドが,ゲーム用途ではオーバースペックな“贅肉(ぜいにく)”をそぎ落とし,ハードルを大きく下げようとしている点は,大いに歓迎したいところだ。
  • 関連タイトル:

    Republic of Gamers

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    Intel 4

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