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ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
コンセプトモデルから見えてくる次世代R.O.Gの姿
「Rampage Extreme」キャンセルの理由とは?
今後のR.O.Gシリーズ製品に採用される可能性があるとされた液冷ユニット |
メモリスロット各チャネルの2スロットめにはクロム&ゴールドメッキが施されていた |
CPUファンコネクタの脇には,CPU動作クロックの“程度”を示すLEDが設けられている |
ところで,筆者は事前にSI(System Integration)ベンダー関係者から「以前はASUSのロードマップにあった,『Intel X48 Express』(以下,X48)チップセット搭載のDDR3メモリ対応版となるマザーボード『Rampage Extreme』が,最近になって消えている」という情報を得ていた。そこでこの件について質問をぶつけてみたところ,「フラグシップモデルとして,X48のDDR3モデルがあって然るべきではある。しかし,フラグシップモデルは,最高のパフォーマンスを持つものでなくてはならない」(Huang氏)と,肯定する方向の含みを持たせた回答が得られた。
「Intel P45 Express」(以下,P45)チップセットの市場投入が間近に迫り,“その次”となる「Tylersburg」(タイラースバーグ,開発コードネーム)の足音も聞こえてきている現在,「フラグシップモデルに関しては慎重に判断する必要がある」とHuang氏。最高のパフォーマンスを発揮するプラットフォームを追求する姿勢が,Rampage Extremeのキャンセルにつながった,ということのようだ。
もう一つ,Rampage Formulaでは,「XMP」(Intel eXtreme Memory Profile)をサポートするとのことだ。
……ここで頭に疑問符が浮かんだ読者は少なくないだろう。ご存じのように,XMPはNVIDIAのDDR2メモリ用“オーバークロックプロファイル”「EPP」(Enhanced Performance Profile)をベースに,DDR3メモリのSPDを拡張したもの。つまり,“DDR2版のXMP”などというものは市場に存在しないからだ。
同じくDDR2メモリ対応となるMaximus Formulaでも,ASUSはXMP対応を謳っているが,この点についてHuang氏は「我々がサポートするのはあくまでXMPメモリ。ただし,仕様が同じなら動作するはずだ」と,(XMPと仕様が同じ以上)EPP対応メモリモジュールが利用できることを示唆している。
P45チップセットに期待するASUS
AMDチップセット採用のR.O.G,現状では予定なし
R.O.Gシリーズのマザーボードは種類を増やし続けており,とくにIntel製CPU対応製品では,どれを選んでいいのか困るほどのラインナップとなっている。気になるパフォーマンスを基準に据えたときの序列はどうなっているのだろうか。
「nForce 780i SLI」や「nForce 790i Ultra SLI」については「ゲーマーをターゲットにする以上,SLI対応は外せない。その意味でnForceチップセットはR.O.Gになくてはならない存在だ」としながらも「メモリの互換性やオーバークロック性能に関しては,もう少し,チューニングする余地がある」と注文を付けた。NVIDIA SLI対応以外の基本性能では,Intelチップセットのほうが優れているとHuang氏は指摘する。
一方,「AMD 790FX」ベースのR.O.Gマザーボードの計画は「いまのところ,ない」(Huang氏)。“ATI CrossFireX環境ならIntelプラットフォームで”というスタンスのようだ。エンドユーザーからの要望が多ければ,AMD製チップセットの採用もあり得るとした同氏だが,R.O.Gシリーズを展開するには,AMDの現行CPUラインナップが脆弱すぎるという思いが強いのかもしれない。
いずれにせよ,R.O.Gシリーズ拡大の背景には,拡大するPCゲーム市場,ひいてはPCゲーム用ハードウェア市場がある。ASUSはR.O.Gシリーズを,ゲーム用プラットフォームの最高峰として君臨させ続けるべく,さらなる開発リソースを注いでいくつもりのようだ。
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