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  • 発表日:2008/03/03
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2倍のCPU性能と3倍のグラフィックス性能を持つ「Bay Trail」でタブレットに切り込む。Intel,2013〜2014年の新プロセッサについて説明
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印刷2013/09/25 17:34

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2倍のCPU性能と3倍のグラフィックス性能を持つ「Bay Trail」でタブレットに切り込む。Intel,2013〜2014年の新プロセッサについて説明

 2013年9月25日,米Intelの日本法人であるインテルは,都内にて「インテル アーキテクチャー&マーケティング アップデート」と題した報道関係者向けの説明会を開催し,同社が現在注力しているモバイル市場への取り組みについて説明した。またこの説明会では,次世代のタブレット向けAtomプロセッサ「Atom Z3000」シリーズこと,開発コードネーム「Bay Trail」(ベイトレイル)を搭載した,東芝製Windows 8.1タブレット試作機も披露され,いよいよAtom Z3000搭載タブレットが離陸間近であることをうかがわせた。

発表会場で披露されたIntel製のBay Trail搭載タブレット試作機(左と中央)と,同じく東芝製のタブレット試作機(右)。残念ながら手に取って操作することは許されなかった
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Intelの武器は業界の先端を行く22nmプロセス


インテル代表取締役社長の吉田和正氏
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 このイベントはまず,同社代表取締役社長の吉田和正氏による,新しいプロセッサについての説明から始まった。これらは,2013年9月10日から12日かけて米国サンフランシスコで開かれた,開発者向けイベント「Intel Developer Forum 2013 San Francisco」(以下,IDF)で発表されたもので,吉田氏による説明もそれをベースにしたものだ。各プロセッサの詳細については,以下のIDF講演レポートを参照してほしい。

新CPU「Broadwell」と次世代Atom「Bay Trail」が披露。組み込み向けの新SoC「Quark」も発表されたIntel Developer Forumレポート その1


 吉田氏は「3次元トライゲート・トランジスタ」を使う22nmプロセスで製造されたプロセッサを供給できるのは,唯一である点を強調したうえで,このプロセスで作られる新CPUである「Quark」(クオーク,開発コードネーム)とBay Trail,そしてさらに微細化が進んだ14nm製造プロセスで作られるCPU「Broadwell」について,それぞれ簡単に説明した。
 最初に言及されたのはBroadwellだが,これに関しては,IDFでもあまり情報がなかったくらいなので,吉田氏から語られたのは,Broadwellが14nmプロセスで作られ,2014年末には製造を開始するという程度である。

IDFで発表された「Quark X1000」は,Intelにとって初の試みとなるプロセッサだ
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 続いて吉田氏が取り上げたのは,IDFで初披露されたQuarkの話題だ。Quarkとは,IntelアーキテクチャのCPUコアに,SoC(System-on-a-Chip)ベンダが保有するIP(プロセッサ回路の設計情報)を組み合わせたカスタムSoCのことで,今までIntelにはなかった種類のSoCとされている。
 吉田氏は,Quarkとは機器同士がネットワークを介してつながる「IOT」(Internet of Things)と呼ばれるデバイスを対象とした製品であり,その応用事例の1つが,身につけて使う「ウェアラブルデバイス」と呼ばれる機器であると述べた。そしてQuarkは,XeonやCoreプロセッサ,Atomに続く,Intelアーキテクチャを活用する新しい取り組みであり,パートナー企業(SoCベンダ)との協力が不可欠であると訴えた。


Bay Trailでは大幅な性能向上でWindows 8.1タブレットが快適に?


Bay Trailが備える特徴。性能の高さと低消費電力,そしてWindowsとの親和性の高さをアピールしている
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 続いて説明されたのが,本日のメインテーマであるBay Trailの話題である。吉田氏はBay Trailの概要について,「CPUが約2倍,グラフィックスは約3倍」と,性能の高さをまずアピール。たとえタブレット端末であっても,表で動いているアプリケーション以外に,ユーザーから見えないバックグラウンドで同時に多くのプログラムが動く必要あることを指摘し,やはり性能は大切であると主張する。この主張は,4Gamer読者の多くも同意するのではなかろうか。

 また,Bay Trailの利点として,WindowsとAndroidの両プラットフォームをサポートできる点もアピールした。もちろん,競合であるARM系プロセッサでも,今ではAndroidだけでなく,「Windows RT」という形でWindowsのサポートが可能になっている。とはいえ,ほとんどのPCゲームを含むx86 CPU向けのデスクトップアプリケーションが動かないWindows RTを,従来のWindowsと同じものと見なす人は,少なくとも4Gamer読者にはいないだろう。その点Bay Trailなら,今までのx86 CPU向けアプリケーションが当たり前のように動くうえに,Android用アプリケーションも,かなりの割合で動作するわけで(関連記事),この点は確かにARM系プロセッサに対する利点といえる。

 吉田氏は説明の中で,Bay Trailがターゲットとするプラットフォームを一覧したスライドも披露した。サイズの小さいものから挙げると,タブレット端末から始まり,ディスプレイ部分を取り外したり折りたたんだりすることで,タブレットとしても使える,通称「2-in-1」タイプのノートPC,そしてエントリー向けの低価格ノートPC,そしてディスプレイ一体型のオールインワン型デスクトップPCが,Bay Trailのターゲットとなる製品であるという。

Bay Trailが狙うプラットフォーム。Atom Z3000シリーズは,左下のタブレットやエントリー向け2-in-1ノートPCを想定した製品だ。なお,右下にAndroidとWindows 8のマークに挟まれた「Google Chrome」のアイコンが見えるが,これはGoogleの「Chrome OS」を意味する。ただし,現状では日本の消費者がその存在を気にする必要はない
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東芝が開発中の,国内未発表Windows 8.1タブレット。液晶パネルサイズは8インチとのこと。残念ながらここでは一切触れなかった
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 とくに,タブレット端末や2-in-1ノートPCで使われるAtom Z3000シリーズは,開発コードネーム「Bay Trail-T」とも呼ばれており,「性能と消費電力のバランスがいい」と吉田氏は述べる。今年の年末商戦には,ここで披露された東芝のタブレット以外にも,Atom Z3000を搭載するWindows 8.1タブレットが出てくるだろう。タブレットのサイズや重量,使い勝手を備えながら,実用的な性能でWindows 8.1が動くとなれば,興味を惹かれる人は多いのではないか。Atom Z3000を採用する,低価格かつ軽量な2-in-1ノートPCの登場にも期待したい。

 説明会で,吉田氏やマーケティング本部長を務める山本 専氏は,今後のIntelが取るプロモーションについて,「中身が大事,中身が違うことを積極的に説明していかなくてはならない」と主張した。確かに昔からのPCユーザーであれば,どんなPCや端末でも,快適さを左右する重要な要素がCPUであることを理解している。しかし,そういうことに関心がなかった,同社にとっての“新しい消費者”に対しては,そこをきちんとアピールして,ブランドと製品の認知度を上げなくてはならないだろう。
 今年前半までは,スーツの虎が軽快なダンスを披露しながらUltrabookをアピールするテレビCMをよく見かけたものだ。そうなると,「中身が大事」を訴えるこれからのプロモーション戦略では,いったいどのような手を打ってくるのだろうか? それもまた楽しみである。

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Intelでは,クイズに答えると抽選で10名にIntel CPU搭載タブレットをプレゼントするキャンペーンを実施するとのこと
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こちらは説明会で配られた特製チロルチョコ。中央に見える銀色の地に青いIntelロゴが書かれたものだけは,なぜかチョコではなかった
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