プレイレポート
ストイックなプレイフィールはそのままに,アイテム課金制となった「カウンターストライクオンライン」のプレイレポートを掲載
本作は,Valveの名作FPS「Counter-Strike 1.6」(以下,CS1.6)を,基本無料のアイテム課金という現在主流のスタイルでオンライン化したタイトルで,ゲームのマッチングロビーやクランなどの要素が追加されているのが特徴だ。タイトルとしてはやや古いといわざるを得ないCS1.6だが,その面白さは折り紙つき。基本無料ということで参加のハードルもかなり下がっており,オンラインFPSでは何かと引き合いに出されることも多い本作が気になっている人も多かろう。
なおゲームの概要については,以前に掲載した記事に詳しい。今回はプレオープンサービス時のバージョンを元に,実際のプレイフィールを交えつつ,ゲーム外の要素(ポイントシステムやロビー周り)を中心に紹介していくので,概要については下の記事も併せて参照してほしい。
「カウンターストライクオンライン」先行プレイレポート
「カウンターストライクオンライン」開発チームインタビュー
まずはチュートリアルで基本から
本作では現在,五つのゲームモードと14のマップが実装されている。ゲームモードは「デスマッチ(14)」「チームデスマッチ(14)」「人質救出(4)」「爆弾解除(8)」「殲滅(1)」(カッコ内は対応マップ数)の五つ。ゲーム内の表記では「デスマッチ」「チームデスマッチ」「オリジナル」と表記されているが,「オリジナル」にはデスマッチとチームデスマッチ以外のすべてのモードが含まれており,マップによってモードが変わる仕組みになっている。
各モードの詳細については前回のレポートでも紹介しているので省略させてもらうが,「爆弾解除」について,ほかのオンラインFPSと比較したうえでの違いに,TR(テロリスト)チームが設置するC4爆弾を,チーム内で持つのが一人だけという点が挙げられる。爆弾を持ったプレイヤーが倒された場合は,その場所にC4爆弾をドロップしてしまい,TRチームが目的を達成するためには,ドロップした爆弾を拾いにいかなければならない。C4爆弾を持つプレイヤーは毎回ランダムに変わるので,自分がC4キャリアーになった場合は,普段に増して慎重に立ち回るように注意しよう。
またプレイヤーの代わりにCPUが操るBOTを導入したプレイにも対応しており,それぞれ「BOTデスマッチ」「BOTチームデスマッチ」「BOTオリジナル」というモードとして実装されている。BOTについては強さが設定できるようになっているが,筆者が試したところでは,いずれもほとんど棒立ちに近いような状態で,「練習に使える」以上のものではないようだった。逆に練習には最適なので,ロビーでも練習用に鍵をかけたBOT部屋が多く見られた。
アイテム課金制となったカウンターストライク
その複雑なポイントシステム
そのほかにも,本作ならではの要素としては,その独特のマネーシステムが挙げられる。基本無料のアイテム課金制を取るオンラインゲームでは,通常二種類のポイントが用意されていることが多い。これはゲームをプレイすることで溜まっていく,いわゆるお金に相当するもの(ゲーム内ポイント)と,リアルマネーで購入するポイント(課金ポイント)の二つで,本作にもそれぞれ「クレジット」と「NEXONポイント」という形でこのシステムが採用されている。しかし,本作には,原作由来のもう一つのポイント「$(ドル)」が存在しており,初めて触れるプレイヤーにとっては,ちょっと分かりにくい仕様になっている。
もちろん原作のCS1.6ではこのようなアンロック制度は存在せず,最初からすべての武器が選択可能になっている。このお世辞にも分かりやすいとはいえない二重購入システムを採用した理由は定かではないが,おそらく原作に忠実にあろうとした結果なのだろう。原作由来のマネーシステムは,もっとも「CSらしさ」を感じる部分でもあり,そこには特有の駆け引きが存在している。例えば前述のピストルラウンドもその一つだし,$が不足して十分な装備が購入できない場合などは,チームで示し合わせてそのラウンドを「捨て」,初期装備のみで戦ってきちんと装備を揃えられる$を温存したうえで,次のラウンドに臨むなどの選択肢も考えられる。
しかしそれが分かっていても煩雑なのは確かで,もう少しスマートな実装はなかったのかと思ってしまうのも事実だろう。
参入のハードルは下がったものの,良くも悪くも健在なストイックさ。待たれる新モードの実装
CSシリーズは,かなり以前に「Counter-Strike:Source」を中心に少しプレイした程度の筆者だが,本作を久しぶりにプレイして感じたのは,その弾道の暴れっぷりだ。現在主流の韓国製FPSの多くは,武器にもよるが歩きながらの射撃でも比較的着弾が安定するものが多く,そのためか感覚を取り戻すのに結構苦労した。
本作の銃器は,基本的に静止した状態で撃たなくては,まともな方向に飛ばない仕組みになっている。そのために必要なのが「ストッピング」と呼ばれるテクニックで,移動したあとは,進行方向とは反対のキーを押し,素早くピタッと移動を止めることが重要になってくる。
また武器の反動を押さえ込むリコイルコントロールや,2点,3点のバースト射撃なども必須のテクニックで,ほかのタイトルから移ってきたプレイヤーは,まずチュートリアルやBOTモードなどで壁撃ちして反動を確認しておくのがいいだろう。とにかく動きながらの射撃だけは意味がないので,ストッピングまでいかなくとも,静止して撃つよう心がけよう。
逆に言えば,これらの要素は本作がCS1.6の忠実な移植である証であり,「スキルの磨き甲斐があるゲーム」として,世界中のプレイヤーに愛されてきた理由でもある。倒された場合はその理由を考え,次のプレイに生かしていく。そういうストイックさこそが,本作の最大の魅力である。
MAGNUM SNIPER RIFLE(原作のAWP)が恐ろしいのも原作譲り。でもちょっと,スナイパー多すぎじゃないですか? |
逆に面倒と感じたのは,前述のラウンド開始時の装備購入の煩雑さだ。CS1.6譲りの部分でもあり,一応ロビーで購入する装備セットをプリセットできるのだが,最大プリセット数が五つまでで,状況に柔軟に対応するにはいささか心もとない。また慣れているプレイヤーならいいものの,装備の購入に割ける時間は事実上数秒しかなく,特に新規プレイヤーにとってはかなり分かりにくい。このあたりはもう少しフォローがあっても良かったかもしれない。
またゲームの直接の問題点ではないものの,プレオープンが始まって間もないためか,オリジナルモードをプレイしている部屋が極端に少ないのも不安を覚える部分だ。筆者が見たところ,現状ではチームデスマッチモードが主流となっているようで,やはりリスポーンができないオリジナルモードはストイックすぎるのか,あまり人気がない様子だ。「爆弾解除」などは,他のFPSでも人気のゲームモードなので,いずれ分散していくのかもしれないが,オリジナルモード対応のマップの追加などの対応が望まれるところだろう。
なお,本作の開発元の韓国ではすでに実装され,人気を博しているという「ゾンビモード」も,近日中には実装(「こちら」のインタビューを参照)される見込みだが,どうやらこちらはストイックさとは正反対の派手派手なモードになるとのこと。ゾンビモード実装後には,4Gamerでもレビューを掲載する予定なので,こちらも楽しみしていてほしい。
- 関連タイトル:
カウンターストライクオンライン
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