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    赤い服の少女「アルマ」がかなり激しい

    F.E.A.R.2 PROJECT ORIGIN

    Text by 松本隆一

    »   発売延期を繰り返したあと,ようやくリリースされた「F.E.A.R. 2: Project Origin」。その日本語版となる「F.E.A.R.2 PROJECT ORIGIN」がサイバーフロントから2009年8月27日にリリースされた。ヒット作の続編としてファンから期待されていただけに,デベロッパであるMonolith Productionsのプレッシャーもかなりのものがあっただろうと思われる。約3年の歳月を経て帰ってきた新たな恐怖を,気の弱さでは定評のある編集部の松本がレビューしてみよう。


    ※このレビューは,PC版をもとにして書かれています

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     驚異的な超自然の力だけでなく,大胆なヌードシーンまで公開して我々のドギモを抜いた赤い服の少女,「アルマ」がようやく帰ってきた。解放された彼女は前作に増してパワーアップし,そのハタ迷惑な超常能力によってプレイヤーを恐怖のどん底に突き落とす,それがシリーズ最新作「F.E.A.R. 2: Project Origin」(邦題,F.E.A.R. 2: PROJECT ORIGIN,以下F.E.A.R. 2)なのだが,まとめすぎという気もする。

     2005年10月に欧米でリリースされた「F.E.A.R.」は,アクションだけでなくホラー色を強く押し出したFPSだった。デベロッパのMonolith Productionsが独自に制作したゲームエンジン,「Lithtech: Jupiter Extended」の描く高度なグラフィックスと物理効果,そして謎めいたストーリーと恐怖感を際だたせる巧みな演出などから,その年のヒット作の一つとなった。ホラーといえばスプラッターという欧米の常識に,日本的な心霊ホラーの要素を加えたところがポイントの一つでもある。
     恐怖映像がいきなり出現する「ナイトメア・イリュージョン」に合わせて階下の犬が急に吠えだしたのにビックリして椅子から飛び上がったのがつい昨日のことのように思い出せるが,もう3年以上も前の話。月日の経つのは早いものだなあ。

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    グリフィン大尉に率いられたストークス中尉ら特殊部隊が,ATCのCEO,アリステイド女史の身柄確保に向かうところからゲームは始まる
    ……たちまち激しい銃撃戦に巻き込まれる主人公達。
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     というわけで,F.E.A.R. 2はMonolithが制作するF.E.A.R.シリーズの最新作だ。ここで「Monolithが制作する」と断ったのにはわけがある。ヒットを飛ばしたF.E.A.R.には,「F.E.A.R. Extraction Point」(2006年)と「F.E.A.R.: Perseus Mandate」(2007年)という2本の拡張パック(Perseus Mandateはスタンドアローンでのプレイが可能)が存在するが,いずれもSierra Entertainment傘下のTimeGate Studiosが制作したもので,Monolithの作品ではないからだ。

     Monolithは,F.E.A.R.の発売後,パブリッシャをそれまでのVivendiからWarner Bros. Interactive Entertainmentに変更し,F.E.A.R.という名前を使用する権利を失ったため,一般公募した「Project Origin」という名称で続編の制作を開始していた。
     ちなみに,Project Originがメディアに向けて公開されたのは,2007年に開催されたE3 Media and Business Summitでのことで,「撮影/録音禁止。資料提供なし」という厳しい公開だった。こっそり撮影してやろうかと思ったが,そこにいたプロデューサーのTroy Skinner氏がプロレスラーのようにいかつい人物だったのであきらめたという経緯があるが,そのあたりについては,2007年7月13日に掲載した記事を参考にしてほしい。2007年7月の段階では,タイトル名さえ仮のものだったのだ。

    スクリーンサイズは16:9に固定。5:4のモニターでは上下に黒いラインが出る仕様。ユーザーインタフェースは,スクリーンショットのような感じで,残弾数,ヘルスなどが常に表示されている
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     そのE3では「2008年の早い時期にリリースされる」とアナウンスされたが,開発は遅れ,発売時期は何度も延期された。そしてようやく――メディア初公開からは指折り数えて約1年半後,前作F.E.A.R.からは実に3年以上の歳月を経てF.E.A.R.2は発売されたのだ。途中,MonolithがVivendiから名称の使用権を買い戻し,タイトルにF.E.A.R.の文字が復活したりもしている。
     ……というような話はこれまで何度か書いたような気がしてならないが,とりあえずちょっとまとめておいた。ここまで読んでみたところ「知っていた」という人は,次の行から読み始めても大丈夫というエコな設計だ。

     こうして,二つの系列のシリーズを持つことになったF.E.A.R.だが,F.E.A.R.2では,従来の続編で描かれていたストーリーは一応,「なかった」ことになっている。つまり,Extraction Pointにおける不可解なエンディングも,Perseus Mandateのストーリーも,おおむねチャラになったわけで,なんだか個人的にはややモヤモヤが残るものの,制作の経緯を考えれば仕方のない話かもしれない。
     そんなF.E.A.R. 2: Project OriginのPC版が,欧米から遅れること約半年の8月27日,サイバーフロントからリリースされたというわけだ。もちろん,テキスト類がすべてローカライズされた日本語版で,入り組んだ物語を持ち,FPSにしてはテキスト量が多めな本作のストーリーも,これでぐっと分かりやすくなった。

    新たに登場したパワードアーマーと,異形のクリーチャー。彼らもまた「オリジン計画」と関係があるのだろうか?
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    3年の歳月を軽やかにスキップするオープニング


     ともあれ,F.E.A.R.2は前作のエンディングのおよそ30分前からスタートする。主人公のマイケル・ベケット(Michael Becket)はSFOD-D,つまりアメリカ軍特殊部隊デルタのオペレーター(デルタの隊員は,自分達を“オペレーター”と呼ぶらしい)で,グリフィン大尉に率いられたチームメンバーとともに軍産複合企業,アーマカム(Armacham Technology Corporation=ATC)のCEO,ジュネヴィエーヴ・アリステイド(Genevieve Aristide)の身柄確保に向かっているところだ。

    物語が核心に近づくにつれ,「ナイトメア・イリュージョン」の怪異度も高まっていく
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    耳ざわりな効果音とともに,ランダムにアルマが姿をちらりと見せたりもするが,問題は,よそ見しがちな筆者がおおむね見逃していること
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     ここらへんで言っておいたほうがよさそうなので言っておくが,F.E.A.R.2のストーリーは前作と深くつながっており,F.E.A.R.を終了させていなければ,ここで何が起きているのかおそらくよく分からないだろう。ちなみに,以前,Livedoor Gamesから出ていた日本語版は長らく絶版だったが,現在はイーフロンティアから廉価版が出ている。未プレイの人はこの機会に遊んでみてもいいんじゃないかしら。
     というわけで,なるべく気をつけたいと思っているが,ストーリーを説明するとどうしても前作のネタバレ部分にうっかり踏み込んでしまうかも知れないので,そのへんはどうかご指導,ご鞭撻を……じゃなくて,ご理解を。

     というわけで,ベケット一行がアリステイドの住む高級マンションに駆けつけると,そこはすでに戦場。プレイヤーに向かってATCの特殊部隊が次々と襲いかかり,否応なく戦闘に巻き込まれてしまうという素早い展開だ。
     ATCの理事会は,パクストン・フェッテル事件によってアリステイドが担当していた「オリジン計画」が明るみに出ることを恐れ,彼女もろとも証拠を隠滅しようと部隊を送り込んだのだ。さらにアルマの引き起こす超常現象がこの戦いにからみ,アリステイドの住むペントハウスは阿鼻叫喚の地獄絵になる。
     ……と,長い歳月があっという間に消え去るスピーディなオープニングを経て,プレイヤーは黙示録的災厄にみまわれたオーバーン地区に再び足を踏み入れることになる。これが私なら,とっくに部隊を辞職して家に帰って寝ているはずだが,ベケットは足を踏み入れるのである。ゲームの主人公はなかなか大変だ。

    「F.E.A.R. 2」スロー・モーによる戦闘シーン

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     E3後の取材では,「前作で不満とされた部分を見直す」ことを開発目標の一つとして挙げていたMonolithだった。F.E.A.R.の不満点といえば,ほとんどのロケーションが室内で,しかもちょっと考えられないほど複雑に入り組んだ場所をウロウロする必要があったことが挙げられる。ATCの社員はよくこんな迷路みたいなオフィスで仕事ができるなと感心したものだ。ウソだが。
     そこで今回はマップのバリエーションを増やし,広いスペースを用意することで戦闘および移動の自由度を高めるという方針が採られるはずだった。
     また,F.E.A.R.で評判の高かった(というか,Monolithが2004年に発表した「No One Lives Forever 2: A Spy in H.A.R.M.'s Way」のときからから定評があった)AIをさらに強化し,相手となる兵士やモンスター,そして登場する武器/兵器を増やすことで,FPSの根幹である「戦闘」をたっぷり楽しめる作品になるはずだった。E3のスニークプレビューのとき,いかついTroy氏が,「F.E.A.R.2はFPSではなく,FPC,つまりファースト・パーソン・コンバットである」と語っていたのをウロ覚えている。

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     とはいえ,実際にプレイしてみると,マップの基本はF.E.A.R.同様にリニアな一本道という印象。ところどころ,広めのアウトドアシーンが登場して気分転換になるし,そこではそれなりにさまざまな戦術も取れるものの,「Crysis」(の前半)ほどのオープンエンドさはなく,また「Call of Duty 2」以降のCoDシリーズと比べてもリニアなマップという雰囲気がする。今回もやはり,インドアの狭い場所で撃ち合うシーンがメインだ。
     登場してくる敵のバリエーションは豊富になり,でかいのや硬いのや素早いのなど,さまざまなタイプの敵を相手にすることになる。また,以前は三種類しか持ち歩けなかったメインウェポンが四種類に増やされ,武器の種類そのものも増えた。
     前作では,不足しがちな銃弾やグレネード,そしてヘルスパックなどを探すためにあちらこちらを探索する必要があったが,今回,そうしたアイテム類は光って表示されており,それは壁やオブジェクトを透過しても見えるので,探索に必要以上の時間をとられることはないはずだ。
     とはいえ,それも良し悪しで,要するに何の表示も見えない部屋は通り過ぎてしまえばいいのであり,せっかく作り込まれたマップを探索する楽しみがやや減ってしまったようにも感じる。まあ,それでいながら,いろいろ見落としている私なので安心だ。

     事前情報が錯綜していた「ヘルスの回復」に関しては,結局,従来と同じヘルスパック方式が採用された。ヘルスパックは一回使うと全面的に体力が回復するが,そのほか,注射器のようなものが落ちており,これは部分的に回復可能。また,体力が残りわずかになると,ある程度まで自動回復するというシステムになっている。
     所持できるヘルスパックの数は,前作の10個からぐっと減って3個になったが,よほど無謀な戦いを繰り返さない限り,足りなくて困るということはない。なぜか? それは「スロー・モー」がパワーアップしたからだ。

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     スロー・モー(Slo-Mo)――つまりバレットタイムはF.E.A.R.2でも健在である。なんだかあちらでは,スロー・モーでなく「Reflex」と呼ぶみたいだが,知らない人に説明すると,スロー・モーとは戦闘中の時間経過を遅くして相手をやっつけるという,時空を超越したスペシャル技だ。こうした超常能力がなぜ主人公に備わっているのかについて,前作にはそれらしい理由があったのだが,実は今回もある。キーワードは「ハービンジャー計画」で,これ以上書くと怒られそうなので書かないが,それにしても,「なんとか計画」「かんとか計画」を次々に立ち上げてはずっこけまくっているATCという会社の管理体制はどうなっているのだろうか。株主怒るぞ。

     前作に比べてスロー・モーの発動時間は長く,リチャージまでの時間が短くなったため,戦いに関する全般的な印象は,(Normalモードでスロー・モーを多用した場合)かなりやさしくなり,よりカジュアルな方向に調整されている。
     物語の進行上,マイケルはほとんど一人で戦い,味方と一緒に戦うといったタクティカルな要素はない。また,スニーク的な部分もなく,敵は100%こちらを発見して攻撃してくる。このへんは,F.E.A.R.と一緒である。

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    カジュアルな方向に転換したF.E.A.R.2


     よりパワーアップしたというAIだが,実は個人的にはよく分からない。というのも,たいていの戦闘ではスロー・モーを使うことになり,そのスロー・モーが非常に強力であるため,敵AIがその能力を発揮する余裕がない,いわゆる「Far Cry」現象(命名,筆者)が発生するのだ。2004年にリリースされたCrytekのFPS,Far CryではAIが優秀であり,正面きって撃ち合うと,私の場合,自慢じゃないがたいてい撃ち負ける。そのため中/遠距離から攻撃するシーンが増え,敵のAIが本当に頭がいいのかどうか分からなくなるという,痛し痒しな現象が発生するのだ。
     F.E.A.R.では,プレイに慣れてくると自主的に「スロー・モーしばり」をかけて,戦闘を楽しめたが,F.E.A.R.2ではそのようにして戦うと,とたんにきつくなるバランスに調整されており,スロー・モーを使えば楽だが,使わないと難度が高くなるように感じた。

    膨大な出血量は相変わらずで,かなりキツめのゴア表現もある。ただし,血と死体は時間が経つと消える仕様
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     防御はMonolithの伝統ともいえる「ヘルス」と「防弾ジャケット」の二本立てで,防弾ジャケットの能力がゼロになるとヘルスが減っていく仕組みだが,例によって難度Normalでも,数発食らうと防御力がごっそり削られる。
     のぞき込んで銃を撃つ「リーン」がなくなったため,結局敵に相対して撃ち合うしかなく,しかも被弾時のダメージ量が大きいため,勢いスロー・モーに頼ってしまうわけだ。リーンの代わりに,机などのオブジェクトを蹴り倒してその背後に隠れられるようになったが,使い勝手はいまいち。
     つまり,前作のようなさまざまな戦術が取れなくなったぶん,スロー・モー使用が前提になったのだが,そのスロー・モーが強力すぎるということだ。
     まあ,このあたりについては,しばしば書くように個人差の大きい部分であり,誰かに「スロー・モーなしでも楽勝」と言われたら,私としては聞こえなかったふりをするしかない。

     スロー・モー使用時には弾丸も強力になるようで,こちらの銃弾を全身に食らって物理エンジン効果でゆっくり吹き飛ぶ敵の姿には,凄惨な美しささえ漂っている。リアリティには欠けるものの,出血量はさらに派手になり,おまけにかなりのゴア/グロ表現まで許容しているので,思う存分「鮮血の饗宴」を満喫できるだろう。

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    つかみかかられたら,マウスをタイミングよくクリックすることで逃れられる。相手がたとえアルマでもオッケーだ

     細かい戦術ではなく,さまざまな武器を使い分けてスタイリッシュに敵を葬っていくことを,より前面に押しだしたプレイスタイルになっているわけで,このへんのことは大型兵器の登場シーンに顕著だ。
     ゲームの途中,二足歩行の戦闘兵器「パワードアーマー」(Powered Armor)に乗り込んで戦う場面が出てくるのだが,こいつがかなり強力というか,(難度Normalの場合)ほぼ無敵で,途切れなく出てくる敵兵を二門の機関砲とミサイルで文字どおり粉砕していく。
     限定的ながら,建物や壁,柱といったオブジェクトも破壊可能で,シューティングの爽快感はかなり高い。しかも,敵が持ち出してきたパワードアーマーさえ,ほとんど無傷で撃ち倒せてしまうのだ。強力すぎるため,最初こそ面白いものの,そのうち興ざめするプレイヤーもいるかもしれないが私は好きだ。もちろん,難度を上げればかなり手強くなってくれる。
     あるいは,パワードアーマーを使わないという選択をしてもいい。当然ながら難しさは跳ね上がるが,防弾ジャケットやロケット兵器などがマップのあちこちに転がっており,パワードアーマーを使わない進行にも対応したデザインになっている。
     繰り返し何度もプレイしてゲームに慣れれば,前作のようなスロー・モーしばりも可能になるのではないかという気がするので,そういう点でリプレイバリューはあるだろう。

    「F.E.A.R. 2」パワードアーマーによる戦闘シーン

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    相変わらずのホラー演出 まさに「正統」な後継作


     F.E.A.R.2が怖いか怖くないかと聞かれたら,私の場合,怖い。前ぶれもなく出現するアルマや不気味な幻影に,しばしば椅子から転げ落ちそうになるが,それ以外にも,なんの変哲もない病室や小学校の教室が,見慣れたたたずまいであればあるほど不気味だったりする。もっとも,世間的には「それほどでもない」という評判らしいので,ここも個人差の大きい部分。
     恐怖を感じるのはこちらが丸腰とか動きが鈍いとかで不利な場合であり,たいていの“サバイバルホラー”は,そういう設定になっている。それに対し,何が出てこようと強力な武器を持っっていればそれをぶっ放せばいいのであり,これはつまりマルチプレイFPSで出会い頭の敵と交戦するようなものだというわけだ。
     いずれにしろ,得体の知れない恐怖は得体が知れた時点で怖くはなくなるわけで,繰り返し遊ぶために「恐怖」という動機づけだけでは弱いかもしれないのは事実。もっとも,私自身は忘れっぽい性質で,同じところで同じようにビックリしている自分が一番怖かったりする。

    謎めいた登場人物が多く登場する。それぞれがそれぞれの思惑を秘めて,アルマに迫っていくのである。よせばいいのに
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     とはいえ,血塗られたウェイド一家を中心にしたストーリーは十分に魅力的だ。
     NPCとの会話や,落ちているデータレコーダなどから,物語を進めるにつれ,次第にさまざまな謎が明らかになっていくが,このあたりにはかなり引きつけられる。不意に出現するイリュージョン「ブランコに乗った幼いアルマ」の実はもの悲しい理由など,ところどころで思いがけない展開になり,次はどうなる? という興味にひかれてプレイを続けてしまうのだ。

     マルチプレイには,「デスマッチ」「チームデスマッチ」というオーソドックスなモードに加え,三か所のコントロールポイントをめぐって戦う「コントロール」,コントロールにパワードアーマーが登場する「アーマードフロント」,爆弾の設置/解除を目的とする「フェイルセーフ」,そしてキャプチャー・ザ・フラッグである「ブリッツ」の6種類が用意されている。F.E.A.R.に比べてゲームモードは増えているが,スロー・モーが使用できなくなり,どちらかといえばスポーツ系のスピーディな撃ち合いを楽しむ雰囲気だ。
     ただ,今のところあまり盛況とはいえない。FPSのマルチプレイは競争が激しいだけに,これからコミュニティが盛り上がるかどうかだろう。

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     グラフィックスは前作より軽くなったようだが,相変わらず全体的な見栄えは大変良好だと思う。とはいえ,前作にあった「重いけどすごいでしょ」的な技術指向の部分は後退したようだ。マルチプラットフォーム展開によるシングルプレイの短さや戦闘のカジュアル化については,最近の欧米産ゲーム共通の現象でもある。

     アルマを滅ぼすため,マイケルはオーバーン地区の深奥部に向かって歩みを進める。彼女の力の増大と共に,怪異の度はますます深まり,不気味な現象が頻発する。大爆発のあとの街はまさに戦場で,瓦礫の間には,どういうわけか石化した死体が転がり,魂だけになってさまよう幽霊達が徘徊する。鳴り響く銃声は止むことを知らない……。
     F.E.A.R. 2は,良くも悪くもF.E.A.R.の正統な後継作だ。3年の歳月を経たプレイ感覚はF.E.A.R.そのものであり,前作のファンならすんなりとその世界に入っていけるだろう。気になる部分もいくらかあるが,バイオレントでホラームード濃厚なFPSが堪能できる。演出の巧みさ,ストーリーの面白さに加え,民族音楽風のサウンドもセンスがよくていい感じだ。

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