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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第279回「プロ意識って何だろう?」
だから私が思うに,実際にその活動だけで生活しているかどうかはさて置き,プロとは“経済活動としてその仕事をしている”ことが,一つの条件ではないかしら。そうなると,アルバイトはどうなんだ? という疑問が出てくるわ。アルバイトにだって金銭が発生して,経済活動として仕事をしていることに変わりはない。
じゃあ,プロとバイトの違いは何なのか。完全に精神論だとは思うんだけど,私は意識の持ち方だと思っている。「プロ意識」って言葉があるでしょ? それを持っているかどうか。そして,第三者からもそれが認められるかどうか。
そもそもプロ意識自体,「意識」というだけに非常にフワフワしたものだから,結局定義もフワフワすることになるんだけど,これって結局「お金をもらっている以上の責任を果たしているという意識」じゃないかと,私は思うのね。
アルバイトは基本的に自分の持つ時間をお金に換える作業のことで,仕事に対する責任は時給に見合う程度に持っていればいいのかなと,私は思っているわ。でも,プロは違う。仕事に対して,取り引きされる金銭以上の責任を持てるかどうか。そこが問われるんじゃないかしら。
プロ意識というのは,結局は自分の仕事にどれくらいの責任と意味と価値を自分で設定するか。そういう意識のことだと思うの。もちろん,フワフワしたものである以上,十人十色の定義があっていい。けど,少なくとも私は,このように考えているわ。
そしてそれはスポーツだけではない。いろいろなプロフェッショナルがいて世の中は回っている。その中でプロ意識の高い低いがあるってことね。
ところで,ゴルフって不思議なスポーツだと思わない? プロもアマも混在して試合が行われるって意味で。よく聞くでしょ。アマチュアがプロの大会で優勝したって。もちろんサッカーでも,天皇杯みたいにプロとアマが同時に参加して行われる大会もあるにはあるわ。でも,サッカーの天皇杯で,アマチュアチームが優勝したことは,今までにない。でも,ゴルフだと往々にしてそういうケースがある。
要は,ゴルフってアマチュアがプロを抑えて優勝しちゃうケースが,ほかの競技に比べると比較的多くあるスポーツなのね。基本的には,プロスポーツって,多く稼げる種目が発展しやすいのよ。これは,数の論理からも明らかなのね。
多くの人が興味を持つスポーツって,注目されるでしょ。大勢から注目されるということは,そこに広告資本が投下されやすいわけ。それによって,選手に配分される金額も増える。結果,稼げる。稼げることが明らかになれば,職業として目指す人が増える。そうすると競技人口が増えて競争が激しくなり,競技のレベルが上がる。
で,世界規模で見たときには,どこの国はどのスポーツが強いみたいな話が出てくるわけで,そうなるとその国が得意とするスポーツのほうが人気は出やすい。これはつまり,競技のレベルが上がると人気が出やすいということでもあるでしょう。するとまた,注目度が上がる……という,サイクルがあると思うの。
あ,念のために言っておくけれど,これはプロスポーツの場合ね。アマチュアスポーツの場合は,またちょっと違うケースも多々あるから。
とはいえ,「Jリーグが始まって,日本サッカーは飛躍的な進歩を遂げた」って話,聞いたことがあるでしょ? サッカーに興味がない人は,これまでピンと来なかったかもしれないけど,まあ,こういうことだと思うのね。稼げるから,その競技が発展する。
ついでに言うと,「ワールドカップに出ることができなければ,日本サッカー界は停滞する」的な解説もよく聞くと思うのね。これも,サッカー知らない人が聞いたら「そんな出る出ないで変わらんだろ」って思うかもしれないけど,実際停滞すると思うわ。
なぜなら,ワールドカップ(ほかの競技だとオリンピック)という世界最大の経済祭典に参加できないということは,注目度が落ちて収入も減ることを意味するから。やっぱり自分の国の人が世界で戦ってるのを目の当たりにすると,憧れる人も増えるのね。それが無くなるうえに,選手として稼げなくもなる。すると,目指す人が少なくなる。
確率論よね。100人の中から選んで作ったチームと1000人の中から選んで作ったチーム,どちらが強いのかという。もちろん,サッカー自体も面白い競技ではあるんだけど,ワールドカップのときだけ盛り上がる人が増えるっていうのも,仕方がない一面があるのよ。さっきも言ったけど,世界を相手に戦うのって,観ているだけでも高揚するもんだからね。そんな4年に一度のワールドカップは,6月から始まります。普段,サッカーを見る人もそうでもない人も,せっかくなんで一緒に盛り上がったらいいんじゃないかしら。
で,その面白さを伝えるためにゴルフって不思議なスポーツだってことが言いたかったの! ゴルフの何が不思議なのかって,さっきも言った通り,アマチュアがプロに勝つこともけっこうあるってところ!
これは,プロとして収入が多いスポーツ,プロとアマの収入の差が多いスポーツの中では珍しいことなの。収入が多いと,お金の心配をせずその競技に打ち込めるわけだからね。もちろん,どのプロスポーツもそうだろうけど,収入は選手なり所属チームなりでピンキリではあるわよ。ただ,一番稼いでいる人の収入だけを見たら,ゴルフは全スポーツの中でもトップクラスであることは疑いがないわ。だからこそ,目指す人が多いわけで。
ゴルフの面白さって,シンプルであることだと思うのね。球を穴に入れる。エロいほどシンプル。白いモノが遠くに飛べば気持ちがいいし,いろんな棒を駆使して穴に入れば気持ちいい。うまくいかないとストレスはたまるけども,でも快感が多い。だから,娯楽としても親しまれてるんじゃないかしら。
私が思うに,マリオってゲイムの象徴だと思うの。どんなにリアリティを求められるゲイムでも,マリオというキャラクターを経由すれば,一瞬でゲイムになる。仮に「マリオ将棋」があったとして,アイテムのボムを使うと駒の配置が一部変わるとか,ゲッソーを使ったら盤が見えなくなるとか,そういう演出があっても許されちゃうと思うのね。マリオだったら。
マリオゴルフ ワールドツアーには,もちろんゴルフとしての面白さもあるんだけど,それ以上にゲイムとして面白さが最優先されてるように感じるのよね。とにかく,リアルとゲイムのバランスが絶妙で。それって,任天堂のゲイムの特徴でもあるんだけど,やはりマリオ御大が出陣したタイトルだけに,そこらへんは抜かりない。
ゴルフにさほど興味が無くても面白いはずよ。もちろん,ゴルフが好きだったらその期待にもばっちり応えてくれるしね。少なくとも,ゴルフのテクニカルなことはまったく分からない程度の私でも,ストレスなく楽しめてる。そして,運が良かったらオンラインでもけっこういい成績が出る。
現実のゴルフでも,アマがプロに勝つことがある理由って,これなんじゃないかとも思うの。もちろん実力や,うまく行っているときに油断しない心も必要よ。だけど,運が良ければ多少の実力差を跳ね返すこともある。こういうゴルフならではの面白い特徴を,ちゃんとゲイムでも再現できてるわけね。
結果,いろんな人とオンラインという世界で,誰とでも互角以上に戦うことができる……こともある。そして,今作のネーミングはマリオゴルフ ワールドツアー。世界中のプレイヤーを相手に戦えたら,そりゃ面白いわよね。今回のマリオゴルフ,オススメですよ。
そんなこんなで今週は“プロ”についてを下敷きに,マリオゴルフ ワールドツアーについて語らせていただきました。繰り返すけど,プロかプロじゃないかの差って,意識だと思うのよ。自分がヤるべき仕事に対しての意識。まあ,意識といっても,いろいろ主義主張もあるんだけど。何を大切にするか。自分が行う仕事のクオリティなのか,スピードなのか,それともプロジェクトを円滑に進めるための工夫なのか。どこに意識を強く持つかは人それぞれ。
ただね,プロ意識っていうのは自分のためのものではなく,顧客だったりほかの仕事仲間の仕事のしやすさだったり,その効果と目的を十分に配慮したもののために持つべきだと,私は考えているわ。
自分がこういう仕事をしたら,このように効果が上がる。そういうビジョンを持つ意識,それをプロ意識と呼ぶんじゃないかと私は思っているわけです。
まとめると,この原稿を超ギリギリのタイミングで送ってしまってごめんなさいってことです。どの口がプロ意識を語ってるんだって話です。でも,自分がどうとかは二の次三の次。読者は〆切のことは分かりませんから! とにかく読者にお届けできれば良いのです。だから私はどんなに〆切をすっ飛ばしても,プロ意識について臆面もなく語ります。それもまた,私のプロ意識なのです。
……そんな感じでいかがでしょうか? ではまた来週,〆切直前の原稿を通じてお会いしましょう!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く 維新!」
PlayStation 3:「魔都紅色幽撃隊」
PlayStation Vita:「Winning Post 8」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「The Wonderful 101」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「マリオゴルフ ワールドツアー」
Xbox 360:「Minecraft:Xbox 360 Edition」
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