連載
「銀河英雄伝説」攻略連載 / 第3回:アムリッツァ星域会戦
連載3回めとなる今回は,同盟が瓦解する一つの契機となってしまった戦い,「アムリッツァ星域会戦」を取り上げる。この戦いは,ヤンがイゼルローン要塞を攻略した後,同盟軍が計画した帝国領への侵攻作戦のなかで行われた会戦。両軍合わせて10万隻を超える兵力が投入されるなど,アムリッツァ星域会戦は,銀英伝の全編を通して最も規模の大きな戦いの一つである。同盟軍はこの戦いで惨敗を喫し,全兵力の4割にものぼる損失を出すことになるなど,のちの勢力関係に多大な影響を与えた会戦でもある。
同盟の帝国領への侵攻作戦に端を発した一連の戦いは,詳しく言うと,「アムリッツァ前哨戦」とこのアムリッツァ星域会戦の二つの戦いに分けられる。前哨戦は,帝国領に深く入り込み,孤立した同盟の各艦隊が帝国艦隊に急襲されるというもので,同盟軍は,出撃していた全8個艦隊のうち,第3,第7,第9,第10,第12各艦隊で大きな損害を出し,撤退を余儀なくされてしまう。今回取り上げるアムリッツァ星域会戦は,その前哨戦の後に行われた戦いだ。比較的少ない被害で撤退を果たした同盟の第5,第8,第13艦隊と,集結したラインハルト艦隊が激突した,最終決戦ともいえる会戦である。
さて,帝国側では10番目,同盟側では6番目に当たるこのアムリッツァ星域会戦だが,上の説明でも分かるように,帝国側が圧倒的に優位な態勢で戦いが始まる。同盟側のステージでは,同盟が4個艦隊なのに対して,帝国側は6個艦隊が布陣。しかも同盟側は,前哨戦でのダメージを引きずった形となっており,各艦隊の戦力も万全でないなど,アムリッツァ星域会戦は,同盟にとっての最初の難関といえるステージだ。さらに同盟側でプレイヤーが扱えるのは,ヤンの一個艦隊のみで,味方との連携もままならぬ状態での戦いを強いられる。
一方,帝国側では,万全状態の4個艦隊を自由に扱えるほか,選択できる提督の数も豊富。ほとんど負けようのない状況で戦いが始まるなど,史実通りの圧勝を狙えるステージとなっている。
宇宙暦796年/帝国暦487年:10月
ヤンによるイゼルローン要塞攻略を契機に,同盟軍は,帝国領への大規模な侵攻作戦を計画した。動員された同盟軍側の将兵は,実に3000万人。空前の規模となったこの侵攻作戦を,帝国側は,元帥に昇進したばかりのラインハルトが迎え撃った。ラインハルトは,オーベルシュタインの提案を受け入れ,焦土作戦を実施する。
帝国側の企図もあり,当初は大きな抵抗にも遭わず,またたくまに約200もの恒星系を手中に収めた同盟軍だったが,待ち受けていたのは,帝国軍によって物資食糧を接収され,同盟軍に食糧援助を求める帝国領民であった。帝国領侵攻の大義名分として「専制政治からの解放」を謳っている同盟軍は,領民からの要請を受け入れるほかなかった。領民に物資を提供した結果,前線で物資が欠乏し,後方に補給を求めた同盟の各提督達であったが,その頼みの綱の補給部隊も,キルヒアイス艦隊に撃滅されてしまう。―――窮地に陥る同盟軍に,ついに帝国軍の総反撃が始まった。
帝国側のキャンペーンでは,アムリッツァ前哨戦を境に,扱える提督と艦隊の数が一気に増加するのが大きな特徴。一個艦隊だけを指揮していた頃に比べると,格段に操作は忙しくなるが,兵力の集中や包囲戦は逆にやりやすくなるので,しっかりと落ち着いて操作するようにしたい。
複数の艦隊を扱ううえでのコツの一つとしては,まずキーボードのショートカット操作を覚えること。例えば,F1〜F4は,第1〜第4艦隊へのジャンプ操作となっており,操作したい艦隊を素早く切り替えたい時は非常に便利。またミサイル発射のショートカットとなる「M」や,特技の「S」,また操作の最終確認の際の「YES/NO」も,それぞれ「Y」と「N」があてがわれており,このあたりは,最低限覚えておきたいショートカット操作だといえるだろう。
話をステージの攻略に戻すが,帝国にとってこのアムリッツァ星域会戦は,原作どおり,かなり有利な状態で戦えるマップの一つ。兵力では圧倒しているので,あとは順当に兵力を敵にぶつけていけば,そのまま平押しで勝ててしまう。
あえて注意点を挙げるとすれば,ゲーム開始時では,上下に2艦隊ずつ分かれて配置されているが,これを合流させて,常に4艦隊で移動するようにすること。戦力を分散させる愚を犯すのは,アスターテの同盟軍だけで十分だ。
4艦隊がまとまって移動さえすれば,上下どちらから攻めても構わないが,基本的なセオリーとしては,やはり距離が近い惑星フノス側(上側)から攻めるのがよいだろう。下から攻めてもいいのだが,ヤン艦隊とビッテンフェルト艦隊が鉢合わせすると,イベントが発生して,ビッテンフェルト艦隊が大ダメージを受けてしまう。余計な損害を出したくない場合は,ビッテンフェルトをヤンに近づけないようにしよう。
ともあれ,4艦隊を集結させつつ,それを上回り,あるいは下回りで移動させ,順次敵を大兵力で圧殺していけば,ステージは終了。操作さえしっかりできていれば,自ずとSランクが取れているはずだ。
オスカー・フォン・ロイエンタール
ラインハルトの麾下で,ウォルフガング・ミッターマイヤーと共に帝国軍の「双璧」と謳われた人物。帝国軍きっての名将であり,その軍事的才能は「知勇の均衡は,ラインハルトを凌ぐ」と言われるほど。後に誕生したローエングラム朝銀河帝国では統帥本部総長を務め,同盟を瓦解させたあとは,旧同盟領である新領土(ノイエ・ラント)の総督に就任するなど,帝国軍の主要人物として活躍した。
端正な顔立ちと,左目が青で右目が黒という,左右の瞳の色が違う「ヘテロクロミア」の持ち主で,漁色家としても知られる。名前から分かるように貴族の出自だが,平民生まれのミッターマイヤーとは無二の親友であり,軍人としても,お互いに尊敬し合う仲であった。
ゲーム中では,ラインハルトやヤンに次ぐ能力の持ち主であり,特技も扱いやすい「斉射三連」を持つなど,帝国側の最も優秀な提督の一人として重宝する。とくにマルチプレイでは,定番ともいえるキャラクターである。
攻略プレイムービー:帝国軍編
※本連載は,基本的に“ファーストプレイ”でSランクを取ることを想定した攻略ですが,攻略用,ムービー撮影用など複数回に分けてプレイしているため,撮影時の提督達のレベルは,通常よりも高めとなっています。ご了承ください。
10万余隻という圧倒的な大兵力で迫り来る帝国軍に対して,傷ついた戦力で立ち向かう同盟軍……というのが原作のお話なわけだが,ゲームでも,不利な戦力で戦うハメになるのは同じだ。ビュコックとアッテンボロー艦隊がマップ上部の惑星フノス周辺,ヤンとアップルトン艦隊がマップ下部の惑星ゲルセミ周辺に配置された状態から,ステージは開始される。
プレイヤーが操れるのは,ヤンが率いる第13艦隊のみとなっており,残りの3艦隊はNPCが担当する。ただでさえ不利な戦力で,しかも味方との連携も難しいとあっては,戦い難いことこの上ないのだが,ここはまぁ愚痴を言っても始まらないだろう。
ちなみにこのステージでは,戦闘開始前の艦隊編制の段階で,参謀や司令官の入れ替えを行っておきたい。ムライやパトリチェフは,能力パラメータ的にはそう悪くないのだが,特技がいまいちこの戦いには適さないのだ。生きていればラップを参謀に,グエンを左翼/右翼のどちらかの司令官に任命するのが望ましいだろう。とくにグエンの特技「猛虎襲撃」は,90秒間攻撃力を高めてくれるなかなか使い勝手の良い能力で,敵の艦隊を早期に各個撃破していく際に,非常に重宝する。
ともあれ,ステージ開始直後にまず念頭に置きたいのが,右下から進軍してくるミッターマイヤー艦隊だ。できればアップルトン艦隊と挟撃して,早々にこれを各個撃破してしまいたい。場合によっては,わざと惑星ゲルセミを占領に行かせて,その隙に孤立したビッテンフェルト艦隊を攻撃するという手もあるが,とにかく無駄な被害を出さずに,速やかにミッターマイヤー/ビッテンフェルトの両艦隊の撃滅を目指す。
同時期,マップ上部にいるビュコック,アッテンボローの両艦隊も交戦状態に入ると思うが,とくにどうすることもできないので,味方の奮戦を期待しつつ,自分は目の前の敵の撃破に専念しよう。
このステージでは,ある程度の時間が経過すると,イベントが発生して,キルヒアイス艦隊がマップ左側に出現する。またその頃になると,後方で待機していた敵のラインハルト艦隊も動き出してしまうので,それまでにいかに帝国の諸提督達を連破していけるかが肝要だ。ラインハルト,キルヒアイス以外の艦隊を順次撃破していき,彼らが本格的に戦闘に参加する前に戦果ポイントをたくさん稼いでおこう。
アレクサンドル・ビュコック
戦歴50年以上という,同盟軍が誇る宿将。二等兵からの叩き上げで元帥にまでなった人物で,ヤンが最も信頼する上官の一人。その老練な手腕は,同盟はもちろん,帝国軍の提督達からも一目を置かれるほどであった。ゲーム中でも,ヤンに匹敵する能力を備えた数少ない提督の一人として扱われており,名実共に同盟軍を支える存在であることがうかがえる。
また毒舌家としても知られ,政府や政治家トリューニヒト派閥の軍人に苦言を吐くことも多々あった。しかし,「救国軍事会議」が起こしたクーデターには参加していないなど,同盟軍人としての分は決して超えなかった。アムリッツァ会戦後は,同盟軍最後の宇宙艦隊司令長官として活躍した。
ちなみにゲーム中で持っている特技は,味方全体の防御力を上昇させる「老練の宿将」。本作における同盟軍は,範囲/全体効果に効果がある特技を持つ提督が多いのだが,ビュコックは,そんな同盟軍の性質を象徴する提督だといえよう。
攻略プレイムービー:同盟軍編
※本連載は,基本的に“ファーストプレイ”でSランクを取ることを想定した攻略ですが,攻略用,ムービー撮影用など複数回に分けてプレイしているため,撮影時の提督達のレベルは,通常よりも高めとなっています。ご了承ください。
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