連載
アルタイルのアラビア半島一人旅(Assassin's Creed) / 第2回:アラブをブラブラ,アルタイル
Xbox 360版やPLAYSTATION 3版についクラッとくる気持ちを抑えつつ,じっとPC版を心待ちにしていた人も多いという話をここアラビア半島でも耳にしたが,そんな「アサシン クリード 日本語マニュアル付英語版」が5月16日,イーフロンティアからついに発売された。暗殺者志願の諸君はさっそく入手し,寝る間も惜しんで埃っぽい土地で任務に奮闘していることだろう。そんなこと,こちらはとっくにお見通しなのだ!
前回も書いたように,コンシューマ機版のアサシン クリードは音声まで日本語になった完全日本語版だったわけだが,PC版については日本語マニュアル付きの英語版で,音声どころかテキストまで見事に英語。字幕も出ないので,要するにヒアリングに頼るしかないなど,筆者のような日本語ラブの人は「えーと,では誰をやればいいんですか? あなたかな?」と関係ない人までアレしちゃったりして大変なことになっているはずだ。
しかし安心してほしい。本連載,「アルタイルのアラビア半島一人旅」があればちょっぴり大丈夫なのである。「ちょっぴり」というところに筆者の控えめな人柄が出ていて微笑ましいが,この連載によって,虫も殺せないあなたもいっぱしのアサシンとして活躍できるはずだ。さて,第2回目となる今回から,いよいよアサシンとしての任務をこなしていくミッションの紹介に入ろう。
その前に注意。本稿はつまり攻略連載なので,ネタバレチックなところも随所に出てくる。「そのへんはぜひ自分の目で確認してほしい」という部分はなるべくボヤかしているが,やはり話の都合上,あんな話やこんな話が出てくるのはいたしかたない。したがって,教えなど乞いたくはない,一から十まで自分の手でやりたい,という人は片目で読むことをオススメしておこう。暗殺者との約束だ。
テンプル騎士団の不審な動きを察知した大導師アル・ムアリムは,アサシンとして優秀な能力を持ち,いくつもの重要任務をこなしてきたマスター・アサシンであるアルタイルとマリク,そしてマリクの弟のカダールをソロモン神殿に送り込む。目的は秘宝である聖櫃(アーク)を奪取することだった。
自分の力を過信するアルタイル。「罪なき者の命は奪わない」「我らの力は鞘の中の刃(できるだけ目立つ行動はとらない)」というアサシン教団の掟に背き,殺す必要のない老門番を殺し,テンプル騎士団総長ロベール・ド・サブレに無謀な真っ向勝負を挑む。しかし,ロベールに投げ飛ばされ,壁が崩れ落ちてマリク達と離ればなれになってしまう。「兄弟(同士)を危険にさらさない」という最後の掟まで破ることになってしまったアルタイルは,ロベールの「アサシンを殺せ!」という声とマリク達の悲痛な叫びを聞きながら,ソロモン神殿から脱出するのであった。
マシャフに戻ったアルタイルは,アル・ムアリムに任務の失敗とマリクとカダールが死んだことを報告する。しかし,マリクが瀕死の重傷ながらも秘宝とともにマシャフへ戻ってくる。かくして任務には成功したものの,今度は秘宝を追ってテンプル騎士団がマシャフへと乗り込んでくるのだ。しょっぱなからアルタイル,いいとこなし。
マリクから一部始終を聞かされたアル・ムアリムに叱責されるアルタイル。アサシン教団の掟を破り,重要任務に失敗,さらにテンプル騎士団がマシャフに乗り込む原因を作った「裏切り者」呼ばわりされる。「裏切り者ではない!」と言い返すアルタイルだが,アル・ムアリムの手には氷のような剣が……。
カットシーンで殺されたはずのアルタイルだったが,実はアル・ムアリムに幻を見せられていただけだった。むむ,そんなこともできちゃうアル・ムアリム恐るべし。さすが大導師である。アサシン教団の掟を破った罪は死に値するが,アルタイルのアサシンとしての高い才能を捨てがたく思ったのだ。東洋ではこれを「芸は身を助ける」というが,ただし,犯した罪をあがなうため見習いアサシンとして一からの出直しを命じられる。とほほ。
見習いアサシンとしての最初の任務は,マシャフにロベールが乗り込んできた際に手引きをした裏切り者を突き止め,アル・ムアリムの元へ連行することだが,ああ,それなりの任務でよかった。これが先輩に「おい,見習い。アンパン買ってこい」みたいな出直し方だったらどうしようかと思っていたのだ。
やがて,アル・ムアリムから9人の暗殺目標が存在していることを伝えられる。最初のターゲットはダマスカスで闇市を仕切る武器商人タミールだ。はは,かしこまりました。
まずはダマスカスの貧困地区が舞台。だが,すんなり街の中に入れてはもらえない。
ふと見ると城門前で兵士に絡まれている市民がいるので,知らんぷりせず助けてあげよう。するとあつらえたように神学者の一団が現れるので,そこに紛れ込んで一緒にお祈りしながら歩いていくと,自然にダマスカス城内へ入れる。へへへ。ちょろいもんだぜ。
暗殺ターゲットのタミールは武器を売って一財産を築いた人物であり,各地の鍛冶屋,運び屋,金貸しに顔が利くことから「死の商人ナンバー1」と呼ばれている。今回,彼の仕切る市場で武器取引の重要な会合があるらしいので,そこを狙って暗殺を実行する。
暗殺自体はいたって簡単。というか,ここでミスしているようではアサシンとしてかなり恥ずかしいので,しっかり任務を遂行しよう。タミールは武器製造業者を殺し,そのまま市場にある商店の巡回を始める。ここで祈りのポーズですれ違いざまや背後から近づき,隠し持ったアサシンブレードでザクリ。決まった。
タミールはいまわの際,同じように武器を売って稼ぐ死の商人も多いのに,なぜ自分だけが標的になるのか不思議だと思わないのか? と聞いてくる。しかも,彼は仲間とともに金などよりももっと崇高な目的に奉仕しており,彼の仲間はアルタイルを放っておかないとも言う。は? 仲間? 目的ってなにさ!
マシャフに戻り,タミールの暗殺成功に加えて彼が残した意味ありげな言葉をアル・ムアリムに報告するが,おまえは知る必要はなく,言われたことだけをやればいいのだと怒られてしまう。はいはい。いつも辛いのは現場だなあとサラリーマン風に嘆きながら,次のターゲットの居るアッカもしくはエルサレムに向かおう。どちらからやっちゃうかは自由なので好きな順番で向かうとよろしいかと。
とりあえずアッカへ向かうアルタイル。その貧困地区が今回の任務の舞台だ。アッカの進入方法はダマスカスと同様でもいいし,城門にいる兵士を倒しての強行突入や,城門脇から足場を伝ってもいい。こちらもあなたのお好きな方法でどうぞ。
アッカのアサシン教団支部にて暗殺ターゲットであるホスピタル騎士団団長ガルニエ・ド・ナプルスについての情報を得ようとするが,「ホスピタル騎士団の団長だ」としか教えてくれない。そんなの分かってるよ兄弟。がっかりだぜ! ここではどうやら,ターゲットに関する情報は自分で調べるしかないらしい。役に立たないアッカ支部だ。
どうやら,ガルニエのいる病院ではエルサレムから誘拐されてきた市民を対象になにやら人体実験が行われているらしい。うーむ,悪いヤツだ。なんとなく変な気もするが,正義のために暗殺してやろう。
ガルニエが部屋から出てくることはまれだが,毎日患者を巡回して診察を行っているため,チャンスはこのときだ。病院へは神学者と一緒に入ってもいいし,血の気の多いプレイヤーなら,入り口の兵士を倒して堂々と入ってもかまわない。脱走を図る被害者というか,患者の痛々しいムービーシーンを見たあと,いよいよ任務開始。
病院内はフラフラした患者が多く,うっかり近づくと突き飛ばされる。突き飛ばされて兵士にぶつかってしまうと,なぜかアサシンということがバレるので要注意だ。ガルニエはベッドを巡って移動しているため,彼がやって来そうなベッドのかたわらで祈りのポーズをとって待ち伏せ,近づいてきたところを狙うのが手軽でアサシンっぽいやり方かも。暗殺後ははしごを登って割れた窓から脱出しよう。
いまわの際のガルニエによると,ここで行われていたのは人体実験ではなく人助けだとか。監禁されていた人々の中にはガルニエに感謝している患者も多いが,実際には治療ではなく苦痛を与えていた。さらには,秘宝を盗まれたことで何らかの作業が遅れているらしく,ややや,アルタイルの知らないところで何かが起きているのだ。筆者はもう知っているけど言えないのである。
エルサレムの富裕地区が舞台。エルサレムへの侵入は神学者か強行突入のどちらか。どっちでも好きな方法でどうぞ。これで三つ目の都市に入るわけだが,街の作りや市民の容姿の違いなどを感じつつプレイすると楽しめる。また,同じ街でも貧困,中流,富裕と地区が分かれており,地区ごとの生活感の違いなども再現されている。いやほんと,細かく作ってあるんだ,これが。
というわけで,さっそく任務だ。アサシン教団支部に行ってびっくり! 君はあのときの彼じゃないか! 彼は例の事件で左手を失い,アサシンを辞めてここの管区長になっていたのだ。もとはといえばアルタイルが悪いのだが,可愛そうに……。それにしても態度が非常に冷たい。気持ちは分かるが,奴隷商人タラルに関する情報も頂戴できなかったため,自力でやっつけるしかなさそうだ。
情報提供者から話を聞くため,頼まれた二人ばかりを暗殺し,さらに18本の旗を3分以内に回収するというチャレンジをこなす。タラルは北の地域にいて,タラルの手下は自分の命を投げ出してでも彼の逃亡を手伝うとのこと
タラルは奴隷商人であり,エルサレムの市民を誘拐して奴隷として売っている。彼はこの地区の北にある倉庫で旅の準備を始めているので,そこでミッションを決行することにしよう。バラしちゃいますよ。
倉庫に入ると不意に扉が閉まって閉じ込められるアルタイル。檻に入れられた奴隷の姿が見られるが,タラルによると,これは監禁ではなく守っているのだとか。とりあえず彼を追って倉庫を進むと広めの部屋に至り,そこでヤツの手下との戦闘になる。
さらに逃走するタラルを追いかけてついに任務遂行。全速で追いかけて背後から飛びつくだけなので,暗殺自体は簡単だ。
誓いを交わした仲間達が必ず目標を成し遂げてくれる。聖地に目を向けているのはアル・ムアリムだけではないのだと言うタラル。倉庫にいた市民を売ろうとしていたわけではなく,逆に助けようとしていたらしい。「何かおかしいと感じないのか?」とまたまた意味深なことを言い残すのだ。同じことばかり書いているようで気が引けるが,もうちょっと分かりやすく説明してくれると助かるなあ。
すでに三つの都市をめぐり,とても履歴書には書けない仕事をバンバンこなしてきたアルタイルの冒険はまだまだ続く。アサシンとして教育を受け,アサシン教団に一身を捧げてきた彼だったが,どうも教団の奥深くには彼も知らない謎が隠されているようだ。
正義と悪。混沌とした中東情勢は簡単な裁断を許さず,白いものが黒く,黒いものが白くなる不安定な世界。二転三転するストーリー展開も本作の大きな魅力なのだ。
というわけで,次回も引き続きミッション紹介を続けていく予定。お楽しみに。
前回のこのコラムで,各都市のいたる所に配置されている旗を集めるのがアサシン クリードのもう一つの楽しみであると書いたが,実は旗ほど数は多くないものの,都市のいろいろなところにテンプル騎士団員が配置されており,彼らを倒すこともまたアチーブメントの一つ。騎士団員は,キングダム(都市と都市の間に広がる地域のこと)に30人,アッカ,エルサレム,ダマスカスの各都市に12人ずつといった感じで配置されており,できることなら全滅させておきたい。
都市にいる騎士団員は決められた位置でジッとしているため,場所さえ分かれば簡単に会える。また,こちらも旗と同様,ネットの攻略サイトなどに存在位置を示すマップが公開されており,それを見ればやつらがどこにいるのか分かる。配置マップなど見ずにプレイしていると,何気なく建物の裏側に行ったらいたとか,屋根の上から落っこちたらいたとか,意外なところで出会ってビックリすることもある。
テンプル騎士団員はアルタイルを見つけると問答無用で襲ってくる。お祈りのポーズなんて効かないのだ。しかも,一般の兵士よりずっと強く,掴み&掴み崩しやカウンター攻撃なんかもバシバシ使ってくるから油断ならない。ゲームの序盤で遭遇すると厳しいので,ライフバーである「同調率バー」が満タンのときや,使える技が増えてから相手にしたほうがいいだろう。もちろん,配置場所が分かっていれば,背後から近づいての暗殺もできるので,アサシンならそれでしょうよ。ねえ。
今週のムービーでは,アルタイルの超人的な身体能力をお見せしよう。人の家の屋根をピョンピョン飛び越して自由自在に移動する白い服の男は,まるでスパイダーマン。見事な剣さばきで敵を倒し,追っ手をまくために屋上の庭園にダイブイン。ときどき屋上の縁で「おっとっと」となるのもある意味カッコいいではないか。 こうした動きを簡単操作で楽しめるのがアサシン クリードの最高に面白い部分。ただし,ムービーよりもオレのアルタイルのほうがもっと華麗に動けると思う人は,そっと胸にしまっておいてほしい。
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