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印刷2013/05/20 19:20

連載

レギュレーショントップへ

Version 14.0

Text by 宮崎真一

ベンチマーク一覧
3DMark
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開発元:Futuremark
発売元:Futuremark
価格:無料(Basic Edition),24.95ドル(Advanced Edition),995ドル(Professional Edition)
発売日:2012/02/04

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新世代3DMarkには3つの異なるテストが用意される

 定番の3Dベンチマークテストシリーズ,3DMark。4Gamerでは,バージョン11以降のベンチマークレギュレーションで,DirectX 11対応の「3DMark 11」を採用していたが,レギュレーション14世代では,日本時間2013年2月5日に登場した新世代「3DMark」へ切り替えることにした。

 これは,今後,タブレット端末など,GPU性能がそれほど高くない機器の検証を行うケースが増え,いきおい,単体の高性能GPUだけでなく,CPUに統合されたGPUコアのテストを行うことも増えると考えられるからだ。新世代3DMarkであれば,DirectX 11ベースのテストとなる「Fire Strike」だけでなく,エントリークラスのPCを対象としたDirectX 10ベースのテスト「Cloud Gate」,そして,WindowsとAndroid,iOS間で横断的にテストできるDirectX 9/OpenGL ES 2.0ベースのテスト「Ice Storm」と3種類のテストが用意されており,異なる立ち位置のデバイスに向けて,さまざまなテストで使っていける。

 単体GPUや,高性能なCPU統合型GPUの評価を行ううえでは,これまでどおりDirectX 11ベースのテストであるFire Strikeを用いつつ,そうでないケースでは,適宜Cloud Gateを使用していこうというわけである。


Fire Strike

Cloud Gate

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4Gamerでは,商用利用の可能なProfessional Editionをテストに用いる

 テストに用いる3DMarkのバージョンは,そのときどきの最新バージョンだ。レギュレーション14.0の場合は,5月6日に公開された1.1.0となる。1.1.0で,2〜4基のマルチGPU構成でスコアが上がらない問題にメスが入ったので,ようやくレギュレーションで正式に採用できるようになったともいえるだろう。

 単体GPUの検証に用いるテストは基本的にFire Strike。その標準プリセットと,高負荷版プリセット「Extreme」を実行する。ただし,ノートPC向けGPUの下位モデルやCPU統合型GPUなど,Extremeプリセットでテストを実行しても意味のある結果が得られないと判断される場合は,Extremeプリセットの代わりに,Cloud Gateテストを用いることがある。もちろんその場合は本文にその旨を明記したい。

 というわけで,テスト方法は以下のとおりだ。3DMarkのスコアは,まれに低く出ることがあったので,いずれのテストでも,2回実行し,高いほうを採用することにした。

実行手順

  • (1)3DMarkを起動
  • (2)「TEST」タブを選択
  • (3)「Fire Strike」の「Include demo」のチェックを外す
  • (4)「Run Fire Strike」をクリックしてベンチマークを実行
  • (5)(2)以下を再度実行
  • (6)「Fire Strike」の「Extreme」にチェックを入れる
  • (7)「Run Fire Strike」をクリックしてベンチマークを実行
  • (8)(6)以下を再度実行
  • ※「Cloud Gate」を利用する場合
  • (6)「Cloud Gate」の「Include demo」のチェックを外す
  • (7)「Run Cloud Gate」をクリックしてベンチマークを実行
  • (8)(6)以下を再度実行
Far Cry 3
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開発元:Ubisoft Montreal Studio
発売元:Ubisoft Entertainment
価格:49.99ドル
発売日:2012/12/04

 「Far Cry 3」は,Ubisoftが持つFPS人気シリーズ「Far Cry」シリーズから,2012年12月に登場した最新作だ。絶海の孤島を舞台に,ただ単に敵を銃で倒すだけなく,採集や狩りで得たアイテムをクラフトしたり,リュックサックの容量を拡張したりできるなど,FPSとしては異色ともいえるほどの高い自由度が好評を博している。

 採用されるゲームエンジンは,Ubisoft Montreal Studioが開発した「Dunia Engine 2」。前作「Far Cry 2」に採用されたDirectX 10世代のエンジン「Dunia Engine」は,広大なゲーム世界を一気に読み出すオープンワールド技術の採用で話題を集めていたが,その後継としてDirectX 11に対応したDunia Engine 2では,グローバルイルミネーションの導入により,間接光を積極的に採用するなど,よりリアリティの高い描画を実現しているのが大きな特徴だ。

 なお,Far Cry 3はDirectX 11モードのほかにDirectX 9モードでも実行が可能で,ゲームのオプション設定にDirectX APIを指定する項目が用意されている。ただし,2013年にあって,GPUはもちろんのこと,APUやCPU統合型グラフィックス機能もほぼすべてがDirectX 11をサポートするため,レギュレーション13〜14世代でDirectX 11モードのみを用いる点はお断りしておきたい。

 というわけで,テストにおけるゲーム側の設定は以下のとおりとなる。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Uplayによる自動アップデート)

セーブデータ:自動保存(※テスターが自分でテストスタート地点まで進める必要あり)

ゲーム設定:OPTIONS−VIDEO

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  • DISPLAY RESOLUTION:テストによる
  • WINDOW MODE:FULLSCREEN
  • V-SYNC:OFF
  • GPU MAX BUFFERED FRAMES:1
  • WIDESCREEN LETTERBOX:OFF
  • DIRECTX:DIRECTX 11
  • MSAA ANTI-ALIASING:テストによる
  • ALPHA TO COVERAGE:ENHANCED
  • SSAO METHOD:HDAO
  • FIELD OF VIEW:73.15
  • SUBTITLES:OFF

ゲーム設定:OPTIONS−VIDEO QUALITY

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  • OVERALL QUALITY:ULTRA(※これを選択すると,以下の設定が下記のとおり変更される)
  • TEXTURES:HIGH
  • AMBIENT LIGHTING:HIGH
  • SHADOW:ULTRA
  • POST FX:ULTRA
  • GEOMETRY:ULTRA
  • VEGETATION:VERY HIGH
  • TERRAIN:HIGH
  • WATER:VERY HIGH
  • ENVIRONMENT:HIGH

ゲーム設定:OPTIONS−AUDIO

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  • MASTER VOLUME:任意
  • MUSIC:ON
  • INCOMING VOICE:ON
  • LANGUAGE:ENGLISH

 Far Cry 3におけるグラフィックス設定は「OPTIONS」の「VIDEO QUALITY」以下,「OVERALL QUALITY」に,プリセット+詳細設定項目という形で用意されている。そして,プリセットのうち「ULTRA」を選択すると,詳細設定項目が設定できる一番上の選択肢で統一されるため,まずはこれを選択した次第だ。

 4Gamerのベンチマークレギュレーションでは,基本的に,2つのテスト設定「標準設定」「高負荷設定」を,アンチエイリアシングと異方性フィルタリングの有無によって区別しているが,前者は「OPTIONS」以下の「VIDEO」に用意されるため,ここで設定。一方,異方性フィルタリングの設定は用意されていないため,こちらはグラフィックスドライバ側で適用することにした。

 ただし,Far Cry 3はかなり描画負荷が大きく,エントリークラスGPUかそれ以下を搭載したシステムだと,そもそも参考になるようなフレームレートが得られない。そこでレギュレーション14世代では,レギュレーション13世代で用意されていなかった「エントリー設定」を用意することにした。

 エントリー設定時のゲーム設定は下記のとおりで,用いる場合は当該記事内でその旨を表記する。

エントリー設定
(※標準のゲーム設定と被る部分は一部省略した)

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ゲーム設定:OPTIONS−VIDEO QUALITY

  • OVERALL QUALITY:HIGH(※これを選択すると、以下の設定が下記のとおり変更される)
  • TEXTURES:HIGH
  • AMBIENT LIGHTING:MEDIUM
  • SHADOW:HIGH
  • POST FX:HIGH
  • GEOMETRY:HIGH
  • VEGETATION:VERY HIGH
  • TERRAIN:HIGH
  • WATER:VERY HIGH
  • ENVIRONMENT:HIGH
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テスト中の様子。出てくる動物はランダムで動く

 さて,テストをどのように行うか。Far Cry 3にはベンチマークモードが用意されていないため,実際のゲームシーンを用いることとなる。そこで選んだのが,序盤の,電波塔を修理し,狩りを行った後,「SECURE THE OUTPOST」のミッションでDennisが運転するクルマ車に同乗し,移動するシーンだ。このシーンでは,クルマが毎回同じルートを通って移動するため,「プレイヤーの操作」という最大の不確定要素を排除することができる。

 もちろん,インゲームのシーンということもあり,天候が変化したり,周囲に存在する野生動物がランダムに動いたりと,100%同じシーンを繰り返すのは難しいのだが,実際に,所要時間1分強の移動シーンを繰り返してみると,フレームレートのブレはさほど大きくなかった。そのためテストにあたっては,クルマが移動を始めてから60秒間の平均フレームレートをFrapsで計測し,2回繰り返してその平均値をスコアをして採用する次第だ。

 なお,Far Cry 3では,[F11]キーを押すと,オートセーブしたデータを即座に読み出せるので,2回めのテストはこの機能を用いる。

 セーブデータの話が出たので続けると,セーブデータはランダムな文字列のファイルで,64bit版Windows 7の標準だと「c:\Programs Files(x86)\Ubisoft\Ubisoft Game Launcher\savegames」以下に置かれているのだが,試しにOSから別のPCにSteam経由でクリーンインストールし,Far Cry 3と同時にセットアップされるUbisoft Entertainment製コンテンツ配信システム「Uplay」も導入したところ,セーブデータは引き継がれた。セーブデータは自動的にクラウドへも保存されるようになっているようだ。なので,レギュレーション13世代で規定するテストシーンを読者が再現しようと思った場合は,(たいした手間ではないが)同じところまでゲームを進める必要がある。

 以上を踏まえた実行手順は以下のとおりだ。

実行手順

  • (1)Frapsからベンチマーク計測時間を60秒に設定
  • (2)Far Cry 3を起動する
  • (3)グラフィックスや解像度などゲームのオプション設定を行う
  • (4)メインメニューから「STORY」―「LOAD GAME」―「AUTOSAVE 1」を順に選択
  • (5)シーンが始まり,クルマが動き出したらFrapsによる計測をスタート
  • (6)60秒経過するのを待つ
  • (7)[F11]キーを押して同シーンの最初に戻る
  • (8)(5)〜(6)をもう一度実行
  • (9)[Esc]キーを押してプレイ画面を中断
  • (10)「QUIT TO MAIN MENU」を選択
  • (11)(3)以降を,設定変更しながら繰り返す

 フレームレートは,ストレスなくプレイするためには最低でも平均30fpsは欲しい。快適なプレイ環境を実現するためには平均40fpsがひとつの目安となる。

 ただ,グラフィックス設定を最大にしているため,標準設定でも平均フレームレートは低めに出る。また,高負荷設定で平均40fpsを獲得するのは,なかなかハードルが高い。OVERALL QUALITYを「VERY HIGH」にした状態の高負荷設定で平均40fpsというのは,ハイエンド環境でもない限りかなり厳しいので,その点は押さえておいたほうがいいかもしれない。

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 なお,CPUについてだが,Far Cry 3はマルチスレッド処理に最適化されており,とくにクアッドコアCPUで満足のいくスコアが得られた。デュアルコアCPUの場合,動作クロックとL3キャッシュ容量が同じ場合に,クアッドコアCPUと比べて1割ほどフレームレートが低下するようだ。また,Intel製ヘキサ(6)コアCPUの場合も,クアッドコアCPUと比べてテストスコアが低下してしまたったが,このあたりはIntel Hyper-Threading Technologyによる悪影響が出ていると思われる。CPUテストに用いる場合は,同機能のオン/オフが及ぼす影響も検証する必要があるだろう。

Crysis 3
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開発元:Crytek
発売元:エレクトロニック・アーツ
価格:7665円(税込)
発売日:2013/03/07

 「Crysis 3」(邦題 クライシス 3)は,Crytekが手がけるFPSシリーズの最新作だ。Crysis三部作の完結編となる本作では,「Crysis 2」後のニューヨークを舞台に,侵略者「セフ」,そして民間軍事会社「C.E.L.L」との,三つどもえの戦いを繰り広げることになる。

 Crysis 3で採用されるゲームエンジンは,Crysis 2と同じく,Crytek自社開発の「CryENGINE 3」。その点では変わっていないということになるが,厳密にいえば,Crysis 2ではDirectX 11対応ゲームエンジンたるCryENGINE 3の“さわり”しか用いられていなかった。一方,Crysis 3では完全にCryENGINE 3ベースということで,テクスチャの品質,あるいは光や影の表現といったあたりには,Crysis 2から明らかな進化が認められる。

 Crysisシリーズは,そのときどきで「最先端PCグラフィックスの指標」として機能してきたが,Crysis 3の美麗なグラフィックスは,今回も同様な指標となるものと述べていいだろう。

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 なお,CryENGINE 3の全面採用に伴い,Crysis 3では動作にDirectX 11対応GPUが必須となったが,最近ではごく一部のタブレット端末用CPUを除き,CPUに統合されたグラフィックス機能はすべてがDirectX 11に対応しているので,この点が問題になることはまずないはずだ。

 テストにおけるゲーム側の設定は以下のとおりとなる。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Originによる自動アップデート)

セーブデータ:不要

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ゲーム設定:OPTIONS−GRAPHICS

  • RESOLUTION:テストによる
  • FULLSCREEN:YES
  • ANTIALIASING:テストによる
  • TEXTURE RESOLUTION:VERY HIGH
  • V-SYNC:NO
  • SYSTEM SPEC:VERY HIGH(※これを選択すると,OPTIONS−ADVANCED GRAPHICSの設定が下記のとおり変更されるが,そこからさらに「MOTION BLUR AMOUNT」を「HIGH」へ変更する)
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ゲーム設定:OPTIONS−ADVANCED GRAPHICS

  • GAME EFFECTS:VERY HIGH
  • OBJECT:VERY HIGH
  • PARTICLES:VERY HIGH
  • POST PROCESSING:VERY HIGH
  • SHADING:VERY HIGH
  • SHADOWS:VERY HIGH
  • WATER:VERY HIGH
  • ANISOTROPIC FILTERING:テストによる
  • MOTION BLUR AMOUNT:MEDIUM → HIGH
  • LENS FLARES:YES

ゲーム設定:OPTIONS−SOUND

  • MUSIC VOLUME:任意
  • SOUND FX VOLUME:任意
  • DIALOGUE VOLUME:任意
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 Crysis 3におけるグラフィックス設定は「OPTIONS−ADVANCED GRAPHICS」に用意されている。各項目は任意に変更できるが,「OPTIONS−GRAPHICS」の「SYSTEM SPEC」からプリセットを選ぶ形で一括して変更するのが手っ取り早いので,最も描画負荷の高いプリセット「VERY HIGH」を選択した次第だ。ただ,それでも「MOTION BLUR AMOUNT」は「MEDIUM」に留まるため,手動で「HIGH」に変更している。

 なお,4Gamerのベンチマークレギュレーションでは,「標準設定」「高負荷設定」を,アンチエイリアシングと異方性フィルタリングの有無によって区別しているが,前者は「OPTIONS−GRAPHICS」の「ANTIALIASING」から,後者は「OPTIONS−ADVANCED GRAPHICS」の「ANISOTROPIC FILTERING」からそれぞれ設定できるので,これを用いることとしている。

 ただ,この設定は非常に描画負荷が高く,エントリークラス以下の性能を持ったGPUやグラフィックス機能には荷が重い。そこで,別途「エントリー設定」を下記のように用意した。簡単にいえば,「HIGH」プリセットを用いた設定だ。もちろん,エントリー設定を用いてテストを行う場合には,当該記事内でその旨を明記する。

エントリー設定
(※標準のゲーム設定と被る部分は一部省略した)

ゲーム設定:OPTIONS−GRAPHICS

  • RESOLUTION:テストによる
  • FULLSCREEN:YES
  • ANTIALIASING:テストによる
  • TEXTURE RESOLUTION:HIGH
  • V-SYNC:NO
  • SYSTEM SPEC:HIGH(※これを選択すると,OPTIONS−ADVANCED GRAPHICSの設定が下記のとおり変更される)

ゲーム設定:OPTIONS−ADVANCED GRAPHICS

  • GAME EFFECTS:HIGH
  • OBJECT:HIGH
  • PARTICLES:HIGH
  • POST PROCESSING:HIGH
  • SHADING:HIGH
  • SHADOWS:HIGH
  • WATER:HIGH
  • ANISOTROPIC FILTERING:テストによる
  • MOTION BLUR AMOUNT:MEDIUM
  • LENS FLARES:YES

 さて,テストをどのように行うかだが,Crysis 3にはベンチマークモードが用意されていない。そこで,実際のゲームシーンを利用することになるわけだが,今回は「CAMPAIGN」モードの開始直後のシーンを選択した。

 このシーンでは,雨が降りしきる中,NPCであるサイコの後に付いて進んでいくこととなる。プレイヤーが操作する必要はあるものの,毎回同じルートを通るので,テストに適していると判断した次第だ。

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 事前検証で,所要時間1分強となるこのシーンを繰り返したところ,フレームレートのブレはあまりないことを確認できた。そこで,テストにあたっては,「CMAPAIGN」モードの開始後,操作可能になってから60秒間の平均フレームレートをFrapsで計測し,2回の平均値をスコアをして採用することとした。

 なお,Crysis 3ではメインメニューから「RESUME GAME」を選択すると,チェックポイントから再開するできるので,2回め以降のテストはこの機能を用いる。

 以上を踏まえた実行手順は以下のとおりだ。

実行手順

  • (1)Frapsからベンチマーク計測時間を60秒に設定
  • (2)Crysis 3を起動する
  • (3)グラフィックスや解像度などゲームのオプション設定を行う
  • (4)メインメニューから「CAMPAIGN」−「NEW CAMPAIGN」を選択
  • (5)シーンが始まり,操作可能になったらFrapsによる計測をスタート
  • (6)60秒経過するのを待つ
  • (7)[Esc]キーを押してプレイを中断
  • (8)「QUIT」を選択し,メインメニューに戻る
  • (9)(3)以降を,設定変更しながら繰り返す(※2回め以降は適宜「RESUME GAME」を選択)
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 フレームレートは,マトモにプレイしたいなら最低でも平均30fpsがほしいところ。また,今回のテスト環境で快適にプレイできるプレイ環境を目指すときは平均40fpsが合格点で,ウルトラハイエンド環境では60fpsが目指すべき到達点になる。40fps,60が基準になるというのはエントリー設定でも同じだ。

 ちなみにCPUは,今日的な動作クロックのデュアルコアモデルであれば,CPU性能が足を引っ張ることがないと確認できた。一方,クアッドコアCPUに差し替えてもスコアに大きな影響は出なかったので,CPUはひとまず,最新世代のデュアルコアCPUがあれば十分と述べていいだろう。

BioShock Infinite
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開発元:Irrational Games
発売元:2K Games
価格:69.99ドル
発売日:2013/03/26

 「BioShock Infinite」は,2K GamesのフランチャイズたるBioShockシリーズの最新作。「古き良きアメリカの時代」風ながら,大空に浮かぶ都市「コロンビア」を舞台としたアクションアドベンチャーで,世界市場では2013年2月の発売にもかかわらず「2013年のベストではないか」と言われるほどの完成度を誇るタイトルとなっている。Steamで配信されるPC版が,コンシューマ版と同じく「完全日本語版」仕様なのも話題だ。

 ゲームエンジンにはEpic Games製の「Unreal Engine 3」が使用されている。最先端のPCゲーム用エンジンとしてはドが付く定番と述べていいだろう。Unreal Engine 3自体はDirectX 11にも対応するエンジンだが,BioShock Infinite自体は,DirectX 10をベースとして,グラフィックス設定次第ではDirectX 11の要素も有効化していく,といった感じになっている。

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 そのグラフィックス設定だが,BioShock Infiniteの場合,アンチエイリアシングはFXAAのみのサポートとなり,テクスチャフィルタリング設定にいたっては設定項目自体が用意されない。その一方で,ゲーム側にベンチマークモードが用意されており,コマンドラインからグラフィックス設定のプリセットなどを選択しつつ実行できるようになっているという親切設計だったりもする。そこでBioShock Infiniteのテストにおいては,レギュレーションで規定する「標準設定」「高負荷設定」の代わりに,ベンチマークモードのプリセットによって,負荷の低いテスト条件と高い条件を2つ用意することにした。具体的には,「High」と「UltraDX11_DDOF」だ。

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BioShock Infiniteでは,Steamから,ゲーム本編を起動するかベンチマークモードを起動するか選択可能(上)。ベンチマークモードを選択するとコマンドラインになり,どのプリセット,どのアスペクト比,どの解像度で実行するかを選択することになる(下)

 Highプリセットは,DirectX 10とDirectX 11を併用するモードで,ベンチマークレギュレーション14世代では,2013年春時点のエントリー市場向けデスクトップGPUでも平均60fpsを超える“軽い”ものとした。2008年のバージョン6.0で採用した「Call of Duty 4: Modern Warfare」に代わるタイトルとしてBioShock Infiniteを用いるにあたり,できる限り下位クラスのGPUに配慮した結果である。

 一方のUltraDX11_DDOFは,用意されるベンチマークプリセット中,最も描画負荷が高くなる設定で,DirectX 11のみを用いたモードとなる。プリセット名にあるDDOFというのは「Diffusion Depth Of Field」の略で,つまりは,被写界深度によるボケ味を映像に加えてあるというわけだ。もちろん,テクスチャや影など,そのほかの描画品質も最大に設定される。

 いずれのプリセットにおいても,垂直同期は自動的に無効化される。Highプリセットだと設定上は垂直同期が有効なのだが,フレームレートは60fpsを大きく超えてきたので,ベンチマークモード側で強制的に無効化しているのだろう。

 以上を踏まえた実行手順は以下のとおりとなる。

実行手順

  • (1)Steamから「BioShock Infinite」を実行し,「Launch BioShock Infinite Benchmarking Utility」を選択
  • (2)コマンドプロンプトから,「High」プリセットの場合は「5」,「UltraDX11_DDOF」プリセットの場合は「2」をそれぞれ選択
  • (3)解像度をカスタマイズするかどうかを聞かれるので「2」を選択
  • (4)アスペクト比を選択
  • (5)テストしたい解像度を選択。するとベンチマークが実行される
  • (6)ベンチマークモードが終了すると,結果として記録されたcsvファイルを表示するかどうかを聞かれるので「はい」を選択
  • (7)(1)〜(6)を繰り返し実行する
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ベンチマークテスト終了後に表示されるダイアログ(上)と出力されるCSVファイル(下)

 BioShockのベンチマークシークエンスは「Welcome Center」「Town Center」「Raffle」「Monument Islands」の4シーンで構成されており,テスト結果は4シーンと,シーン切り替え中およびベンチマーク終了処理中の「無視すべき時間」と全体に分かれて,それぞれ所要時間,平均フレームレート,最小フレームレート,最大フレームレートが出力される。ベンチマークレギュレーションで採用するのは,このうち全体スコア「Overall」の平均フレームレートだ。

 なお,テスト自体はいわゆるflybyだが,フレームレートには若干の誤差も出るため,2回連続実行して平均値をスコアとして採用することにしている。

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ベンチマーク実行中の様子

 そのスコアだが,平均フレームレートが40fps以上あれば,最小フレームレート30fpsをおおむねクリアできるので,これを「ストレスなくプレイできる最低ライン」としたい。ただし,2013年5月中旬時点では,GeForce搭載環境において,ときおり最小フレームレートが大きく落ち込む現象も確認されているため,余裕を見る場合は平均60fpsが基準となるだろう。

 組み合わせるCPUは,最新世代のクアッドコアCPUであれば十分な性能を発揮できる。デュアルコアCPUの場合,クアッドコアCPUと動作クロックおよびL3キャッシュ容量が同じ場合,クアッドコアCPU比で1割ほどフレームレートが落ち込んだ。

The Elder Scrolls V: Skyrim
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開発元:Bethesda Game Studios
発売元:Bethesda Softworks
価格:59.99ドル(※Steam)
発売日:2011/11/11

 RPGデベロッパとして不動の地位を築いているBethesda Softworks(Bethesda Game Studios,以下 Bethesda)から2011年11月にリリースされた,The Elder Scrollsシリーズの最新作,「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下,Skyrim)。重厚な世界観とそれを支えるグラフィックス,圧倒的な自由度と,MODによる拡張性の高さから,全世界的な大ヒット作となっているタイトルだ。

 採用されているゲームエンジンはBethesda独自の「Creation Engine」で,(当初はDirectX 11に対応するという話もあったのだが)DirectX 9世代のもの。ただしDirectX 9世代といっても,自然物の描写能力は非常に高い。また,バージョン1.4パッチ,そして公式MODツール「Creation Kit」のリリースに合わせて公開された公式の高解像度テクスチャパック「High Resolution Texture Pack」を適用すると,最新世代の3Dグラフィックスと述べて差し支えないレベルに達するのも特徴だ。

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 なお,Skyrimには公式日本語版も存在するのだが,アップデートが英語版より遅かったりするのと,PC版Skyrimの熱心なプレイヤーが主に英語版を使っているケースが多かったりすることから,4Gamerのベンチマークレギュレーションでは英語版を用いる。英語版をSteamで最新版に保ちつつ,上で紹介した高解像度テクスチャパックを有効化した状態をベースとしたい。

 そのほかグラフィックス関連などオプション設定は以下のとおり。オプションメニューは「Skyrim Options」と名付けられており,Steamからの起動後,最初のメニューで「OPTIONS」を選ぶと開けるようになっている。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Steamによる自動アップデート)

セーブ&リプレイデータ:不要

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Skyrim Options−Graphics Adapter and Resolution

  • Graphics Adapter:テストによる
  • Aspect Ratio:16:9 Widescreen
  • Resoluton:テストによる
  • Antialiasing:テストによる
  • Anisotropic Filtering:テストによる

Skyrim Options−メインメニュー内そのほかの設定

  • Detail:Ultra
  • Windowed Mode:チェックを外す
  • Show All Resolution:チェックを入れる
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Skyrim Options−Detail−Advanced…−Detail

  • Texture Quality:High
  • Radial Blur Quality:High
  • Shadow Detail:Ultra
  • Decal Quantity:Ultra
  • FXAA:チェックを外す

Skyrim Options−Detail−Advanced…−Detail−Water

  • Reflect Land:チェックを入れる
  • Reflect Trees:チェックを入れる
  • Reflect Objects:チェックを入れる
  • Reflect Sky:チェックを入れる
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Skyrim Options−Detail−Advanced…−View Distance

  • Object Fade:15
  • Actor Fade:15
  • Grass Fade:7
  • Specularity Fade:20
  • Light Fade:35
  • Item Fade:15
  • Distant Object Detail:Ultra
  • Object Detail Fade:チェックを外す

 以上,細かく書き記してみたが,基本的には「Vsyncを無効化のうえ,Skyrim OptionsからUltraプリセットを選択」という理解でOKだ。

 Steam版Skyrimの場合,「\\My Documents\My Games\Skyrim\Skyrim.ini」の[Display]セクションに「iPresentinterval=0」という1行を追加すれば,Vsyncは無効となる。

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 ただこのとき,Ultraプリセットだと,アンチエイリアシングが8x設定になっている点には注意しておきたい。

 4Gamerのベンチマークレギュレーションで規定する「高負荷設定」だとアンチエイリアシング設定は4xなので,サンプリング負荷がより高いことになるわけだが,わざわざUltraプリセットを選択しておきながらアンチエイリアシング設定だけ引き下げるのも不自然だ。今回はUltraプリセットを「Ultra設定」としてそのまま用いるので,この点はご了承を。

 ちなみに,Ultraプリセットから「Graphics Adapter and Resolution」以下の「Antialiasing」と「Anisotropic Filtering」をそれぞれ「Off(best performance)」に設定すればアンチエイリアシングと異方性フィルタリングは無効化できるため,「標準設定」の表記に変更はない。

 エントリー設定におけるSkyrim Optionsの設定は下記のとおり。エントリー設定を用いてテストを行う場合には記事内で適宜その旨を明記する。

ゲーム設定(※エントリー設定。標準&Ultra設定を被る部分は一部省略した)

Skyrim Options−メインメニュー内そのほかの設定

  • Detail:High
  • Windowed Mode:チェックを外す
  • Show All Resolution:チェックを入れる
image

Skyrim Options−Detail−Advanced…−Detail

  • Texture Quality:High
  • Radial Blur Quality:Medium
  • Shadow Detail:High
  • Decal Quantity:High
  • FXAA:チェックを外す

Skyrim Options−Detail−Advanced…−Detail−Water

  • Reflect Land:チェックを入れる
  • Reflect Trees:チェックを入れる
  • Reflect Objects:チェックを入れる
  • Reflect Sky:チェックを外す
image

Skyrim Options−Detail−Advanced…−View Distance

  • Object Fade:7
  • Actor Fade:6
  • Grass Fade:5
  • Specularity Fade:10
  • Light Fade:25
  • Item Fade:4
  • Distant Object Detail:High
  • Object Detail Fade:チェックを外す
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 で,どのようにテストを進めるかだが,Skyrimにはベンチマークモードのようなものは用意されていないため,なるべく毎回同じシークエンスでテストできるよう,新規ゲーム開始時のプロローグを用いることにした。

 プロローグでは主人公が馬車に乗せられ,山間の道を護送されるのだが,このシークエンスは序盤がやや不安定で,何度か繰り返すと馬車が横転したりする場合もある。ただ,場面が少し進んで,画面に「Use Mouse to look around.」と表示され,マウス操作のチュートリアルが始まって以降はほぼ同じ動きになるため,このチュートリアル開始後,60秒間の平均フレームレートを取得することにした次第だ。

 具体的なテスト方法は下記のとおり。スコアのバラツキが比較的少なかったので,2回の平均をスコアとして採用することにしている。

実行手順

  • (1)Frapsにてベンチマーク時間を60秒に設定
  • (2)Skyrimを起動する
  • (3)「OPTIONS」からグラフィックスや解像度の設定などを行う
  • (4)「PLAY」を選びゲームを起動する
  • (5)「NEW」を選びゲームを始める
  • (6)「Use Mouse to look around.」が表示されたらFrapsでの計測をスタート
  • (7)60秒経過するのを待つ
  • (8)[Esc]キーを押して「Quit」から「Main Menu」を選択しメインメニューに戻る
  • (9)(5)〜(7)の手順をもう一度実行し,2回の平均をスコアとする
  • (10)[Esc]キーを押して「Quit」から「Desktop」を選択しデスクトップ画面に戻る
  • (11)(2)以降を,設定を変更しながら繰り返す
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 憶えておきたいのは,グラフィックスカードを差し替えると,ゲーム側が自動的にグラフィックス設定を変更してしまうこと。カードを変更した場合には,毎回グラフィックスオプションからUltraプリセット(もしくはHighプリセット)を選択肢直す必要があるので,この点は注意しておいてほしい。

 なお,プロローグの描画負荷は,ゲーム全体を通じても比較的高めだが,一方で最低フレームレートは戦闘シーンと比べても高めに出るため,ゲーム全体を通じて最低30fpsを維持することを考える場合,合格ラインは平均40fps以上ということになる。平均60fpsを維持できるようだとかなり,同90fpsを維持できるなら相当に快適なゲームプレイを期待できるので,ハイクラスシステムなら前者,ハイエンドシステムなら後者がクリアすべき目安となるだろう。

 ちなみにCPUは,デュアルコアであれば十分で,あとは総じて動作クロックが“効く”印象を受けた。

SimCity
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開発元:Maxis
発売元:エレクトロニック・アーツ
価格:7980円(税込,デラックス版)
発売日:2013/03/07

 4Gamer読者に「SimCity」(邦題 シムシティ)の説明は不要だろう。箱庭ゲームの代名詞たるシリーズの最新作だ。オンラインによるマルチプレイ対応となり,1つのエリアに複数のユーザーが都市を作り,都市と都市とが関係性を持ちながら発展していくというのが醍醐味となっている。

 ゲームエンジンは,デベロッパであるMaxisが開発した「GlassBox」。破綻のない3Dグラフィックス描画はもちろんのこと,街で生活するシム人の1人1人がどのように行動するかまで細かくシミュレーションできるのが,このエンジンの大きな特徴だ。APIはDirectX 9ベースながら,かなり細かなところまで表現するようになっていることから,描画負荷は,従来のSimCityシリーズとは比べものにならないほど高くなっている。

 そんな最新版SimCityをテストするにあたっての基本設定は以下のとおりだ。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Originによる自動アップデート)

セーブデータ:不要

ゲーム設定:設定−グラフィックス

image
  • 画面解像度:テストによる
  • フルスクリーン:チェックを入れる
  • ライティング:最高
  • テクスチャー:高
  • 影:最高
  • ジオメトリー:高
  • アニメーション詳細:高
  • ティルトシフト:増やす
  • アンチエイリアス:テストによる
  • フレームレート上限:オフ
  • 垂直同期:チェックを外す
  • 明るさ:任意
  • フィルター:オフ

ゲーム設定:設定−オーディオ

  • BGM音量:任意
  • SE音量:任意
  • 消音:任意
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アンチエイリアシングを無効化した状態(上)と有効化した状態(下)。アンチエイリアシングの効果はあるが,サンプル数は指定できない

 SimCityにおけるグラフィックス設定は「設定−グラフィックス」に用意されている。そこで,ベンチマークレギュレーション14.0では,最も描画負荷が高くなるよう,各項目を最大限に設定している。ただし,アンチエイリアシング設定の項目「アンチエイリアス」には,チェックボックスのオン/オフしか選択肢がなく,サンプル数の指定が行えない。また,無効化時と有効化時で画面を見比べてみると,2xマルチサンプルかFXAA程度のかかり具合のような印象も受ける。つまり,レギュレーションで「高負荷設定」とする4xマルチサンプルアンチエイリアシングを適用できないのだ。

 付け加えると,異方性フィルタリングに関する設定もない。そこでSimCityでは,高負荷設定の代わりに,「アンチエイリアス」のチェックを入れ,さらにグラフィックスドライバのコントロールパネルから16x異方性フィルタリングを強制適用した「AA&AF有効化設定」を用いることにした。「標準設定」はレギュレーションの規定どおりだが,高負荷設定は用いないので,この点は注意してほしい。

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入門ガイドをプレイ中の様子

 さて,テスト方法だが,SimCityにはベンチマークモードが用意されていない。なので実際のゲームシーン用いることになるが,オンラインゲームであるがゆえに,毎回同じ街を用意することは事実上不可能だ。  そこで,「同一条件でテストする」目的のため,今回はチュートリアルとなる「入門ガイド」を利用することにした。入門ガイドでは,ユーザーが画面の指示に従ってスクロールさせたり,道路を敷設したりと,実際にゲーム中と同じ操作を行う必要があるものの,毎回同じシークエンスが実行されるため,ほぼ同じ条件でテストを繰り返し行えるからだ。

 テストにあたっては「ユーザーが操作する」という不確実性を考慮し,Frapsによる計測時間を2分と長めに設定。入門ガイドの実行後,実際にゲームが始まったら,そこから2分間,画面の指示に従って操作するというのを2回繰り返し,平均値をスコアとして採用する。なお,事前検証において,スコアに大きなブレは見られなかった。

 これらを実行手順としてまとめると,下記のとおりとなる。

実行手順

  • (1)Frapsからベンチマーク計測時間を120秒に設定
  • (2)SimCityを起動
  • (3)グラフィックスや解像度などゲームのオプション設定を行う
  • (4)オプションから「入門ガイド」を選択
  • (5)入門ガイドが始まったらFrapsによる計測をスタート
  • (6)入門ガイドを120秒間進めていく
  • (7)オプションからメインメニューに戻る
  • (8)(3)〜(6)を設定変更しながら繰り返す
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 さて,フレームレートだが,入門ガイドで利用する都市は規模が小さいため,フレームレートは数十万規模の街と比べるとかなり高めに出る。15万人規模の街を実際に操作したときと対照させてみると,入門ガイドで平均45fps以上出ていれば,15万人規模の街でも平均30fpsを確保し,カクつきを最小限に抑えられることが分かった。そこで,平均45fpsをひとまずの合格点としたい。都市がさらに大きくなることを考えると,1つ上のラインは平均60fpsといったところになるはずだ。

 なお,CPUは,動作クロックとL3キャッシュ容量が同じ場合,デュアルコアCPUだとクアッドコアCPUと比べてフレームレートが1割弱低下する現象を確認できた。万全を期したいのであればクアッドコアCPUを用意したほうだいいだろう。

F1 2012
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開発元:Codemasters
発売元:Codemasters
発売元:イーフロンティア
価格:8000円(税込)
発売日:2012/10/04

 タイトル名が“そのまま”なので,あらためて説明するまでもないだろうが,「F1 2012」は「FIA Formula One World Championship」(2012 FIA フォーミュラ1世界選手権)の公式ゲームだ。2009年以降はCodemastersが公式データを毎年刷新しながらリリースし続けており,本作は2013年5月時点における最新版である。レギュレーション11〜12世代では,同じCodemastersの「DiRT 3」を利用してきたが,それに代わる“クルマ関連タイトル”ということになる。

 ……と紹介してみたが,実のところ,F1 2012が採用するゲームエンジンは,DiRT 3と同じく,Codemasters独自の「EGO Game Technology Engine」(俗称,EGOエンジン)で変わらず。なので,ゲームタイトルは刷新されたが,全体的なベンチマークテスト傾向は,実のところDiRT 3からそれほど変わらなかったりする。

 それどころか,夜間のラリークロスなど,派手な見栄えのゲームシーンが用意されていたDiRT 3と比べると,舞台がサーキットに限定されるF1 2012では,グラフィックスオプションが簡素化されている。具体的には「NIGHT LIGHTING」や「WATER」「POST PROCESS」「AMBIENT OCCLUSION」といったところが省略されている。

 一方,ドライバ自身の描画オプションである「DRIVERS」という設定項目が追加されたほか,サーキットは見通しがよく,また車両数も多いこともあって,「DISTANT VEHICLES」が「Ultra」まで拡張されている点はトピックとして挙げられるが,全体的に,描画負荷はDiRT 3と比べて下がっていると述べていい。

 テストにあたってのグラフィックス設定は以下のとおり。DiRT 3と同じく,ゲーム側に公式ベンチマークツールが用意されるため,ユーザー側でセーブデータを用意したりする必要はない。

ゲーム設定

バージョン:最新版(Steamによる自動アップデート)

セーブ&リプレイデータ:不要

ゲーム設定:MY F1−GRAPHICS OPTIONS

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  • RESOLUTION:テストによる
  • REFRESH RATE:任意(※デフォルトは60Hz)
  • MULTISAMPLING:テストによる
  • VSYNC:OFF
  • ASPECT RATIO:NORMAL
  • GAMMA:任意

ゲーム設定:MY F1−GRAPHICS OPTIONS−DETAIL

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  • CHOOSE PRESET:ULTRA(※選択しても「ULTRA」とは表示されない。ここで選択すると,詳細設定が下記のとおり指定される)
  • SHADOWS:ULTRA
  • PARTICLES:HIGH
  • CROWD:HIGH
  • DRIVERS:ULTRA
  • DISANT VEHICLES:ULTRA
  • OBJECTS:ULTRA
  • TREES:ULTRA
  • VEHICLES REFLECTIONS:ULTRA
  • SKIDMARKS:ON
  • CLOTH:HIGH

ゲーム設定:MY F1−AUDIO OPTIONS

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  • EFFECTS:任意
  • VEHICLE:任意
  • MUSIC:任意
  • REPLAY MUSIC:任意
  • SPEECH:任意
  • ENGINEER VERBOITY:ALL
  • PUSH TO TALK ENABLED:NO
  • DIABLE VOICE COMMS:NO

 ゲーム画面解像度を変更する「RESOLUTION」と,アンチエイリアシング関連の指定を行う「MULTISAMPLING」は,設定内容を反映するのに,一度[ESC]キーを押して確認ダイアログを表示させ,[OK]→[YES]と選ぶ必要がある。このあたりの操作性は,DiRT 3(どころかレギュレーション10以前の「Colin McRae: DiRT 2」)の頃から変わっていない。

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「GRAPHICS OPTIONS」の一番下に,ベンチマークテスト実行用ボタンが用意されている

 なお,4Gamerのベンチマークレギュレーションでは,「高負荷設定」で16x異方性フィルタリングを適用するが,F1 2012のグラフィックスオプションにテクスチャフィルタリングに関する項目は用意されていないため,これはグラフィックスドライバ側で適用することになる。

 というわけで,テストの手順は以下のとおりだ。

実行手順

  • (1)F1 2012を起動
  • (2)「MY F1」にある「GRAPHICS」を設定
  • (3)[ESC]キーを押すと「WARNING」ダイアログが表示されるので[OK],さらに[CONFIRM CHANGES]ダイアログに対しては[YES]を選ぶ
  • (4)「MY F1」の「GRAPHICS」から「RUN BENCHMARK TEST...」を選択すると,「BENCHMARK MODE」ダイアログが表示されるので,「YES」を選択して公式ベンチマークツールを実行
  • (5)ベンチマーク終了後に表示される「Average FPS」を記録する
  • (6)(4)〜(5)を再実行。2回のうち高い方のスコアを採用する
  • (7)(2)以降を解像度などを変更しながら繰り返す
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テスト中の様子

 F1 2012のゲーム本編では天候の変化が要素として組み込まれているのだが,公式ベンチマークツールだと常に晴天となるようだ。ただ,AIによって制御される競技車両の動きは毎回異なり,スコアにも若干の変動がある。またこの変動は,「一定のスコアを軸に上下する」というわけでもなかったので,スコアは平均化するのではなく,2回計測して高いほうを採用することにした次第だ。まあ要するに,このあたりもDiRT 3と同じである。

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テストが終わると画面に平均および最低フレームレート(など)が表示される

 序盤でも触れたように,見通しのよいサーキットであることに加え,周辺の景色にも大きな変動はないため,スコアはDiRT 3と比べると高めに出る。ただ,プレイアブルかどうかの指針が平均30fps,ハイエンドGPUなら同60fpsが合格ラインとなる点は変わらないので,総じて,エントリークラスのGPUやグラフィックス機能により優しくなったといえるかもしれない。

 なお,マルチスレッド処理に対応したEGOエンジンはCPUのコア数に応じてベンチマークスコアが変動しやすいという特徴を持っており,それはF1 2012でも当てはまる。そのため,デュアルコアCPUだとスコアは低めに出るようになっており,十分な性能を得るには,クアッドコアCPU以上が必要だ。ただし,CPUがスコアを左右しやすくなるのは,ハイエンド寄りのGPUを組み合わせたときに限られる。

 4Gamerのベンチマーク測定において重要なツールである,Frapsについてここで説明しておきたい。

 

Frapsのメインウィンドウ

 Frapsは,DirectX/OpenGLで動作するアプリケーション向けのキャプチャーソフトだ。フルバージョンは29.95ドルするシェアウェアで,4Gamerではボリュームライセンスを取得して利用しているが,開発元であるbeepaのWebサイトからダウンロードできる無料の体験版でもフレームレートの計測は行える。

 インストールしたら,フレームレートの計測前にFrapsを起動。メインウィンドウが起動するので,「FPS」タブを選び,「Stop Benchmark automatically after」直後にある入力ボックスに,秒単位で数値を入力する。例えばレギュレーション6.0準拠でCall of Duty 4のベンチマークテストを行うなら,「60」と入力すればいい。
 続いて「MinMaxAvg」にチェックを入れ,最少/最大/平均フレームレートがログに書き出されるようにしておく。

 

 フレームレート計測を実行するには,まず,Frapsを最小化して,その状態で計測対象のゲームを起動する。すると,画面の隅に黄色の数値が表示されるはずだが,それがリアルタイムで計測されるフレームレートだ。あとはリプレイを再生し,適切なタイミングでフレームレート計測開始のホットキー(標準では[F11]だが,FPSタブの「Benchmarking Hotkey」で変更可能)を実行すればいい。  ベンチマーク計測中はリアルタイムのフレームレート表示が消え,設定した時間が経過すると計測が終了して,再びフレームレートが表示されるようになる。なお,ログファイルはFrapsをインストールしたフォルダ以下,「\benchmarks」の中に保存されるようになっており,上書きされることはない。

 

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 掲載されているテスト方法は誤りを含んでいる場合があり,予告なく修正されることがあります。また,公開しているリプレイデータは,4Gamer.netの読者が実際にベンチマークテストを行うに当たっての利便性を図るためだけに提供されるものですが,出典を明示し,かつ4Gamer.netへのリンクを明示的に張る場合に限り,商用/非商用媒体で利用できるものとします。ただし,このファイルを利用することによって,万が一OS,あるいはPC本体やその周辺機器などといったハードウェアに不具合が生じても,4Gamer.net編集部,著者,およびAetas株式会社は一切その責任を負いません。

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