インテルの代表取締役共同社長の吉田和正氏は,デュアルコアからマルチコア,そしてメニィコアへとCPUが変わっていく端緒となる今こそ,新しいアーキテクチャのプロモーションが必要と指摘する
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Intelの日本法人であるインテルは,2か月に一度の開催となる報道関係者向け説明会
「インテル クライアント・レギュラー・アップデート」の4回めを開催した。デスクトップPCやノートPCに関連した情報の,文字どおりアップデートが行われる同説明会。今回は,「いかにして,Core 2 Duoを拡販していくか」という,マーケティング的な話が中心だったのだが,それでもゲーマーにとって興味深い話はいくつか出てきた。今回は,それらについてまとめてみたいと思う。
さて,今回の説明会で最も注目すべきなのは何かというと,それは
別記事で紹介している,
Core 2 Duo/Extremeを利用したベンチマークコンテストになるだろう。コンテストの内容や参加方法,プレゼント,勝ち抜くためのヒントなどは同記事に詳しいので,ぜひチェックしてみてほしい。
Core 2 Duo/Extremeベンチマークコンテストの概要を説明するスライド
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というわけで,本稿では概要の紹介に留めるが,ベンチマークコンテストの参加資格は,Core 2 Duo/Extreme搭載PCを利用すること。それ以外に制約のない,マニア向けの「アドバンスクラス」と,手動オーバークロック設定不可という,一般のPCユーザーでも参加しやすい「スタンダードクラス」が用意されており,両クラスの最優秀者には,2006年内の正式発表が予定されているクアッドコアCPU「Kentsfield」(開発コードネーム)の10万円分購入券がプレゼントされる。
このほか,クアッドコア対応マザーボードやメインメモリ,4Gamer提供のジョイスティック&マウスなども贈られるので,Core 2 Duo/Extremeを購入した,あるいはこれから購入する予定のある人は,参加してみるといいだろう。
■デュアルコアCPUのパフォーマンスを訴求する
■「インテル パフォーマンス・ダッシュボード」
IPDが動作しているところ。タコメーターの下に並んでいる3個のボタンは,緑がビデオ再生,黄がサウンドエンコード,赤がZIP圧縮のスタートボタンだ。左上のウィンドウでは,再生中のビデオの様子を確認できる
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またインテルは,同社が国内で開発したというパフォーマンスチェックツール
「インテル パフォーマンス・ダッシュボード」(以下IPD)を発表した。
インテルのマーケティング本部長,阿部剛士氏は,量販店から「デュアルコアCPU(≒Core 2 Duo)のメリットを簡単に伝えられるツール」の要望があったと説明する。IPDは,この要望に応えるために開発されたもので,エンドユーザーに説明を行う必要のある,量販店やPCメーカーに配布される。PCメーカーがバンドルする可能性はゼロでないが,基本的に,エンドユーザーへ直接配布されることはないという。
ちなみにIPDでは,「ビデオデータを再生しつつ,背後でサウンドデータのエンコードとZIP圧縮を行う」ことで,CPUパフォーマンスを見る仕組み。処理中のCPU負荷やビデオ再生の滑らかさは,インジケータやウィンドウで視覚的に分かるようになっている。データはいくつか用意されており,組み合わせパターン(≒CPU負荷率)は量販店やPCメーカー側で選択可能とのことだ。
それぞれCore 2 Duo T5600/1.83GHzおよびCeleron M 430/1.73GHzで,CPU以外まったく同じ構成のノートPCを2台並べて,IPDからパフォーマンスをチェックするデモを阿部氏は行ってみせた。いずれの写真も左がCore 2 Duoだ。左の写真では,8Mbps,解像度1920×1080ドットのムービーを再生しているところで,2個あるタコメータの間にあるCPU負荷グラフが100%になり,しかも再生はコマ送りになっているのに対し,Core 2 Duoでは余裕の再生,CPU負荷も低いのが分かる。右の写真は,この状態でエンコード&圧縮を開始したところだが,Core 2 Duoでは三つの処理をきちんと分散できているのに対し,Celeron Mではできていないのが分かる
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正直なところ,4Gamerのハードウェアレビューを読んでくれている人にIPDは不要だろう。ただ,これからPCを購入するような人だと,店頭でスペックを見てもよく分からないはず。見て分かるのがデザインと価格だけ,ということになると,十数万円(以上)するCore 2 Duo搭載PCではなく,数万円で購入できるCeleronシリーズ搭載製品を購入するかもしれない。
「Core 2 Duoの300mmウェハが届いた」とのことで,阿部氏に持ってもらった
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最初はWebブラウズとメールにしか使わないからそれでも問題ないが,その後,ゲームや動画のエンコードをしたいなどと思い,そのときになって初めて,自分のPCのパフォーマンスが低すぎることに気づく……。最近でもこうした人は少なくないだけに,PCの購入時という“一番最初”で,そのPCを買ったときに,そのPCで何ができそうか,何となくでも分かるというのは,初心者には有益だろう。
残念ながら,現時点ではゲームパフォーマンスまでは分からないが,「量販店から,ViivやCentrinoなど,プラットフォームに関するパフォーマンス評価の指針を求める声が出てくれば,今後IPDを拡張していく可能性がある」(阿部氏)とのこと。Viivつながりで,ゲームパフォーマンスの期待値も分かるようになることを,ぜひ期待したい。(佐々山薫郁)