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  • 発表日:2006/07/27
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印刷2006/06/23 18:19

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Intel,「FeliCaケータイでゲーム課金決済」の可能性を提示

 Intelの日本法人であるインテルは,都内で報道関係者向け説明会「クライアント・レギュラー・アップデート」を開催した。隔月開催となっている同イベントは,今回で3回め。今回は,Intelの家庭(≒リビングルーム)向けプラットフォーム「Intel Viivテクノロジ」(以下Viiv)を中心とした現状の報告が主に行われた。今回も,4Gamer読者にとって看過できない部分をまとめてみたいと思う。

阿部剛士氏
 さて,いきなり要点から入ると,IntelはPCから利用できるオンライン決済システムの構築に,かなり本気だ。2006年4月に,(ソニーの開発した非接触ICカード技術「FeliCa」を採用する)プリペイド型電子マネー「Edy」を展開するビットワレットに50億円を投資。そのビットワレットに加えて,Microsoftとも協力して,PCから行う電子商取引時の利便性や安全性を高める「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」を立ち上げている。
 今回のクライアント・レギュラー・アップデートは,これを踏まえてのものだったのだが,インテルのマーケティング本部長 阿部剛士氏は「FeliCaを利用した,安全なサービスや,コンテンツビジネスの広がりを期待したい」とコメント。同氏は続けて,「FeliCaを利用した商取引量を現在の倍に」「(機能を内蔵するか外付けするかはともかく)FeliCa ReadyのPCの出荷量を,現在の3倍に」「FeliCaを利用できるサービスの数を,現在の倍に」それぞれするという,1年後の到達目標を掲げてみせた。

スマートデジタルライフ推進プロジェクトの概要を説明するスライド。サービス/コンテンツホルダーとの連携を目指す


Felicaケータイを認証しているところ
 また,会場では,FeliCa対応携帯電話,いわゆる“FeliCaケータイ”(あるいは“おサイフケータイ”)からEdyで購入したコンテンツの試聴権利を行使して,高解像度のムービーをPC上で楽しむというデモが行われた。これは,コンテンツ試聴の権利情報を持つFeliCaケータイを認証キー的に用いて,PCからアクセスしたサイトのロックを解除し,PC用コンテンツを楽しむというもの。まだ多分に技術デモ的な色彩が強いが,少なくとも,Felicaケータイをキーにできるところまでは進捗している,というわけだ。

あるコンテンツを試聴する権利を購入した携帯電話をFeliCaで認証(左,中央)。するとPCから同じコンテンツを高解像度で楽しめる(右)というデモ


 阿部氏の述べた1年以内の目標が実現すると仮定した場合に,俄然気になってくるのは,この決済システムに“乗ってくる”ゲームデベロッパ/パブリッシャがあるかどうかだ。FeliCaケータイで決済ができるようになり,多くのPCが標準でFeliCaに対応してくれば,ゲームによって決済手段が異なるという問題が回避されることになっていくはず。クレジットカード情報が漏洩する危険性も,少なくとも現状よりは下がるだろう。

フェイスの開発した,コンテンツ試聴権利情報の認証技術について説明するスライド
 このあたりの可能性について,FeliCa周りの推進を担当している,インテル コンテンツビジネス開発部の永井 寿氏に聞いてみたところ,話せるものはまだないとのことだった。
 だが,PCと携帯電話が連携する部分のシステムには,フェイスが協力しているという事実がある。インテルは「着メロの技術でよく知られた」と説明していたが,4Gamer読者からすると,それ以上に「『ローズオンライン』のパブリッシャとして知られた」あのフェイスだ。その意味において,今後の動向には注意を払っておくべきだろう。
 ちなみに,インテルのマーケティング本部長である江田麻季子氏が,FeliCa(Edy)決済をViivテクノロジーと密接に結びつけて展開していくと話していたことは,付記しておきたい。

 最後になるが,今回のクライアント・レギュラー・アップデートでは,2006年後半,かなり早い時期に,バージョン1.5となるViivを提供する旨も説明された。バージョン1.5では,リビングにあるViiv対応PCから,ほかの部屋にあるデジタルメディアアダプタに対して,データを転送できるようになるとのことだ。(佐々山薫郁)

左:実際に,1台のPCでストリーミングコンテンツを楽しみながら,別のデジタルメディアアダプタに対してデータを転送し,そちらでも別のストリーミングコンテンツを楽しむというデモンストレーションが行われた
右:Viivのバージョン1.5では,家庭内のネットワーク環境を視覚的に確認できるツールが用意されるという。これはそのデモンストレーションの様子だが,複数のネットワーク機器でつながった環境だと,意外に便利かも


正確を期すと,投資を行った主体はIntelの投資部門であるIntel Capital。Intelが直接投資したわけではない。


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