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[G★2006#77]NCsoftの新作MMORPG「Aion:The Tower of Eternity」,その開発状況は?
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印刷2006/11/13 03:29

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[G★2006#77]NCsoftの新作MMORPG「Aion:The Tower of Eternity」,その開発状況は?

 E3 2006でプレイアブル出展されていた,NCsoftの新作MMORPG「Aion: The Tower of Eternity」(以下,Aion)。同社の次期主力MMORPGと目されている本作だが,このところ,ぱったりと情報が途絶えてしまっていた。
 今回のG★2006では,再びプレイアブルな形で出展されていたが,その内容は,キャラクターの顔テクスチャ以外はE3 2006のときとまったく同じで,開発状況について不安視する声もある。
 G★会場で,本作の紹介を行ってくれた企画チーム長 Young Chan Ji氏に,そのあたりの疑問をぶつけてきたので,これまで公開されている情報と合わせて,ここであらためて紹介しよう。

■アイオンの世界観

紹介を行ってくれたNCsoft企画チーム長 Young Chan Ji氏
 本作は,互いに争いあう天族と魔族,そしてそれら双方の共通の敵――龍族が繰り広げる終わりなき戦争をテーマとしている。プレイヤーは,天族と魔族のどちらかを選び,自らの誇りと存在をかけて戦うことになるのだ。
 複数の種族/勢力とのPvP/RvRがメインとなっているMMORPGはとくに目新しいものではないが,本作の大きな特徴の一つは“PvPvE”,つまり,相手種族と戦うと同時に,NPC種族である龍族とも戦わなければならないという点だ。
 氏の説明によると,龍族は優勢なほうの種族に対して攻撃的になり,天族と魔族との戦いの最中に割って入って,攻撃を仕掛けて来ることがあるという。人数バランスだけで一方的な展開になってしまいがちなPvPで,劣勢な側に有利に働くNPC種族を置くというこのシステムは,なかなかうまいアイデアだ。

 本作はゾーン制を採用しており,天界,魔界,龍界の三つの世界を行き来するマップ構成になっている。
 天族と魔族のPvPは,この天界と魔界の交わる地点“アビス”で行われる。つまりアビスはRvRゾーンで,街にある,クリスタルのようなポータルを使用して移動するとのことだ。また,街の周辺は一般のフィールドとなっており,ここでもPvPが発生することがあるという。



■飛行能力と密接に結びついた戦闘

 本作のもう一つの特徴は,3D空間を自由に飛行できる点だ。展示されていたデモ機では,まだ空を飛ぶことはできなかったが,演出の一つとして,スタート地点である“空の要塞”から地上へと飛行していくシーンがあった。
 飛行能力は天/魔両方の種族に備わっているが,初めから空を飛べるわけではないようだ。詳しくは答えてもらえなかったが,飛行能力の解禁には,レベルもしくはクエストが必要条件になりそうである。
 また,空に浮かぶダンジョン(?)などもあり,ダンジョンそのものも,飛行能力を生かした立体的な構造になっているとのこと。道に迷ったら溺れて死ぬだけだった,EverQuestの水中ダンジョン“Kedge Keep”のような,完成度の高いスリルあるダンジョンが登場することを期待したい。

 この飛行能力は,単に移動の手段というだけではなく,戦闘にも密接に結びついている。空中から地上の敵を攻撃したり,逆に地上から空中の敵を迎撃したりすることはもちろん,空中に吹き飛ばした敵を,空中にいる味方が地上に叩きつける,といった連携攻撃を行うこともできるという。空中戦が行えるMMORPGはこれまでにもあったが,ここまでのものはそうそうないだろう。もし実現すれば,本作の大きな目玉要素となることは間違いない。

 本作には八つのクラスがあり,デモ機では,“ファイター”“レンジャー”“ウィザード”“プリースト”を選択できた。残る四クラスについては非公開とのことだったので,これについては続報を待ちたい。
 戦闘では,複数のスキルを連続で使用することでコンボをつなげられる。これ自体は目新しいものではないが,突き飛ばし攻撃を受けた敵が尻もちをついたり,光の槍が突き刺さって地面に串刺しになったりと,演出面にも力が入れられている。

 そのほか,敵を攻撃することで蓄積する「DP」(Divine Power)を解放することで,周囲の敵を一掃する強力な攻撃が行えたり,天候によって戦闘に影響が出たりと,一つ一つはオリジナルとはいえないものの,単調になりがちな戦闘を楽しませてくれそうな要素が多く盛り込まれている。



■シネマチックな演出と変化していく世界

 「ファイナルファンタジーXI」は,MMORPGにストーリー性と,ムービーによる“見るだけ”のイベントシーンを大々的に取り入れて成功したが,本作でも,ストーリーの節目に,ムービーによるイベントシーンが挿入される。
 プレイヤー自身の操作が及ばないところで物語が進行する演出には賛否あるが,こうした演出は国産の(とくにコンシューマゲーム機用の)シングルプレイRPGではデファクトスタンダードであり,プレイに明確な目標を与えてくれるという点では,むしろ歓迎するプレイヤーも多くいるのではないだろうか。

 本作では,プレイヤー達の行動によって,少しずつ世界に変化がもたらされる。
 今回展示されていたデモ機では,岩が動いて空中に新たな道ができるシーンや,要塞を襲ってきた敵モンスターの族長との対決シーンといった節目で,ムービーイベントが効果的に使われていた。そして,族長を倒したあかつきには,それまでは荒野だった世界が,緑あふれる世界へと変化していた。
 こうした一連のミッションは,プレイヤーの選択次第でいくつかに分岐していくとのことなので,それぞれのサーバーによって,異なる世界が見られるようになるのだろう。



 画期的とまではいえないまでも,魅力的なシステムを数多く備え,CryEngineによる美しいグラフィックスにも目を引かれる本作だが,5月に行われたE3の時点から,ほとんど開発状況に進展が見られなかった。そこで,氏に開発状況について率直に疑問をぶつけて見たところ,12月からは“フレンド&ファミリーテスト”を実施するという話が聞けた。
 これは身内だけを招いたクローズドテストで,一般からテスターを公募するクローズドβテストの前段階に当たるという。このテストが順調に終われば,いずれは一般プレイヤーの目に触れる機会が訪れるはずだ。NCsoftの行く末を大きく左右するだろう本作の今後を,注意深く見守っていきたい。(ginger)

  • 関連タイトル:

    The Tower of AION

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