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ズー,日本語版「Frontlines: Fuel of War」PC版の発売を発表
2008年前半の注目タイトルが日本語版になってリリース
Xbox LIVEのマーケットプレースで英語版のシングルプレイデモが公開され,80万件以上のダウンロードを記録したり,また世界規模でPC版のマルチプレイテストが行われていたりと,このところ急に注目度を上げてきた感じのあるFrontlinesは,2008年のTHQのイチ押しタイトルだ。デベロッパはTHQの内部スタジオで,ニューヨークのマンハッタンに本拠を置くKaos Studios。本作が同社初のタイトルとなるが,ここはもともと「Desert Combat」(2003年)を制作したTrauma Studiosの主要メンバーが設立したデベロッパなので,実力/経験に問題はない。
ちなみに,Desert Combatとは「Battlefield 1942」の最もよく知られたMODの一つで,第二次世界大戦モノのBF1942が,最新鋭の戦車や戦闘機が登場する現代戦にガラッと変わってしまうというものだ。Trauma Studiosは2004年にDigital Illusions(現 EA DICE)に買収され,翌2005年に発売された「Battlefield 2」の制作に大きく貢献したとされている。だが,Digital Illusionsは2006年にTrauma Studiosを閉鎖する(公式サイトは更新されないまま残っている)。これが,主要メンバーの退社によるものかどうかは分からないが,それによってTrauma Studiosから発売が予定されていたBF2のMOD,「Desert Conflict」はキャンセルされてしまった(プロジェクトそのものは有志に引き継がれているようだ)。
……というような流れだったので,我々を含めた世間の皆さんは,Frontlinesのことを「Battlefieldシリーズの流れを汲む,大人数マルチプレイ専用のFPS」だとばかり思っていたのである。いやまあ,それはその通りでマルチプレイもやっぱり面白そうなのだが,実はシングルプレイにも相当力の入ったタイトルだったのだ。
背景となるのは,環境破壊が進み,経済は不況で,おまけに石油資源がほぼ枯渇してしまったというあまりシャレにならない近未来の地球。国際社会は旧NATO加盟国を中心とするWestern Coalition(日本語版では「連合軍」)および,ロシアと中国を中心とするRed Star Alliance(レッドスター同盟)に分かれ,カスピ海沿岸部に残るわずかな石油を巡って激しい戦いに突入しているのだ。「Battlefield 2142」の氷河期といい,今回の資源が枯渇した社会といい,FPSに登場する未来は割とお先まっ暗っぽい。
かくしてシングルプレイでは,プレイヤーは連合軍のエリート部隊“Stray Dogs”(ストレイドッグス)の隊員としてレッドスター同盟相手に壮絶な戦闘を繰り広げ,マルチプレイでは,連合軍,レッドスター同盟の兵士最大64人が入り乱れて戦うことになるのである。
意外にもかなり作り込まれたシングルプレイ
マルチプレでは兵科だけでなく,後述するロール(役割)を選べる点がユニークなのだが,シングルプレイではそういう選択はなく,特殊部隊ストレイドッグスの一兵士としてゲームを進めていく。使用できる武器は固定で,通常,敵の落とした武器を回収することもできないが,「拾える状態」にある武器は敵のものでも使用可能だ。
戦闘は,敵味方の小部隊が入り乱れる近接戦闘がメインだが,味方の兵士に命令を下すというタクティカルな要素はなく,味方の援護にはあんまり期待できないようだ。ストーリー上重要なキャラクターもうっかりすると撃ち倒されてしまうが,次のミッションでは何事もなかったように元気に出てくるとのことで,そのへん,なかなか大らか。
さて,ときどきいなくなっちゃう味方兵士に代わって頼りになるのが,用意された近未来兵器の数々だ。Frontlinesといえばドローンと謳われるように(謳われていないが),ドローンと呼ばれる遠隔操作のラジコン兵器がユニークきわまりない。戦車に突入して自爆するものや,空からロケット弾を撃ちまくるもの,機関銃を撃ちまくるものなど,見ようによってはゲーム中最強で,マルチプレイで敵にこれを使われると腹立たしいったらありゃしないのである。設置型のセントリーガンも凶悪だよ。
これまで何度かお伝えしたように,マルチプレイにおける本作のゲームシステムは,タイトル通りFrontlines,すなわち「最前線」を意識したものになっている。基本は拠点制圧なのだが,必要な数の拠点を制圧すると最前線が奥に移動し,次の目標である拠点が登場してくるシステムなのだ。Battlefieldシリーズではマップ上の各拠点の制圧の順番は問われないため,さまざまな戦略が考えられる代わりに,マップに広く兵士が分散し,参加人数によっては敵の姿がちっとも見えないなんてことも起きてしまう。Frontlinesで戦闘の対象となるのは,常に1〜3か所程度の拠点だけなので,参加プレイヤーが自然に集中するという仕掛けだ。
シングルプレイでもその流れは同じであり,プレイヤーはストーリーラインに沿ってあるときは目標を破壊し,あるときは敵の情報端末をハッキングし,あるときは機械のスイッチを押して拠点を次々に制圧していくことになる。やるべきことをやらないと最前線が移動しないので,あらかじめ奥の拠点から制圧しとくかな,なんてことはできないが,一つの前線に複数の目標がある場合,それをどの順番でクリアしていくかはプレイヤー次第だ。拠点制圧によって新しい武器が使えるようになる場合もあるので,その順番によって難度は大いに変わってくるとのこと。あそこに敵の戦車ががんばっているので,あらかじめあっちを陥落させてドローンを手に入れて……といったパズル的な戦略要素があるわけだ。
というわけで,てっきりマルチにがっちり軸足を置いたタイトルだと思っていた我々(私だけかもしれないが)の意表を突く作り込みが嬉しいシングルプレイなのである。
兵科とロールによるバリエーション豊富な戦い
選べる兵科はアサルトや狙撃手などおなじみの6種類だが,これとは別にロールと呼ばれる4種類の選択肢が用意されている。ロールとはそれぞれの特技みたいなもので,「兵器の修理ができる」「空爆を要請できる」といった内容だ。というわけで,兵士のバリエーションは単純計算で24パターン。しかも,それぞれのロールにはレベルがあり,戦闘によって規定のポイントに達すると,例えばこれまでは小範囲の爆撃しか要請できなかったものが,広い範囲の絨毯爆撃にレベルアップしたりする。
というわけで,上にも書いたが,最大で64人のプレイヤーによる対戦が可能(Xbox 360版は最大で32人。ウフフ)であり,また外見だけでは分からない多彩な能力をもった兵士によるさまざまな戦術が楽しめるうえ,60種類以上の近未来兵器や搭乗兵器が戦場を彩るという,かなり派手めなマルチプレイになりそうなこのFrontlines。あんまり書いちゃうと,いざリリースされたときに書くことがなくなって私が困るのでこのへんにするが,シングルプレイ好きもマルチプレイ好きも期待できる一本と言えるだろう。しかも,テキストだけでなく音声も日本語。さらには日本語専用のサーバーも用意される予定になっているので,「洋ゲーだからなあ……」という理屈はもう通らないぞ,そこのキミ!
発売日に関しては未定だが,ズーとしては「Xbox 360版とそう違わないタイミングで出したい」ということなので,あと2か月ほどの待機期間となる。ぜひお楽しみに。
- 関連タイトル:
フロントライン:フュエル・オブ・ウォー日本語版
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