スイスの冷却デバイスメーカーであるArctic Coolingは,「GeForce GTX 285/280/260」に対応した2スロット仕様のGPUクーラー,
「Accelero XTREME GTX 280」を世界市場に向けて発表した。現時点で国内代理店からのアナウンスはないが,Arctic Coolingによる想定売価は54.95ドル(または42.95ユーロ)となっている。
Accelero XTREME GTX 280。250Wクラスの発熱まで対応できるという
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GeForce GTX 285/280/260をサポートしたクーラーというのは,液冷用の水枕くらいしか記憶にないので,空冷仕様の製品としては,おそらくAccelero XTREME GTX 280が初めてではないだろうか。
製品パッケージ
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本体サイズは287(W)×104(D)×54(H)mmで,カード長が約267mm(※突起部除く)のGeForce GTX 285/280/260搭載グラフィックスカードを,ほぼ完全に覆って,しかも20mmほど“はみ出る”大きさだ。「グラフィックスカードを取り付けるのがやっと」というPCケースだと,奥行きが足りず,取り付けられない場合もあると思われ,この点は注意が必要だろう。
なお,高さは2スロット仕様に収まっており,NVIDIA SLI構成との互換性は確保されているとのこと。
GPUクーラーの構造を示したカット。GPUとの接触面には,標準でArctic Cooling製冷却グリス「MX-2」が塗布されている
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本体は,GPUパッケージとの接触面となる銅製ブロックを5本の銅製ヒートパイプが貫通し,銅製ブロックの“左右”に一つずつ設けられた放熱フィンブロックへ伸びる仕様。また,公開されている写真によれば,銅製ブロックからも放熱フィンが“生えている”ので,放熱フィンブロックは計三つということになりそうだ。
フィンブロックへと運ばれた熱は,搭載する92mm角ファン×3で冷却される仕掛け。GeForce GTX 280リファレンスカードのGPUクーラーと比較して,GPU温度を最高で31℃低く運用できるという。
GeForce GTX 280リファレンスカードのGPUクーラーと,冷却能力および動作音を比較したグラフ(※データシートより)
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また,Arctic Coolingは,動作音を「周波数1kHz,40dBの音の大きさを1として,それより何倍大きな音に感じられるかを示す値」である「Sone」で示しているが,同社によると,GeForce GTX 280リファレンスカードだと低回転時に2.5Sone,高回転時に5.0Sone。これに対して,回転数1000〜2000rpmの間をPWM制御されるAccelero XTREME GTX 280の場合,高回転数時に0.5Soneで運用可能とされている。
その冷却能力と静かさに定評のあるArctic Cooling製品ということもあり,GeForce GTX 285/280/260シリーズのユーザーにとっては,まさに待望のGPUクーラーといえるかもしれない。早いタイミングでの国内発売を期待したいところだ。
●Accelero XTREME GTX 280の主なスペック
- サイズ:287(W)×104(D)×54(H)mm
- 重量:680g
- ファイ仕様:92mm角×3個
- ファン回転数:1000〜2000rpm(※PWM制御)
- ファン軸受:FDB(Fluid Dynamic Bearing,流体軸受)
- エアフロー:81CFM
- 最大冷却能力:250W
- 動作音:最大0.5Sone
- 想定売価:54.95ドル/42.95ユーロ
Accelero XTREME GTX 280:
http://www.arctic-cooling.com/vga2.php?idx=202