プレイレポート
“ドルアーガシリーズの生みの親”遠藤雅伸氏監修のマップがついに登場!MMORPG「ドルアーガの塔」大型アップデート「キシュア」先行レポート
遠藤氏は,2010年初頭から,ドルアーガMMOにスーパーバイザーという立場で携わっている。自ら手がけてきた“ドルアーガシリーズ”──往年の名作ゲーム「ドルアーガの塔」シリーズと,テレビアニメ「ドルアーガの塔 〜the Aegis of URUK〜」「ドルアーガの塔 〜the Sword of URUK〜」で構成される──に沿った内容となるよう,ドルアーガMMOを“再構築”している最中だ。
今回4Gamerでは,その成果の第1弾となるキシュアの内容に触れる機会を得たのでレポートしよう。
「ドルアーガの塔〜the Recovery of BABYLIM〜」公式サイト
異なるレベル帯のプレイヤーの交流を活発に。集落とフィールドを内包する新マップ「キシュア」
すなわち,一つのマップ内に,プレイヤーが休息できる街/村と,モンスターを狩るフィールドが共存しているのだ。これまで本タイトルでは,街/村一つ,フィールド一つが,おのおの一つのマップで構成されており,それぞれを行き来するためには必ずエリアチェンジを行う必要があったわけだが,キシュアでは戦闘と休憩/補給をシームレスに行えるというわけだ。そのため,キシュア全体の広さは,既存マップの平均に比べ1.5倍に及んでいる。
「迷いの森」側から進むと,橋を渡って集落に入ることとなる |
集落の出入口には門番が立っており,モンスターを追い返してくれる |
また,キシュアの対象レベル帯も独特だ。迷いの森から進入する西〜南側にはレベル20台,集落を挟んで嵐の渓谷に繋がる東側にはレベル60台のモンスターが配置されている。そして,ラマンの神殿に続く北側は険しい山道となっており,現時点で最強クラスとなるレベル70台のモンスターが出現する。今回のアップデートでプレイヤーのレベルキャップが73まで開放されるので,キシュア北部はベテランプレイヤーの集う狩場となることだろう。
キシュアでは,その特性上,レベル20台のプレイヤーとレベル60〜70台のプレイヤーが混在することになる。その狙いは,異なるレベル帯のプレイヤーの交流を活性化させることや,離れたマップ間の移動をショートカットできるようにすることだという。キシュアを経由することで,迷いの森近辺と嵐の渓谷近辺のマップの相互移動がスムースになるというわけだ。
「嵐の渓谷」側には,レベル60台のモンスターが配置されている |
集落の北側にある山道には,レベル70台のモンスターが出現する。なお,この道は現在のところ行き止まりとなっている |
キシュアの集落は,ラマン神に仕える人々が暮らす静かな森林の村で,これまで登場したバビリムやナラクとは異なる文化を持っている。そのため当初は,“よそ者”であるプレイヤーに対して最高クラスであるレベル70以上の防具を販売してくれない。
そこでプレイヤーはまず,集落の長から信頼を得るために,彼から請け負ったクエストを遂行する。信頼を得られればほかの住人からもクエストが請け負えるようになり,それらを順番にクリアしていけば,やがてレベル70以上の防具が購入可能となる仕組みだ。
なおレベル70以上の武器は,モンスターからドロップした素材をもとに生産することで入手できるという。
集落の防具ショップ。やはり,よそ者はあまり歓迎されていないようだ |
住人の信頼を得るために,まずは村長から請け負ったクエストをクリアしよう |
また,メインダンジョンである「ドルアーガの塔」の35階と36階が開放される。これまでとは趣向の異なる新たなエニグマがプレイヤーを待ち受けているので,ぜひ実際に挑戦してみよう。
ドルアーガの塔35階 |
ドルアーガの塔36階。狭い通路が特徴的だが……? |
ドルアーガMMOは,ゲームとアニメを含めたシリーズ全体の流れの中で再構築
取材当日,遠藤氏と,ロッソインデックスで本タイトルのプロデューサーを務める大槻林太郎氏から,今回のアップデートについて話を聞くことができたので,以下に掲載しよう。
遠藤さんの監修するコンテンツが,今回のアップデートでいよいよゲームに実装されますね。新マップであるキシュアの特徴を教えてください。
遠藤雅伸氏(以下,遠藤氏):
ようやく,まともなゲームデザインに基づいて作られたマップが登場します(笑)。これまでは,バビリムから放射状にマップが配置されていましたが,今回,それぞれを線で繋ぎました。これまでの一本道的な繋がりではなく,マップ同士が平面で広がっていきます。
それと,せっかくMMORPGなんですから,いろんなレベルの人達が一か所に集えるようにしたいという狙いもありました。これによって,街中がガヤガヤした状況になり,活性化していくんじゃないでしょうか。
4Gamer:
キシュアでとくに注目してほしいポイントはどんなところですか?
とにかく「便利なものにしたい」ということを考えてデザインしました。僕自身がプレイしていて,「このへんに,こんなものがあれば便利なのに」と思うものを実現したというのが本音です(笑)。
大槻林太郎氏(以下,大槻氏):
実は当初,遠藤さんには,主にゲームの世界観の部分を監修していただこうと考えていました。でも遠藤さんは非常に熱心なプレイヤーでもあり,「このマップとこのマップが繋がると便利になる」といった,ゲームデザイン面でのアドバイスまでしてもらえたんです。それならば,ぜひ全面的に監修していただこうという話になりました。
遠藤氏:
一部に心配している人もいるようですが,シリーズの世界観を崩さないように作業を進めています。後付けにはなってしまいますが,「実はあのとき,こうなっていた」というように,シリーズ全体の流れの中できちんと説明できる内容になっているんです。
とくに今回のキシュアは,前々から「なぜ,ないんだろう」と思っていた内容を含むマップに仕上がっていると思います。
4Gamer:
今後実装される新規マップは,キシュアと同じような構造になるんですか?
大槻氏:
はい。すでに次のマップの企画にとりかかっていますが,同様のコンセプトで進めています。
遠藤氏:
やはり,こことここが繋がると便利になるという部分や,アニメ版で重要な拠点となっていたのに,MMORPG版ではポコッと抜けている部分を念頭に置いて企画しています。
4Gamer:
ということは,アニメ版も含めてシリーズ全体に詳しい人なら,内容が予想できるかもしれませんね。
遠藤氏:
ええ,ある程度は。
これまでもアニメ版との連動は意識してきましたが,キシュア以降のマップは見た目にもかなり分かりやすくなります。
遠藤氏:
MMORPG版の舞台は,アニメ版の約80年前という設定です。アニメ版で昔話として語られていた部分が,MMORPG版では現実に起きているんですね。この次の次くらいのマップでは,アニメの第二期に初めて出てきた言葉などもMMORPG版に登場するはずです。
4Gamer:
それでは,キシュアを含めて今後のアップデートに期待しているドルアーガMMOのプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
遠藤氏:
弓は出ません! これは力強くいっておきます(笑)。
ともあれ,僕は「こんな感じ」「こんなのがほしい」と,妄想を爆発させて最初にラフスケッチを描いたんです。今回登場するキシュアの集落の真ん中には「ラマン神の槍」が突き刺さっているんですが,なぜ神々が戦ったのか,なぜ槍が空から降ってきたのかという部分は,まだ明らかにはなっていません。今後の展開を期待させる,いい雰囲気に仕上がったと思います。
大槻氏:
私達は,遠藤さんの頭の中にあるものを皆さんにお届けしています。歴史のあるシリーズですから,世界観に期待していただくのはもちろんですが,それにあわせてゲームの内容も大きく変化していきます。今後の展開にぜひ期待してください。
4Gamer:
ありがとうございました。
遠藤氏の監修により,このアップデートを皮切りに大きく変化し始めるドルアーガMMO。8月以降には,1体のボスモンスターを100名以上のプレイヤーで討伐する「大魔導の結界」が登場予定となっている。
このコンテンツでは,ボスモンスターを討伐するまでに一度でも攻撃をヒットさせたり,あるいはほかのプレイヤーの体力を回復したりといった,いわゆる“ヘイト”を上昇させる行動を取ったプレイヤー全員に報酬が与えられる予定だ。そしてさらに,討伐への貢献度が高かった上位のプレイヤーに対し,追加報酬が与えられるようになるという。
このボスモンスターのデザインは,本作のイメージイラストを手がけた白亜右月氏が担当しているので,楽しみに待とう。
「ドルアーガの塔〜the Recovery of BABYLIM〜」公式サイト
- 関連タイトル:
ドルアーガの塔〜the Phantom of GILGAMESH〜
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