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[GDC07#14]“本命”不在のデベロッパーズチョイス・アワード,PCゲーム&日本勢の結果は?
会場となったのは,GDCが行われているモスコーニ・センターのSouthホール。……といってもピンと来ないと思うが,このホールには“Esplanade”という,数千人は入っちゃうんじゃないかと思われる実に巨大なホールがあり,そこがほぼ満席という大観衆の中,賑やかに,そして派手に進行していった。
さて,今回のノミネート作品を眺めると,PCゲームは4Gamerではお馴染みの「The Elder Scrolls IV: Oblivion」,家庭用ゲーム機の日本勢はWiiの「Wii Sports」,そしてPlayStation 2の「大神(OKAMI)」がそれぞれ4部門でノミネートしているくらいで,全体的にばらけている印象。前回(2006年開催,つまり2005年分)は「Shadow of the Colossus」(邦題 ワンダと巨像)と「God of War」(邦題 ゴッド・オブ・ウォー)がそれぞれ6部門にノミネートされ,結果Shadow of the Colossusが五冠に輝いたことを考えると,今回(2006年分)は,大物不在の感は正直否めない。
この状況の中で,Best Game(大賞)の最有力候補とされていたのは,Xbox 360タイトルである「Gears of War」だ。Unreal Engine 3を採用したタイトルとして,4Gamer読者にも知っている人は多いだろう。本命といえば確かに本命だが,ノミネートは3部門にとどまっており,前回のShadow of the Colossusと比べると,やや小ぶりの印象を受ける。
……とまぁ,ちょっぴり地味めのラインナップだったが,そこで目立っていたのが,一人の日本人,任天堂の宮本茂氏である。もはや押しも押されぬ世界的クリエイターである宮本氏は,現地時間の3月8日にEsplanadeホールでKeynote(基調講演)を行うことになっている。これまた大勢の観客(聴衆者)を呼ぶのは確実だろうと目されているのだが,その前日のDCアワードでもEsplanadeホールを大いに沸かせていた。いかに沸かせていたのかは,彼の受賞内容と共に,後述することにしよう。
ここで,4Gamerとしては忘れちゃいけない,PCゲームに話題を移そうと思うのだが,前述のThe Elder Scrolls IV: Oblivionが4部門にノミネートしているくらいで,あとは「Company of Heroes」(邦題 カンパニー オブ ヒーローズ)がやっとこさ2部門にノミネート。そして,……じらしていても仕方がないのでズバリ結果を書いてしまうと,どちらも1部門すら受賞できなかった。実に残念である。
ではPCゲームは無冠かというと,まぁ確かにゲームだけで見れば無冠なのだが,「Titan Quest」(邦題 タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版)を制作したIron Lore EntertainmentがNew Studio賞(つまりは新人賞)を獲得しているので,なんとか2年連続の全敗(?)は免れたといっていいのではないだろうか。
さて,気持ちを切り替えて,主な結果を順に紹介していこう。
■Best Game of 2006:「Gears of War」
下馬評どおり,Gears of Warが受賞。同作は,Technology賞およびVisual Arts賞も受賞しており,ノミネート部門はすべて制したことになる。
一応簡単に紹介しておくと,Gears of Warは,SFの世界観を採用した三人称視点のアクションゲーム。Xbox 360で最も売れたタイトル&最も早く100万本を達成したタイトルとして知られており,4Gamerとしては,「早くPCに移植してくれよ」という賛辞(?)を送っておこう。
■Lifetime Achievement賞:宮本茂氏
なお余談だが,DCアワードの合間合間には,ゲームキャラクターのコスプレをしたコメディアンが,そのキャラクターの行動をまねて,街ゆく人を驚かせる(困らせる?)という映像が流されていた。その最後の映像に出てきたのが,マリオ&ルイージの兄弟。この二人が,またもや誰かを驚かせようと走っていくと,その先でしかめっ面をして立っている人が……そう,宮本氏その人だったのだ。観客達は大いにウケた,というのは言うまでもないだろう。
■First Penguin賞:Alexey Pajitnov氏
名前から分かるとおりロシア生まれのクリエイターで,一時期はMicrosoftでゲーム開発を行っていた……なんてクドクドと書くより,「テトリスの生みの親」と言えば,それだけで受賞理由が分かるだろう。
テトリスがプレイできないゲームプラットフォームを探すほうが難しい状況で,誕生から20年以上経った2006年(テトリスがゲームとして世に出たのは1985年)に,ニンテンドーDS用ソフト「テトリスDS」が大ヒットしたのは記憶に新しい。
この人がいなければ,“落ちゲー”と言われるジャンルそのものが存在していたのか(あるいはこのタイプのゲームがあったにせよ,一ジャンルを築くほどの人気になっていたのか)は怪しいだろう。
今回の表彰結果は,ページの下にまとめておく。来年こそは,ここにPCゲームのタイトル名がずらりと並ぶことを,4Gamerとしては期待したい。(Iwahama)
■Innovation賞
「Line Rider」[Bostjan Cadez]
「OKAMI」(邦題 大神(OKAMI)),[Clover Studio/Capcom Entertainment]
「Wii Sports」[Nintendo]
■New Studio賞
Iron Lore Entertainment
次点:Gastronaut Studios,Naked Sky Entertainment,Ready at Dawn Studios,Wadjed Eye Games
■Writing賞
「The Legend of Zelda: Twilight Princess」(邦題 ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス)[Nintendo]
次点:「Bully」「Dreamfall: The Longest Journey」「Sam & Max Episode 1: Culture Shock」「The Elder Scrolls IV: Oblivion」
■Game Design賞
「Wii Sports」[Nintendo]
次点:「Bully」「OKAMI」「The Elder Scrolls IV: Oblivion」「Viva Pinata」
■Maverick賞
Greg Costikyan氏
■Audio賞
「Guitar Hero II」[Harmonix Music Systems/RedOctane]
次点:「Company of Heroes」「DEFCON: Everybody Dies」「Lara Croft Tomb Raider: Legend」「LocoRoco」
■Character Design賞
「OKAMI」(邦題 大神(OKAMI)),[Clover Studio/Capcom Entertainment]
次点:「Final Fantasy XII」「LocoRoco」「Rayman Raving Rabbids」「Viva Pinata」
■First Penguin賞
Alexey Pajitnov氏
■Technology賞
「Gears of War」[Epic Games/Microsoft Game Studios]
次点:「Company of Heroes」「Dead Rising」「Rockstar Games presents Table Tennis」「Wii Sports」
■Visual Arts賞
「Gears of War」[Epic Games/Microsoft Game Studios]
次点:「Final Fantasy XII」「OKAMI」「The Elder Scrolls IV: Oblivion」「Viva Pinata」
■Community Contribution賞
George "The Fatman" Sanger氏
■Lifetime Achievement賞
宮本茂氏
■Best Game賞
「Gears of War」[Epic Games/Microsoft Game Studios]
次点:「OKAMI」「The Elder Scrolls IV: Oblivion」「The Legend of Zelda: Twilight Princess」「Wii Sports」
- 関連タイトル:
Gears of War
- 関連タイトル:
The Elder Scrolls IV: Oblivion
- 関連タイトル:
カンパニー オブ ヒーローズ
- 関連タイトル:
タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版
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