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[TGS 2006#02]「フライト シミュレータ X」と「AoE III」拡張パックの日本語版,手堅く進行中
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印刷2006/09/23 00:22

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[TGS 2006#02]「フライト シミュレータ X」と「AoE III」拡張パックの日本語版,手堅く進行中

 マイクロソフトのXbox 360ブースは,我々PCゲーマーにとってもかなり気になる場所と言っていい。それはもちろんカスミちゃんの危ない水着がもう気になって気になって……違う! E3(Electronic Entertaiment Expo)2006でアメリカのMicrosoftが豪快にぶち上げた「Live Anywhere」構想により,Xbox 360とPC(およびモバイル)でプラットフォームフリーに遊べるタイトルが増えているはずだからだ。つまり,Xbox 360用タイトルとして出展されてはいるが,同時期,あるいは数か月程度の遅れをもって,PC版として登場するタイトルとも考えられるという寸法だ。
 これまで明らかになっているだけでも,Remedy Entertainmentの「Alan Wake」やUbisoft Entertainmentの「Brothers in Arms: Hell's Highway」,Eidos Interactiveの「Just Cause」など,PCゲームファン期待のタイトルが結構あったりする。もっとも,アメリカと日本の,とくにXbox 360に関する状況は,まあ,言うまでもなくかなり違うので,この東京ゲームショウ 2006でどのような展示があるか(あるいは,ないか)については期待と不安が半々,というのが正直な気持ちなのであります。
 で,その結果といえば……。

 幕張メッセの第3ホールにあるマイクロソフトのブースは,E3やGCなどでもそうだったように,かなり規模の大きなものである。数十台の試遊台が並び,プレイアブル展示の話題作に行列ができ,最新作のプロモーションムービーに人々が集まる。とはいえ,どれもこれも右も左も前も後ろもXbox 360のタイトルばかりで,我々“PCゲーム情報サイト”としてはやや拍子抜けであった。まあ,東京ゲームショウという状況を考えれば仕方のない話だが,その中に“Games for Windows”のこじんまりとした看板の下,二つばかりタイトルが堂々と展示されていたので,お伝えするしかない。負け惜しみではないが,どちらもかなり注目のタイトルなので,心するように。しなくてもいいけど。



■マイクロソフト フライト シミュレータ X 日本語版

 タイトルロゴを見て気づかない人はいないと思うが,これは世界中の民間航空フライトシマー期待の「マイクロソフト フライト シミュレータ X」(FSX)の日本語版である。この展示が一台のPCと,GCでも見かけた半球状スクリーンを使って行われていたのである。ただ,スクリーンのサイズが一回り小さいような気もしたので,ドイツで使われたものと同じですかと聞いたところ,違うとのお答え。やはり日本向きに小さくなっていたのだ。
 日本語版なので表示はもちろんすべて日本語になっており,FSXで強化されたフィーチャーである「ミッション」の説明も目的も分かりすぎるほど分かってしまうのが嬉しい。また,音声部分には有名な声優を起用し,耳にも心地よいのである。
 さらに面白いのがATC(Air Traffic Control)の音声だ。本物のATCは世界中どこでも英語で行われるため,基本的に英語のままでいいのだが,日本版の制作に当たったマイクロソフトは,「本物の日本人管制官や日本人パイロット」の音声を収録したのである。前作「マイクロソフト フライト シミュレータ 2002 翼の創世紀」での,ATCの音声が“流暢過ぎ”てかえって本物ぽくないという微妙にディープな不満に対し,いかにも日本人が話す英語音声をわざわざ収録して,よりディープに応えたわけである。
 実際に聞いてみると,なるほど「ジス イズ マイク タンゴ フォー。リクエスト アプローチ」と,文字で書くと全然分かってもらえないような気がするものの,見事に日本人の英語。これなら,うるさ方の多いフラシムファンも満足するんじゃないか,と。また,現役(あるいは元)管制官/パイロットであるため,音声収録の際,「実際の管制業務でこんな言い方はしない」といった意見も数多く出されたのことで,それゆえテクニカルタームの正確さはきわめて高い。
 裏話になるが,その管制官の年齢によって使う言葉に若干の違いがあり,そのあたりまで再現されているという。むろんこれは日本人が日本語版のみで味わえる面白さであり,フラシムの命であるリアリティは抜群だ。分かる人には分かるのでございます。



 すでに,日本のメーカー数社とも共同でアドオンソフトの開発が始まっており,本編発売から時をおかずにデータ集なども発売される見込みだ。また,ハードメーカであるThrustmaster(スラストマスター)からは「FSX推奨ジョイスティック」が登場する予定になっている。マイクロソフトが「サイドワインダー」ブランドのジョイスティック発売をやめて久しく,フラシムビギナーがどのジョイスティック製品を買っていいのか分からない状態が続いていただけに,これも興味深い。
 発売予定は相変わらず「この冬」で進展がないが,日本語版制作の進捗度は80%ぐらいとのことである。

左:半球状スクリーンはドイツの時よりも一回り小さいとのこと 右:PCゲームの話ばかりしつこく聞きたがる我々に辛抱強く説明してくれたマイクロソフト パーソナルシステム事業部 ホーム&リテール製品部 プロダクトマネージャの津田郁絵さん


■Age of Empire: The War Chiefs(日本語版)

 もう一本は,こちらも日本語版の強く期待される「Age of Empire: War Chiefs」だ。人気RTSシリーズの最新作「エイジ オブ エンパイア III」の拡張パック第一弾である。こちらも順調に日本語化が進んでいるようで,展示されていたバージョンは,遊んでみた限り,すべてのテキストが日本語なのでちゃんと読めた。英語版でなあなあにしていたミッションの目的などもよく分かり,自分が強くなったような気さえするから不思議だ。
 日本語版ならではの特典などについては「今のところ考えていない」(マイクロソフト広報)とのことだったが,発売後のイベントなどについては前向きに検討中とのこと。
 本作については,明日9月23日の取材で,デベロッパであるEnsenble Studiosの担当者に対するインタビューを掲載する予定なので,お楽しみに。

 全体に,まあ当然ながらXbox 360色の濃いマイクロソフトのブースではあるが,冒頭にも書いたように「Live Anywhere」構想に基づく数多くのタイトルが準備されているのは事実。マイクロソフトの担当者によると,諸般の事情で,TGS 2006直前に展示中止が決まったタイトルの中には,実はかなりの期待作も含まれていたとのこと。これらの新情報は来週,バルセロナで開催されるMicrosoftのイベントの際に公になるとの話もあり,TGS 2006とは別に,何か新しい「PCゲーム」に関する情報を入手次第お知らせしようかな。いや,絶対にしますって。(松本隆一)


  • 関連タイトル:

    マイクロソフト フライト シミュレータ X

  • 関連タイトル:

    マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ

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