ニュース
[GDC06#14]GDC06会場にあった,トンデモデバイス3点
■触感デバイス「Novint Falcon」
ブースで展示されていたのは,画面に表示されているボール状のオブジェクトを,Novint Falconを使ってなぞると,ボールに貼られたテクスチャにあわせて,ツルツルしていたり,デコボコしていたりする感覚が指に伝わってくる,というデモ。実際に触ってみたときの“リアルさ”を文字でお伝えするのは不可能に近いが,重さ,寸法,テクスチャの状態,振動/衝撃(≒フォースフィードバック)といったものが,まさに「手に取るように」分かった。
Novint Technologiesでは,この技術をゲームに生かすべく,ソフトウェアの開発を進めているという。例えば,バスケットボールゲームでボールの重さであるとか,RPGなどで剣を振り下ろして,相手に刺さったときの感覚なども,やろうと思えば再現できるはずで,同社はサードパーティ(この場合はデベロッパ)の積極的な参加を呼びかけていた。
なお,同社では2007年中に何らかの形で市場へ参入し,100ドル以下で販売したいとのことだった。この規模の製品を本当に100ドル以下で販売できるのかについては少々疑問が残るが。
■3Dマウス「Sandio 6DOF 3D Mouse」
一見,少しボタン配置が変わっているマウスといった趣だが,Sandio 6DOF 3D Mouseはその製品名どおり,3D入力に対応する。一般的なマウスでは,X軸(横方向の移動)とY軸(縦方向の移動)しか認識しないが,Sandio 6DOF 3D Mouseはこれに加えて,Z軸(奥行き方向の移動),Pitch軸(上下旋回),Yaw軸(左右旋回),Roll軸(左右への傾き)も認識するようになっているという。まさに6DOF(6 Degrees of Freedom,6軸自由度)というわけである。
写真をよく見ると,スクロールホイールとは別に,メインボタンの間にボタンがあると分かるが,実はこれはアナログスティック風に操作できる。そして,同じものが左右側面にも用意され,3D入力はこれら3本の“アナログスティック風ボタン”で実現される。
あくまでデモ機のバインド(=割り当て)と断って説明すると,向かって左側(親指で操作するところ)のスティック風ボタンを前に倒せば前に進み,後ろに倒せば後退。向かって右側のスティック風ボタンは,前に倒すと左への移動,後ろに倒すと右への移動,といった具合に関連づけられていた。同社のブースでは「Unreal Tournament 2004」をプレイできるようになっていたのだが,このマウスを利用すれば片手でFPSを操作できるというわけ。使いやすいかどうかは別として,マウス一つでFPSをプレイできるというのは,なかなか衝撃的といえる。
「もちろん,標準の5ボタンマウスとして利用することもでき,光学センサーの解像度は800/1600/2000dpiで変更できる」と話す開発者によれば,ドライバによって,どんなゲームアプリケーションにも対応可能とのこと。また,Sandio Technologyが提供するSDK(ソフトウェア開発キット)「Sandio 3D Mouse SDK」を使って開発したゲームなら,さらに込み入った操作も可能になるということだった。
さて,これをどういった形で新しいゲームプレイとして結実させられるだろうか。
■Xboxから制御できる「SeXbox」
最後に,いろいろ問題があるので写真掲載は控えるが,「こんなモノもGDCに出てきてましたよ」ということで,「SeXbox」というデバイスの名前を挙げておこう。
IGDA(International Game Developers Association,国際ゲーム開発者協会)で発足した「Sex in Games SIG」(SIG:Special Interest Group,研究会)のメンバーでもある,Kyle Machulis(カイル・マチュリス)氏の作と聞くと,権威があるのやらないのやら……。
ちなみにこのSeXboxという名前,Xbox(とXboxのコントローラ)から動作を制御できる,フォースフィードバック機能付きコントローラであるいうことから付けられた「仮称」。別に箱(box)ではなく,スティック状だった……という説明から,どいうシロモノかは想像していただきたい。(奥谷海人)
- この記事のURL: