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韓国でOBTが始まった「風流工作所」レポート,
今回は,開発元のCyniksoftからスタッフも来日しており,Service DirectorのLee,Suk Hyun氏とChief Operating OfficerのPark,Shin Wook氏らに話を聞きながら最新版を見せてもらった。
前回は,日本から韓国サーバーに接続していたので,ラグがひどく,リアルタイム性を要求される戦闘部分などが極端に難しくなっていたのだが,今回は,クライアントPCの隣に置かれたノートPC上でサーバープログラムが動いていた。もちろん,ラグに悩まされることはなく,本来の状態でテストプレイができた。
さて,前回のテストと比較してみると,機能的な面での追加というのはさほど多くないようだが,基本部分の完成度が上がってきているように思われる。戦闘などでのクイックタイマーイベント表示部分がかなりコンパクトになり,若干テンポもよくなっている。
オープンβテストでの追加点を見ていこう。
前回は外枠だけ作ってあった共同住宅(アパート?)だが,今回は中身も少しだけ用意されている。壁紙が変更され,基本的な家具が用意されていた。そのほかの家具類など小物はこれから追加ということになるらしい。
風流工作所では,誰でも共同住宅に部屋を一つもらえる。共同住宅とは,数人の部屋がまとまって配置された空間で,自動的に隣近所の皆さんとのお付き合いが始まるというシステムでもある。部屋なんかいらないという人もいるかもしれないが,この部屋は倉庫を兼ねており,アイテムの保存などに使用できるので使用頻度は高くなるはずだ。
また,まだ実装されていないものの,個人住宅というものも用意される。これは,住宅専用エリア用のフィールドマップ上に家を建てられるもので,NPCと会話して飛ばされるインスタンスゾーンだった共同住宅とは違って,フィールド上に常設されている住宅となる。
この,「専用エリア」というのはどんなものかというと,実はかなり広大なものとなっている。マップを見せてもらうと,街のエリアの周囲がすべて住宅用となっており,関東の地図を見せられて東京都以外は全部住宅用エリアだといわれるのに近い雰囲気の領域が,住宅用に使用されるのだ。街に近い便利のよい地区やとくに眺めのよい地区は,課金対象として考えられているという。
プレイヤー同士でさまざまなアイテムを売り買いするための売買掲示板システムが,Web上からも操作できるようになっている。ゲームを立ち上げていないときでもアイテムの売買が可能だ。
アイテムの種類ごとに分けて検索などはもちろんだが,売買が成立すると,その値の動きをグラフで示してくれるのだ。ちょうど株価(どっちかというと先物取引?)っぽい雰囲気で,相場の状態がひと目で分かるように表示される。
■今後導入されるシステム
今回の新要素というのは上記くらいだが,引き続きマップ追加などが2か月後に予定されているという。今後搭載されるというシステムについて少し解説しておこう。
まず,注目度No.1のパートナーシステムだ。
●パートナー
パートナーとはなにか? 絵を見ると分かるように,見た目はきわめて人間ぽいものが多いのだが,旧文明が生み出した人形(やはりロボットか)のようなものだという。プレイヤーと一緒に狩りをしたり,荷物持ちとしてインベントリの拡大用途に使用できる。
重要なのは,これが成長していくということだ。パートナーの成長は,機能の追加と拡張に分けられる。経験を積んでいくと,プレイヤーの代わりに露店を出してくれたり,採集に行ってくれたりといった作業が可能になる。どのような機能が増えていくかは,育て方次第。きちんと育てないとパートナーは成長しないという。
さらにパートナーの成長は,機能の内容にも反映される。例えば,露店で売ることのできるアイテム数がだんだん増えていったりという感じだ。
なお,家にパートナー用の格納庫のようなものを導入することで,複数のパートナーを使い分けることも可能だが(一度に使えるのは1台),2台め以降の所有は課金アイテムが必要となる模様。
2種族の中間地帯のマップなどが追加され,いよいよ分離されていた2種族が出会うことになる。この中間地帯は,21世紀に滅んだ世界をテーマとしているという。環境問題など,このゲームの中核となるクエストが展開されていく地域でもある。
新マップのムービーを見る限り,21世紀の世界というのはあまり感じられないのだが,あるいは廃墟化した21世紀の街なども出てくるのかもしれない。かねてより,倒れたエッフェル塔のようなものがかすかに見えるイメージ画などが公開されていたのだが,このエリアのイメージなのだろうか。
●CvC
風流工作所に出てくる2種族での戦いがCvC(Civility versus Civility)だ。現在はそれぞれの種族は分離されているのだが,今後中間地点となるマップが用意されることで行き来が可能になってくる。そして,資源の豊富なマップの所有権をめぐって戦いが行われることになる。資源問題は,このゲームのテーマの一つでもある。
●トレジャーシステム
「トレジャー」というのが少し分かりづらいのだが,これは要するに「Age of Empires」の塔のようなもので,味方をパワーアップさせてくれるシンボルだという。CvCでの対戦マップ内にいくつか建てることができる。
塔は,そのマップで採集できる特殊な素材を集めて作ることになる。塔ができあがると,CvCで有利な戦いができることになる。
面白いのは,この塔を建てることで,戦闘以外の活動で間接的に種族戦に参加できるということだ。つまり,生産のスキルや採集のスキルでも種族に貢献することもできるということである。
韓国ではオープンβテストも始まり,いよいよ正式サービスへと近づいている本作だが,内容的には,残りのシステムの導入が行われる半年後くらいが完成時期と思われる。
日本でもこのゲームに関心を持っているところが何社かあるようで,コンタクトが取られているようだ。これまでのゲームと少し毛色が違うという意味では面白い位置付けの作品となるだろう。パートナーシステムや個人住宅などは,日本でも人気の出そうなコンテンツである。
戦闘などは一長一短かもしれない。いくら敵を倒しても,的確に反応してスキルを使わないとアイテムが手に入らないという点は,マクロやチートツール対策には有効そうである。これはなかなかユニークなシステムであり,クリックしていくだけの戦闘とは一線を画しているのは確かなのだが,その分,1回あたりの戦闘が煩雑になり気味なので,ばったばったと敵を倒していくような爽快感を求める人には向いていないだろう。そのあたりのバランスと,実際にやり込んだときの評価が気になるところだ。
日本展開をはじめ,引き続き今後の情報に注目しておきたい。(aueki)
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