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[G★2005#019]タイムスリップを題材にしたMMORPG「Time・N・Tales」
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印刷2005/11/12 03:37

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[G★2005#019]タイムスリップを題材にしたMMORPG「Time・N・Tales」

 G★ 2005に合わせる形でGravityから大々的に発表されていたのが,タイムスリップという独特の題材をテーマにしたMMORPG「Time・N・Tales」(タイム&テールズ。以下,TNT)である。本作は,最大で5〜6人のパーティを操作して戦略的なリアルタイム戦闘を楽しめるという,RTS風味のインタフェース/ゲームシステムを搭載する珍しい作品。イベント二日目となる2005年11月11日に,Gravityの新作発表会にて,同タイトルの開発者への質疑応答が行われた。
 また,そのほかに展示ブースでも,開発を担当したスタッフにいろいろ話を聞けた。今回の記事では,発表会とブースで聞いた話,その両方を合わせてお届けしたいと思う。



本作の開発を手がけるKim,Tae Gon氏。韓国では有名な業界の顔だ
 さて,まずは軽く以前の記事のおさらいとなるのだが,本作は,韓国のゲームメーカーであるNDoors社が開発を手がける新作オンラインゲーム。「巨商伝」や「君主オンライン」といったMMORPGを手がけたKim,Tae Gon氏が制作を指揮しているタイトルで,Gravityがパブリッシング権を取得している。
 前述したように,タイムスリップというちょっと変わった題材をテーマにしているのが本作の大きな特徴。プレイヤーは,過去の時代に遡って冒険を繰り広げ,キャラクターを成長させながら用意されたストーリーを進めていくことになる。
 タイムスリップをテーマにしているということで,本作のストーリーには,歴史的な人物が登場してくる点がユニークな要素。また展開されるストーリーも各国の歴史をテーマにした内容になっており,エピソード1は韓国,エピソード2は日本,エピソード3はイギリスが,それぞれ題材として予定されているという。
 また本作で展開されるストーリー(大規模クエストといった方が正確だが)は,上述のエピソードごとに比較的独立した内容になっているらしく,作品全体としての連続したストーリーラインはもちろんあるが,どちらかというとオムニバス形式でシナリオが用意されるとのことであった。
 本作についてはさらに,「DRTRPG」(Dramatic Realtime Tactics RPG)というジャンル名を掲げている点も見逃せない部分だ。その点について発表会でプレゼンを行った開発者のKim Tae Gon氏に話を聞くと,「従来の(シングルタイプの)RPGだと,結局は(時間をかけて)すべてのシナリオを踏破していくだけのスタイルだ」として,「本作では各プレイヤーの動向などによって,刻々と状況が変化していくし,それがオンラインゲームの醍醐味でもある。例えば,期間限定のシナリオやダンジョンを多数用意するなど,よりダイナミックに変化していくストーリーを楽しんでもらいたい」と,DRTRPGという言葉の持つ方向性を語ってくれた。
 ちなみに韓国の次に日本のエピソード導入が予定されている点について,Kim氏は「これはマーケティング的な意味合いなど,会社の戦略としての都合が正直大きい。ただそれだけではなく,これまで日本にオンラインゲームを提供してくる過程で構築されてきた,日本企業との良好な関係や"雰囲気"という側面もある」と回答。加えて「開発スタッフには,日本語がペラペラな人間が数人いるほど日本への理解は深い。日本人の誰もが誇れる/親しみを持たれるような人物ということで,坂本龍馬という名が上がってきた」などと,日本への展開に大きな意欲と自信を見せていたのが印象的であった。
 確かに日本の歴史上のヒーローとして坂本龍馬を持ってきている点は,筆者としてもナイスな選択だと感じさせられる。さらにTNTでは,世界各国でサービスインしていくにあたって,それぞれの国のエピソードを追加していくなどといったマーケティング展開を,考えているのだという話であった。
 ただ質疑応答の中で,「歴史とは,どの国の視点の歴史なのか?」などといった,日韓の歴史問題に触れる質問があったのも事実。ただKim氏は至って客観的で,曰く「本作はエンターテインメントなので,あらゆる国の人が親しみを持てるようなヒーローを選んでいきたいと考えている。またそういった部分に十分配慮できるパートナーとして,世界展開に実績を持つGravityを選択しました」とコメント。歴史という題材に若干の不安要素が残る旨を表すとともに,パブリッシャーにGravityを選択した理由として,海外へのネットワークの広さや,アジア展開での実績などといった要素が大きかった点を強調していた。



Gravityブースにて,作品の説明とデモンストレーションを行ってくれた,開発スタッフのKim,minseok氏(右)とLee,dong seok氏(左)
 ゲームシステムについてだが,やはりプレイヤーが最大で5〜6人までのキャラクターを使ってパーティを編成できるという点が大きな特徴だろう。数値が5〜6人と曖昧なのは,まだパーティの人数が確定しているワケではないらしく,適正だろうと思われる数値として5〜6人と現在ではアナウンスしているとのことであった。
 ただ,いずれにせよ,ソロプレイでもパーティ戦さながらの戦略性を楽しめる点が,本作の大きなポイントとなっている模様だ。担当スタッフが行ってくれたデモンストレーションでは,前衛キャラを敵に切り込ませつつ,後方にヒーラーやマジックユーザーを下がらせる様子などを見せてくれた。より上位の敵と戦うときには,このような細かいキャラクター操作が重要なテクニックになってくるのだという。
 また「このようなシステムだと,逆に煩雑に思うユーザーもいるのでは?」という質問に対しては,「もちろん,その点は考慮してあります。オートフォーメーションモードという設定があって,それを使えば手軽に戦闘をこなしていくこともできるんです」などなど,細かい配慮が盛り込まれている点が窺えたのは,筆者としては好印象であった。
 さらに,これは将来的な話ではあるが,バトルサーバーを用意してPvPモードも導入していく予定とのこと。一人のプレイヤーが数人のキャラクターを操作するので,見た目もかなり大迫力のものになるだろうという話であった。
 PvPのメインストリームである大規模な戦いというよりは,むしろ4vs4くらいのチーム戦を指向しているらしく,ゲームデザイナーのLee,Dong seok氏曰く,「もしかしたら対戦モードではゲームシステムも大きく変化させて,StarCraftみたいな内容になるかも」というコメントも。話を聞いている限りだと,本作におけるPvPシステムは,いわゆる攻城戦のような方向性ではなく,StarCraftやWarcraftといったRTSや,あるいはGuild Warsなどのチーム戦ベースの競技系の内容に向かう可能性が高そうな雰囲気である。ともあれ,まだ先の話ということで,このあたりについては素直に続報を待ちたいところだ。

 最後にリリース時期についてだが,韓国国内では現在クローズドβテストが行われており,2005年の年末にオープンβテスト,そして2006年3月くらいには正式サービスへ移行していきたいとのこと。海外展開は,その正式サービス後に動き出すというスケジュールを現在は考えているという。Gravityの新作MMORPGということで,日本国内でも展開される可能性が極めて高い本作だが,実際にプレイできる段階になるのは,もう少し先の話だと考えてよいのかもしれない。(TAITAI)

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