インタビュー
2月12日に正式サービス開始! 「ペーパーマン」キャラボイス声優インタビュー,中村繪里子さん&藤田 咲さん編
中村繪里子さんインタビュー
●設定からデフォルメしてキャラクターを作っていく
4Gamer:
よろしくお願いいたします。
中村さんは,「ファンタジーアース ゼロ」や東京ゲームショウ 2008のステージイベントなど,ゲームポットとの接点は豊富ですね。
TGS 2008は,シークレットゲストだったんですよね。だから,お客さんは誰も知らなかったという(笑)。
4Gamer:
一瞬顔を出すだけかと思いきや,最初から最後まで出ずっぱりでしたね。予期していなかったファンには凄く嬉しい出来事だったと思うんですが,イベント自体はいかがでしたか?
中村さん:
今まで,TGSでいろいろなイベントに出させていただきましたが,一番自由度が高かったですね。準備期間やリハーサルがなかったので不安もあったんですけど,本番はきっちり楽しめました。お客さんもいっぱい来てくださいましたし,共演者の方々とも息があって,若い女の子がいっぱいのウハウハな感じでした。
4Gamer:
ウハウハ(笑)。
さて当日も発表されましたが,今回,ペーパーマンで声の出演をされました。チュートリアルムービー(スルル姫)と,テリシア,それからテリシアの派生系で三つの性格という,合計五つを担当しているんですよね。それぞれを演じた感想を教えてください。
中村さん:
最初にいただいたお話は,スルル姫だけで,あとからテリシアちゃんのお話もいただいたんですが,どうやって演じ分けようか,ちょっと悩みました。でも「自由にやっていい」と言っていただけたんで,「きっと同じフィールドに出ることはないだろうなぁ」なんて思いつつ,甘めの耳で聞いてもらおう! と,開き直ってやってみました。
4Gamer:
確かに違うキャラクターとはいえ,よっぽど声色を変えるなどしないと,同時にフィールドにいたら混同しそうですよね。
中村さん:
もう,ゲームの中にスルルが出てきたらどないしよう……(泣)。
まあ一応,語尾に「ニャン」がつくとテリシア! みたいな簡単な聞き分け方はあるんですけどね(笑)。
4Gamer:
ああ,猫ですもんね。
スルルちゃんも,最初はもっとお転婆で傍若無人な子かと思っていたんですけど,意外にちゃんとお姫様している子だったので,一応違いは出せたかなと。皆さんが甘めの耳で聞いてくださるのであれば,スルルも本格的に参戦したらいいんじゃない? なんて,録り終わった今では思ってます。
4Gamer:
実際,そういう話もないわけじゃなさそうですし……。
ゲームの音声といっても,ペーパーマンのように短いセリフだけというのはあまりないと思うんですが,こういう場合,キャラクターをどのように演じ分けるものなんですか?
中村さん:
私はお芝居の流れみたいなものを掴んで演じるほうが得意で,こういう風に短いフレーズが抜かれているセリフっていうのは,ちょっと苦手なんです。でも,キャラクターの設定を理解して自分の中でデフォルメして作っていくことは心がけていますね。
4Gamer:
デフォルメといいますと?
中村さん:
こういうゲームって,同じセリフでもプレイする人によって出てくる状況が変わりますよね。だから,どこのシチュエーションでもきっちりはまる形って難しいと思うんです。
4Gamer:
確かに。
なので逆に,そういうことにはあえてとらわれず,テリシアちゃんだったら……実はアイドルを目指していて,100回オーディションを受けてダメだったら諦めるって決めてはいるんだけど,すでに99回も落ちていると。そうなるとダンスとか歌はちょっとへたなのかなぁ,じゃあへたくそに歌ってみよう! とか。猫だけど人間っていう微妙なラインが,セリフに助けられて成立しているキャラクターでもあると思うので,あまりベタベタにはならないようにしてみようかなとか。
4Gamer:
セリフそのものや,セリフからイメージされるシチュエーションより,まずはキャラクターそのものをどう作り上げるかを重視するという感じでしょうか。
中村さん:
そうですね。それを踏まえたうえで,やられたときのセリフのパターンも,それぞれ違う状況なんだということを意識して,演じてみました。やり過ぎちゃったり,尺に収まらなかったりもしたんですけど(笑)。
●短いセリフはある種の特殊技能
4Gamer:
実際に演じてみて,ご自身に近いキャラクターはありましたか?
このパターンのようになりたいな,と思ったものはありました。でも使っている声のトーンとしては,本来の自分から一番遠いんですよね。
これは演じ分けっていうよりも,体の筋肉のどこを使うかという問題なんです。喉を広く開けて声をどこらへんに当てるか……みたいな,お芝居とはちょっと違う技術的なものなんですけど。このパターンは,声が高くならないようにと思いながらやっていたんで,難しかったですねぇ。
4Gamer:
このパターンだと,声は低そうなイメージですもんね。
中村さん:
威厳みたいなものも出したいですし。
演じていて新鮮だったのは,セリフはボーイッシュなんですけど,おどおどしている子で,ところどころ自分のことを「私」って言ったり,女の子っぽく「キャー」っていう悲鳴を上げたりするパターンでした。不思議な子だなぁって。テリシアちゃんともまた違う面が出せたかなと。
4Gamer:
これだけのセリフをまとめて録音しているうちに,どれがどのキャラクターだったのか分からなくなったりはしませんか?
中村さん:
しますね(笑)。
あれ? これ,さっき言ったセリフだよね? とか。違うキャラクターで似たようなセリフがあった場合なんかはとくに。
お姉さんっぽい声のレンジでしゃべっていたのに,そのまま「行くわにょ」なんて言ったらおかしいよなぁとか。
4Gamer:
それはそれで可愛いかもしれないですけど,別物になっちゃいますもんね。
中村さん:
そういう意味で,今回はテクニカルなところを試されたなぁって思いました。ほかの方はどうやってるんでしょうね? ゲームの場合はバラバラに録音するんで,いつも気になるんですよ。(藤田)咲ちゃんみたいに,普段からゲームで遊んでいると,こういうときの勘がいいのかなぁとか。
4Gamer:
先ほど,ストーリーの流れを掴むもののほうが得意で,単発のセリフはちょっと苦手と言われてましたが,これらはやっぱり別物なんでしょうか。
中村さん:
着信ボイスなんかもそうですけど,決められた長さで,決まったテンションでバシバシ入れていくっていうのは,お芝居とは違う勘みたいなものが必要な,ある種の特殊技能だと思うんですよ。なので,着信ボイスなんかで経験してきたことが,今回は生かせたんじゃないかと思います。
●「ペーパーマン」のラジオやドラマCDをやってみたい
4Gamer:
こういう収録をしているときって,頭の中には何が浮かんでいるんですか?
中村さん:
私の場合は絵が浮かんでいますね。
もしかしたら,実際に開発されているものとは違う動きだったりするかもしれないですけど,どこを撃たれて,どういう風に倒れて……っていうのはイメージしてます。
4Gamer:
それによって,同じセリフでも違う言い回しになるでしょうし。
例えば,「先に行って」というセリフにしたって,「大丈夫!」っていうテンションのときもあれば,自分を犠牲にして相手を先に行かせるときもあったり,怒っていたり,楽しそうだったりとか,いろいろあるんですよ。そのどれを瞬時に選択すればいいのかっていうのは,毎回戦う部分です。
もちろん指示ももらえますし,じゃあこのパターンでっていうディレクションもあるんですけど,とりあえず思ったときにいろいろとやってみないとダメなんですよ。ずっと同じテンションでやってると,「あれ? 私,引き出しが少ない人って思われてる?」とか余計なことを考えちゃったりするんで。
4Gamer:
それ,収録中に気分が落ち込みませんか?
中村さん:
落ちますねぇ(笑)。
まあ,一発本番ではないので,間違えてもいいやって思うようにはしています。リテイクがあったときに,「え? これしか引き出しはないです」となってしまうのが,一番恥ずかしいことだと思うので。いくつもの引き出しを用意しておいて,開けたやつが間違っていたら,「ゴメンナサイ,こっちでした!」ってすぐに変えればいいと思うんです。場数を踏んでいくごとに,その精度が上がっていけばいいのかなと。
4Gamer:
ハイ次,ハイ次っていう切り替えは,確かに普通のお芝居ではなかなかありませんよね。
中村さん:
だから一つのセリフでも,あらかじめ最低でも5〜6パターンは用意しておくように心がけています。増やしやすいものはもっと増やしておきますし。例えば「泣く」にしても,どういう泣き方をするのかとかだけでなく,「●秒で」という尺が決まっていれば,あまりためないで泣く表現が必要ですし。
4Gamer:
聞けば聞くほど,プロの仕事の奥深さを痛感させられます。
中村さん:
まだまだ理想どおりにはできていないんですけどね(笑)。
ただ……,みんなで一緒に録れたらいいのになっていうのは思います。ペーパーマンの世界に登場するキャラクター同士って,どういうコミュニケーションをとっているんだろう? というのが気になるので。このキャラクターと声優陣のラジオとか,ドラマCDとかがあったら,きっと楽しいだろうなぁって。
4Gamer:
でも,しゃべっていいのは,今回と同じセリフだけだったり。
中村さん:
あ,それは寂しいですね(笑)。
●できることをやれるときにやってみる!
4Gamer:
先ほどから伺っていると,かっちりとした理論を持ちながらお仕事に取り組んでいるようですね。
うーん……。
理論というか,型ってありますよね。その型を身に付けるためには,何をすればいいのかっていうのは,実は凄く分かりやすいことなんです。例えば発声にしても,どこの筋肉を鍛えて,どこを使えば,どういう声を出せて……っていうことに関しては,ちゃんとした決まりごとがあるんですよ。
4Gamer:
誰でも同じようになるというわけではないにしろ,訓練の方法は決まっていると。
中村さん:
でもお芝居の中身の部分って,練習のしようがないことなんですよね。何を磨けば,どうなるのかっていうのが明確ではないんです。だからとにかく,できることをやれるときにやってみる! っていうのが,私の基本的なスタンスなんです。
4Gamer:
最低限の技術+αの,αの部分こそ,天性のものに左右されたりしますし。
中村さん:
歌なんかも一緒だと思うんですよ。こういう発声方法で,こういう声が出せるようになるとか,こういう音を聞き分けられるとかっていうのは,始めた年齢とか取り組み方で差はありますけど,やれば結果はついてくるものですし。でも,一番難しいのは一歩先,その向こう側なんです。
4Gamer:
ではいま,一番難しいと感じているのはどんなことですか?
中村さん:
ゲームにしろアニメーションにしろ,ライトでみんなが楽しめるものが最近の主流ですよね,どろっとしたものよりも。濃いものを薄める作業が私は苦手なんで,それが一番難しいなって思っています。
4Gamer:
薄くするっていうのは,単純に枝葉をそぎ落とすということではなく?
中村さん:
ちょっと違うんですよね。削ればいいというものではなく,表現の核は残しながら,重く濃くならないように薄めていくっていうのが……まだ掴み切れてないので,うまく言葉にできないんですけど。でも,ほかの役者さんを見て「凄いなぁ」と思うことは多いので,そういうところから盗んでいこうかなと。
●中途半端な絶対音感
4Gamer:
先ほど,音を聞き分けるというお話が出ましたが,中村さんは絶対音感をお持ちなんですよね。
中村さん:
楽器の音に限ってしまうので中途半端なんですけどね。
人の声は全然分からないですし,聞こえている音を自分が出せるかというと,またそれもできなかったりで,全然役に立たないんですよ(笑)。
4Gamer:
小さい頃にピアノを習っていたんですか?
そうなんです。でも当時は聴音がさっぱりダメだったんです。
ピアノを辞めたあと,部活でフルートを吹いていた時期があったんですけど,そのときにほかの子が吹いているサックスの音を聞いて,「ドレミで聞こえる!」ってびっくりして。
4Gamer:
ある日突然,脳の回路がつながったんですね。
中村さん:
あれにはびっくりしましたねぇ,本当に突然のことで。
そうそう,一年生だけで集まって練習するときに,チューニングをB(ベー)の音(シ♭)でやるんですけど,「Bで」っていうのが専門用語っぽくてカッコイイもんだから,恥ずかしくて言えなかったんですよね。しかも楽器によって調が違うのも知らなくて,「シ♭でチューニング」なんて言ったら,もの凄いぐちゃぐちゃな音が出てきて。「シ♭って言ってるのに!」って。それで一人一人にシ♭を吹いてもらったら,「それドじゃん,ミじゃん」ってなって。
4Gamer:
まあ,楽器はすべてC(ツェー)管だと思っちゃいますよね。とくにピアノからフルートだと。
中村さん:
そうなんですよ!
でも私の音感は本当に役に立たないんです。相対的に聞こえるわけじゃないんで,「さっきよりも低い」って言われてもさっぱり分からないですし。ミはミの音にしか聞こえなくてファはファの音にしか聞こえないから,ファがミより高い音だっていうのもよく分からないですし。だからコード進行で歌うこともできないですし。
4Gamer:
あれはあれで,また別の能力ですからね。
中村さん:
まあそんな感じで中途半端なんですよ(笑)。
でも,もっと超人的な絶対音感を持っていたら,きっとこの仕事はやれていないと思うんですよね。
4Gamer:
どういうことですか?
中村さん:
たぶん,自分が出す音が凄く気になっちゃうと思うんです。このセリフのあの部分は「ミ」の音で発音しないといけないのに! みたいになって,お芝居どころじゃなくなりそうですから。しかも私のことだから,ちゃんとした音を出せなくて悶々としちゃうんですよ(笑)。
4Gamer:
今ぐらいの絶対音感で,まあちょうど良かったなっていうことですね。
●寝ているときの恥ずかしい話
4Gamer:
なんだかちょっと難しめ(?)の話題が続いてしまったんで,別のお話を聞かせてください。
“布団の中で眠りながら自転車を漕いでいる姿を母親に見られたという”エピソードがあるそうですが,これは実話なんですか?
中村さん:
ありましたねー(笑)。
必死で自転車を漕いでいたら「ワハハハ」って笑われて。
4Gamer:
あ,Wikipediaは正しかったんですね。
中村さん:
寝ているときの恥ずかしい話って多いんですよ。
確か2008年か2007年の初寝言は「ジャンピング土下座!」でしたし。
4Gamer:
え?
大晦日にテレビでK-1をやっていたのを妹と見ながら,私はうたた寝していたんですね。で,試合に勝った選手がインタビューで「あのとき飛び込んだのが勝因でした」みたいなことを話していたのがぼんやり残っていたのと,当時読んでいたマンガの中に,情けない忍者がもの凄い土下座をするシーンがあって,その二つがくっついちゃったと思うんですよ。
4Gamer:
そ,それで「ジャンピング土下座」ですか(笑)。
中村さん:
なんかねぇ……凄く迷惑がられました。妹には。
4Gamer:
どこから突っ込んだらいいのかも分からないですよね,急にそんなことを言われても(笑)。
お仕事で演じた役の夢などは見ませんか?
中村さん:
うーん……。なんというか,ちょっとのぞき見しているような感覚で,演じているキャラクターが出てくることはあるんですが,直接話したりはしないですね。
あ,関係ないんですけど,空を飛ぶ夢はよく見ます。しかもなんか,自転車みたいのを漕いで飛ぶんですよ。必死になって。
4Gamer:
「鳥人間コンテスト」みたいですね……。
中村さん:
でも街中で飛んでしまうので,歩道橋や電線に引っかかっちゃうから,短い距離しか飛べないんですよ。
4Gamer:
それ,スランプのときじゃないですか? 私はもっと飛躍できるはずのに,何かが邪魔してる! っていうジレンマが夢に現れているというか。
中村さん:
うわぁ……悩んでるのかなぁ,私。今度同じような夢を見たら,ちょっと自分自身を省みてみますね。
●コミュニケーションツールとしてのゲームに興味あり
4Gamer:
ところで中村さんは,普段ゲームで遊ぶんですか?
中村さん:
ゲームで遊ぶという習慣が身についていないので,なかなかそういう機会はないんですが,携帯型のゲーム機で少しずつ遊ぶようにはなってきましたね。持ってる者同士が集まって,一緒に遊ぶこともありますし。ゲームと自分が遊ぶのではなく,ゲームを通してほかの人と遊ぶ楽しさみたいなものは,だんだん分かってきました。
4Gamer:
それをさらに拡張すると……。
オンラインゲームなんですよね! 私が初めて遊んだオンラインゲームは,「ファンタジーアース ゼロ」だったんです。最初のうちはレベル1のモンスターも倒せないような状態だったんですけど,ほかの人にいろいろ助けてもらって,人とのつながりを感じました。コミュニケーションツールの一つとしてのゲームは,凄く興味もありますし,楽しいとも思っています。
4Gamer:
多くのゲームは,キャラクターの名前を自分で決められますが,命名するときの基準みたいなものはありますか?
中村さん:
いやぁ,いっつも適当ですね(笑)。
前に遊んだRPGでは,「ぼく」でしたし。
4Gamer:
あ,本当に適当に決めた感じが逆に潔さすら漂わせていますね。
中村さん:
ファンタジーアース ゼロのときは本当に悩みました。だって,その名前でほかの人から呼ばれることになるじゃないですか。ちょっと考えてみても,だいたいはすでに登録されていたりして,ああ大勢が遊んでるゲームなんだなぁって変なところで感心したり。
4Gamer:
これだ! って思ってつけようとした名前がすでに使われていると,ちょっとがっかりしますよね。
中村さん:
縁がなかったというか(笑)。でも確かそのときは夏だったんですけど,母が「もう扇風機でいいじゃない」って扇風機を見ながら適当なことを言ったんで,そこから名付けてみました。そうやって悩んでつけた名前だと,愛着のわきかたが「ぼく」とは違うんですよね。
4Gamer:
では,ペーパーマンでこれから遊ぶとしたら,キャラクターにどんな名前をつけたいですか?
中村さん:
忘れないような名前で,燃えなさそうな。すぐに被弾しなさそうな……,何かいいのないですかね。
凄く強そうで,相手に当たりそうな……。避けるのが上手い……。あっ!
4Gamer:
おっ?
中村さん:
今,一反木綿が浮かびました。
4Gamer:
ああ……。
中村さん:
木綿……木綿……木綿豆腐? ……豆腐? 「とうふー」ちゃんにします!
4Gamer:
すぐ壊れそうですよね。絹ごしよりは堅そうですけど。
中村さん:
ああそうか! もっと強そうな……,超合金的な……。
4Gamer:
ゆっくり考えてください(笑)。
●やっぱり紙が好き
4Gamer:
子どもの頃も,ゲームではあまり遊ばなかったんですか?
中村さん:
ゲーム機がない家庭で育ったんで,お友達の家で遊ばせてもらうぐらいでしたね。でも,やりなれてないから難しいし,お友達と対戦できるやつも絶対に負けるし,負けるのが分かっていたら対戦したくないし……っていう感じでした。
4Gamer:
日常的に触れている人のほうが,上達もしますし。
じゃあ,ゲームはそれほどお好きではなかったんですね。
そうですねぇ。電子機器より紙が好きで,本ばっかり読んでいました。ゲームって,クリアまでの道のりは決まっていますけど,どこまでやりこむかは,自分の腕前やさじ加減みたいな部分がありますよね。私はどちらかというと,小説だったら小説で,最初から最後まで楽しんで,終わり! というのが好きだったんです。
4Gamer:
ある程度,完結した世界で安心して楽しみたいと。
では,電子機器を使わないゲームにも,とくに興味はなかったという感じですか?
中村さん:
ボードゲームやトランプなんかは,よく家族でやってましたよ。ブラックジャックとか。
4Gamer:
これまた,渋いところが(笑)。
中村さん:
あとはトランプだとナポレオンっていうゲームがお気に入りで,週に一度は家族会議をしながらテーブルに集まってました。それと,ダウトとか。ちょっと殺伐とした感じになってましたけど(笑)。
4Gamer:
「嘘を吐いているのはお前だ!」っていうゲームですもんね。
とにかく,基本的に娯楽は紙派だったと。
あ,それがペーパーマンに結実したんですね!
中村さん:
はい! 奇跡のようですね(笑)。
4Gamer:
では,ペーパーマンというゲームの印象はいかがですか?
中村さん:
子供のときの学芸会で,割り箸に絵をはったものでやった人形劇を思い出します。「隠れろ!」って横に90度回転させると正面から見えなくなるっていう。そういうのを電子の世界で体験できるのは,凄く意外なことでした。
4Gamer:
3Dの世界で2Dの紙がこういう形で表現されるのって,一昔前には想像できませんでしたよね。
さて最後に,これからペーパーマンで遊ぼうという人に向けて,メッセージをお願いします。
中村さん:
紙でできたキャラクターをオンラインで自由自在に動かすという,今までにない要素がペーパーマンの魅力だと思います。キャラクターも可愛いですし,いろいろな世界観もあるので,これまでFPSやオンラインゲームにあまり興味のなかった人でも,きっと楽しめると思うので,ぜひ遊んでみてください!
4Gamer:
ありがとうございました。
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