レビュー
【PR】乾電池で動くワイヤレスマウス「DeathAdder V2 X HyperSpeed」を試す。長時間使用できてセンサー性能も良好だ
ゲーマー向けデバイスの老舗であるRazerから,新型の右手用ワイヤレスマウス「Razer DeathAdder V2 X HyperSpeed」(以下,DeathAdder V2 X HyperSpeed)が登場した。人気の高い「DeathAdder」シリーズのラインナップに加わった新製品の特徴とポテンシャルがどのようなものか,見ていきたい。
乾電池駆動のワイヤレスマウス
前述のとおり,本製品はワイヤレスマウスなのだが,製品ボックスにはケーブル類が一切付属していない。というのも,バッテリーを内蔵しておらず,電源は単3形乾電池か単4形乾電池のいずれか1本で済むのが大きな特徴なのだ。
接続方式は,Razer独自の低遅延ワイヤレス技術「Razer HyperSpeed Wireless」(以下,HyperSpeed)か,Bluetoothのどちらかを選べる。
ボディ形状は,既存のDeathAdderシリーズを踏襲したシンプルな右手用レイアウトで,サイズは実測で62(W)
本体重量は,実測で77gと軽めではあるものの,これに単3形乾電池なら約23.5g,単4形乾電池なら約11gが加わるため,実質88〜100gといったところだ。一般的なワイヤレスマウスよりは軽めだが,近年増えている軽量ワイヤレスマウスに比べれば,若干重めだ。
左右メインボタンは,上面部と一体型となっているワンピースタイプだ。人差し指と中指を置くところには,ガイドの役割を果たす窪みが設けられており,ベストポジションに指を自然と置ける。
スクロールホイールの幅は,実測で約8mmだ。ホイール内側の6mm分は,滑り止めの突起付きラバー素材で覆われている。ホイールの1回転は24ノッチとなり,回転の感触は硬くもなく柔らかくもなくといった感じだ。筆者の感覚ではあるが,パッと操作したいときでも的確に入力できる印象である。
また,左メインボタンの左脇には,「クイックアクセスエッジボタン」が前後方向に配置されている。これまでのDeathAdderシリーズでは,スクロールホイール手前にあったDPI切り替え用ボタンが,こちらに移動した形だ。クイックアクセスというだけあって,スクロールホイール手前よりも,人差し指で素早く押下できる。後述のボタン割り当て機能を使って,ゲーム中に咄嗟に発動したいスキルなどを割り当てておくと便利だ。
左側面は,シリーズ従来製品と同様に大きく窪んでおり,上面寄りの位置にサイドボタンが2つ前後に並んでいる。サイドボタンの形状は,奥側が長さ20mmで幅8mm,手前側は長さ22mmで幅9mmとやや大きい。このサイドボタンは本体から約1〜2mmほど突き出ているため,指先でしっかりと操作できる。。
一方の右側面は,上面から底面にかけて広がる形状をしており,ボタン類はない。
マウス底面には4枚のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製マウスソールが貼り付けられている。中央にあるセンサー孔を四角く囲んだマウスソールの脇には,スライドスイッチがあり,これでRazer HyperSpeed WirelessとBluetooth接続のどちらを使うかと,電源オフを切り替える仕組みだ。
電池を入れるスロットが見当たらないが,これはマウス上面のカバーを外すと現れる。このカバーは,小さな磁石で本体にくっつくギミックになっており,マウス後端の底面寄りにある溝に爪を入れて軽く押し上げれば,パカっと開く。
カバーを外すと,USBワイヤレスアダプタと電池2本ぶんの収納スペースがある。電池のスペースが2本ぶんなのは,単3形乾電池と単4形乾電池で場所が分かれているためだ。もちろん,どちらかに1本電池を入れれば,問題なく動作する。
なお,バッテリー駆動時間は,使用する乾電池や接続方法によって大きく変わる。単4形乾電池でも,バッテリー内蔵型のワイヤレスマウスよりも長持ちするが,とくに駆動時間が長いのは単3形乾電池使用時だ。製品情報ページによると,アルカリの単3形乾電池使用時でHyperSpeed接続の場合,最大235時間駆動可能とのこと。使い方によってどれくらいバッテリーで駆動するのかも確認できる。
ゲームをプレイしていないときにBluetooth接続を選べば,より長持ちさせることも可能だ。
持ちやすい形状だが,電池込みの重量は重め
DeathAdder V2 X HyperSpeedを持った時のフィーリングも確認しよう。
ここではオーソドックスな「つまみ持ち」「つかみ持ち」「かぶせ持ち」と,親指と薬指,小指といった側面に接地する指を立たせるようにして持つ筆者の「BRZRK持ち」といった4つの持ち方で,長時間使用した結果を紹介する。
つまみ持ちの例。マウス手前側の膨らみ(手前側サイドボタン直下くらい)でしっかりホールドするように持つとベター |
つかみ持ちの例。マウスの位置を持ち上げて変えるときに滑り落ちないよう,しっかり握るのがポイント |
かぶせ持ちの例。手をベタ置きする形で違和感なく操作可能だ |
BRZRK持ちの例。手が大きな人だと,小指や薬指を若干立たせにくいかもしれない |
基本的な持ち方には,どれも問題なく使えた。ただ,乾電池込みだと少し重めだ。筆者は,実際の重量よりも重く感じたのだが,これは乾電池の収納位置などにより,マウスの重心がかなり手前側に寄っているからだと思われる。
軽さを重視しない人なら問題はないが,軽めのマウスから本機に乗り換えるのであれば,慣れるまで多少の時間が必要になるだろう。
Razer Synapseを導入して快適な操作環境を構築
本機を使いこなすのに必要となるのが,Razerがリリースしている統合設定ソフトウェアの「Synapse」だ。これを導入すると,ボタンの割り当てやセンサー感度の調整など,ゲーマーにとって重要なカスタマイズが行える。
本機を接続した状態でSynapseを開くと,「カスタマイズ」「パフォーマンス」「較正」「パワー」の4つのタブが表示される。感度や,,1秒間に何回PCと情報のやりとりをするかを決める「ポーリングレート」(USBレポートレート)は,パフォーマンスタブで,マウスパッドからどれだけマウスが離れたらセンサーの反応がなくなるかを決める「リフトオフディスタンス」は,較正タブでカスタマイズできる仕組みだ。
なお,本機は消費電力を抑えるためか,LEDイルミネーションが存在しない。そのため,ほかのRazer製マウスにはある「ライティング」の設定項目は,表示されなかった。
センサーテストは安定した優秀な結果に
DeathAdder V2 X HyperSpeedが搭載する光学式センサーの性能もテストしていこう。最初に行うテストは,「MouseTester」を用いてのチェックだ。
テストで使用した環境は以下のとおりで,マウスパッドは「ARTISAN 飛燕 MID」を使用している。
●テスト環境
- CPU:Core i7-7820X(8C16T,定格クロック3.6GHz,最大クロック4.3GHz,共有L3キャッシュ容量11MB)
- マザーボード:MSI X299 TOMAHAWK(Intel X299チップセット)
- メインメモリ:PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×4
- グラフィックスカード:MSI GeForce GTX 1080 GAMING X 8G(GeForce GTX 1080,グラフィックスメモリ容量8GB)
- ストレージ:Intel SSD 600p(SSDPEKKW128G7X1,PCI Express 3.0 x4,容量128GB)
- サウンド:オンボード
- OS:64bit版Windows 10 Pro
●テスト時のマウス設定
- マウスドライバー:10.0.15063.0(デバイスマネージャー上で確認)
- Synapseバージョン:3.6.1130.111217
- CPI設定:200〜14000 DPI (100dpi刻みで設定可能)
- レポートレート設定:125/500/1000Hz (主に1000Hzを利用)
- Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
- Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効
このテストでは,マウスを一定のリズムで左右に振り,DPIを400,800,1600,3200と切り替えながら計測した。グラフの縦軸のプラス方向が左,マイナス方向が右への振りで,横軸はms(ミリ秒)での時間経過を表している。青い点はセンサーの実際のカウントで,青い線はそれを正規化したものとなる。青線が滑らかかつ,点の上に並んでいるほど良好な性能ということだ。
なお,今回はゲーム中に使用するであろうHyperSpeed接続で計測している。
400DPI設定時。青線がややグネっとしているところもあるが,比較的安定している |
800DPI設定時。正規化された青線は,実カウントをほとんどなぞっており,安定しているのが分かる |
1600DPI設定時。1度だけ大きく実カウントが跳ねているが誤差の範疇だ |
3200DPI設定時。3回ほど実カウントが跳ねているが,それ以外は安定している |
基本的に安定しているとしか言いようがない,上々の結果となった。ワイヤレスマウスの挙動は,周辺のBluetooth機器やWi-Fi端末などによって影響が出ることがあるので,参考程度に見てもらいたいが,この結果が出ているのだから安定性は信頼できそうだ。
次のテストは,マウスがどれくらい持ち上げられると反応が途絶するかのリフトオフディスタンスを計測する。
テスト方法は単純で,厚みの異なるステンレスプレートをマウスの前後方向に配置し,カーソルの反応が途絶する高さを計測するというものだ。
この距離はSynapse上で1〜10まで設定できるのだが,1だと0.9mm,10だと1.9mmでカーソルの反応が途絶した。いくつに設定しても,4Gamerが合格ラインとしている2mm以下でまとまっている。
最後のテストは,アングルスナップ(直線補正)の有無の確認だ。こちらはSynapse上に関連した設定項目がないため,実際に線を引いての確認となる。Windows標準の「ペイント」を用いて横線や斜め線などを描き,操作と乖離するような違和感がないかを見ていく。
操作していて引っ張られるような感覚は一切なく,描き出される線も筆者の操作と一致している。アングルスナップは効いていないと言っていいだろう。
センサー性能は良好
重量が気にならなければアリ
筆者は,本機を用いて「バトルフィールド2042」を遊び倒したのだが,快適にプレイできて満足度は高い。ボディ形状も,長年Razerブランドで人気のDeathAdderシリーズを継承しているだけあって,多くの人の手に合うものだろう。
スリープモードからの復帰も早く,1秒もかからずカーソルが反応してくれるのも好印象だった。
やや重い本機の重量は,人を選ぶ面があるが,バッテリーが長持ちするのは嬉しい。とくに,100gでも問題ないという人なら,単3形乾電池を使うことで,さらなる長時間駆動という大きなメリットが得られるマウスである。
「Razer DeathAdder V2 X HyperSpeed」製品情報ページ
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