テストレポート
HW短評:Razer「Razer Leviathan」(3)
今回は「Mac Pro(Late 2013)」に接続した独RME製オーディオインタフェース「Fireface UCX」の入出力を用い,Leviathanの音楽プリセットにおける計測を行う。音楽プリセットを用いることにしたのは,ゲームと映画のプリセットと異なり,Dolby Laboratoriesのサラウンド関連機能が標準では有効になっておらず,Razerがステレオ再生を前提にチューンしたと考えられるためである。
もちろん,計測される周波数特性は環境によって変化するため,この結果が絶対というわけではない。あくまで筆者宅のホームスタジオで計測したものだとお断りしておくが,40Hzくらいから上がちゃんと再生されているのは立派と言っていいだろう。しかし,とくに気になるのは120Hz付近が異常に高く,逆に180Hz付近が異常に低いという点だ。180Hzというのはクロスオーバー周波数(≒複数のスピーカーで分担する周波数の境界)なので,要するに,サブウーファとサウンドバー本体の出力周波数が連続していないということになる。
なぜこんな結果になっているのか,だが,おそらくは,サウンドバー側の下限を180Hzまで落とせず,かつ,サブウーファ側での再生可能周波数帯域上限を180Hz以上にすると音質が悪く聞こえるため,やむなく谷をそのままにしたのではないかと考えられる。なら120Hzの山はというと,これは単に,サブウーファが最も強く再生できる周波数帯ということだ。133mm系のスピーカードライバーと容積を考えれば,まあ妥当だが,ちょっとピークが強すぎる。
一方,サウンドバーが担当している周波数帯域に目を移すと,1kHzに若干の膨らみがあるものの,3kHzくらいまでまずまずフラットな印象で,6kHz付近と12kHz付近で理想に対して+3dB程度の山が生まれ,15kHz以上で落ち込み始める。
ただ,「ではホームオーディオメーカーの製品に比肩するか?」というと,そこまでは至っていない印象がある。今回のテストで具体的に120Hz付近と帯域まで分かったわけだが,とくにサブウーファのここが強すぎるのが痛い。サテライトのほうは,180Hz以下まで周波数帯域を確保できていないのを除けば優秀なだけに,残念だ。
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RazerのLeviathan製品情報ページ(英語)
※HW短評に関する注意
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