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ポータブルPCゲーム機のコンセプトモデル「Razer Switchblade」のデモを公開。早ければ2011年末に市場投入へ
「Oak Trail」とキー切り替え機能採用で
ポータブルPCゲーム機の問題を克服した
このSwitchbladeを,Tan氏は,「ポータブルPCゲームデバイスの実現には2つのハードルがあり,Switchbladeは,これを克服すべく開発されたコンセプトモデルだ」と位置づけている。
氏によると,1つめのハードルは,「ポケットに入るコンパクトさでPCゲームが動作するデバイスを実現しようとすると,CPUパフォーマンスがどうしても十分ではなくなること」だ。そして,この問題の解決策となったのが,開発コードネーム「Lyncroft」(リンクロフト)と呼ばれる「Atom Z670/1.50GHz」なのだそうだ。氏は,同プロセッサにおいてCPUとグラフィックスの性能を引き上げが実現したことにより,Switchbladeコンセプトが前進したと,Atom Z670の登場を歓迎する。
Tan氏が示した2つめのハードルは,「コンシューマゲーム機と異なり,操作に多くのキーを使うPCゲームでは,筐体が小さくても数多くのキーを確保する必要がある」という点だ。そこでSwitchbladeでは,一般的な文字入力用のキーボードとして利用できるキー配列と,ゲームごとに個有で用意される(ショートカットなどの)キー配列とを用意し,2つを任意に切り替えられるようにすることで,“キーの数が少ない問題”に対処し,45個のキーでも不自由のない操作を実現したとTan氏は説明していた。「この,キー配列の切り替え機能こそが,Swichbladeという名前の由来だ」(Tan氏)。
ただ,これは中国に限った話とはしていなかったので,もちろん,中国以外の市場でも,対応タイトルを増やしていく意向ではあると思われる。
現時点でSwitchbladeの完成度は不明
市場投入は早くても2011年末か
というわけで,順調に開発が進められているように見えるSwitchbladeだが,Atom Z670が発表された今も発売時期は不透明なままである。実際,現時点でハードウェアがどのレベルまでできあがっているかも分からない状態なのだ。
「Dungeon and Fighter Online」用のゲームモード配列 |
通常のキー配列。切り替えは右下に配置されているキーで行えるとのことだ |
また,Switchbladeの展示を担当していたRazer USA関係者が来場者に対して「発売日は未定」としている。Razer USAの“実績”を踏まえても,向こう1〜2か月で登場するとは,ちょっと考えにくい状況である。
とはいえ,IntelとRazer USA,ゲームデベロッパ各社がPCゲームをポータブルゲーム機の世界に広げようと協業を進めているのは事実。PCゲーム市場そのものを広げる尖兵としてのSwitchbladeには,業界関係者の注目がかなり集まっている。
Intelに近い関係者によれば,「Switchbladeは,ハードウェア開発に加え,対応ソフトウェアの整備にも時間を要している。現時点では,クリスマス商戦に間に合うよう環境整備を進めているところのようだ」とのこと。登場は早ければ2011年末ごろの登場,くらいに考えておくのが妥当かもしれない。
なお,Intelは,2012年以降にAtomプロセッサを積極的に強化する意向を示しているため,今後,SwitchbladeのようなポータブルPCゲームデバイスがいくつか登場してくる可能性はある。きちんと製品化されることを期待したいところだ。
「Switchblade」のデモが披露されたIan Yang氏のキーノートセッション(※中国語のWebcast)
最後に参考として,IntelがYouTubeに公開しているSwitchbladeのムービーを掲載しておこう。この動画を見る限り,IntelはSwitchbladeを年内に投入する気満々のようである。
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