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[CJ 2005]武侠モノ純中国産MMORPG「江湖OL」
「江湖」とは,官に対する民,天界に対する人界を示す単語で,日本語にすると「世間」とかいった広い意味になるらしい。表社会に対する裏社会を意味する場合もある。古代中国の中央集権官僚社会から外れた価値観の世界といった感じで,武侠モノで多く使われている単語だ。日本では「笑傲江湖」あたりが一番有名だろうか(笑傲江湖もゲーム化される)。
プレイヤーは自分の武侠を操る。このゲームのキャラクターは大きく3種類で,片手剣系,両手剣系,素手系で男女別に選択できる。ファンタジー系でいう「魔法」は「武功」として実装されており,プロモムービーを見てもらえれば,だいたいの特徴はつかんでもらえるだろう。高いところに飛び上がる軽功などはかなり面白い。
操作方法などはほぼリネージュIIコンパチなので,いきなり触ってもそんなに戸惑うことはない。基本的な舞台設定は違うものの,リネージュIIをかなり参考にしたゲームであることは間違いないだろう。
全体にリネージュIIぽいとはいってもビジュアル面ではとても及ばない。なにやら樹木がSpeedTreeではないというのが新鮮だ。プロモムービーと違い,デモ機ではMipMapの設定が粗く,ちょっと先のあたりではもうテクスチャが荒れているなど,見栄えという点では全体にいま一つだった。GeForce2 MXでも動くという敷居の低さはともかく,まとめ方にも課題が残っている。
とはいえ,長距離を走ってみてもゾーンの移動でもたつくこともなく,見た目や表現的には稚拙なのだが,基本部分はわりとしっかりできているように思われた。会場で半日連続稼働させていてもとくに問題が起きている様子もない。ゲームの内部がすべて自社開発だとすると,かなり健闘しているといってよいだろう。ビジュアルをなんとかすれば印象はかなり変わってくると思われる。このあたりは,モデリングを改善しつつ,モーションキャプチャーなど,技術的に確立されたものを適切に導入すればよいだけなので,さしたる問題ではないだろう。
基本27エリア,ダンジョン数46。とはいっても中央付近からマップの端まで走るのにさほど時間はかからなかったので,極端に広いわけではないようだ。
肝心のゲーム内容,バランスの点については残念ながら会場の試遊台では確認しづらいものではあるものの,Mobの配置については,いきなり強いMobに切り替わるなど,あまり練り込まれていないように思われる。この辺は別のゲームを参考にしてもらいたかったところだ。
江湖オンラインは,7月15日からオープンβテスト中で,ChinaJoyの展示では画面内に大勢のキャラクターが見受けられた。βテストは好調なようで,増え続けるβテスターによる負荷が高くなったため7月22日にはサーバーを追加したらしい(5台目)。また,1週間とたたないうちにレベル60を超えるプレイヤーも出てきたようで,とりあえず中国での人気はあるようだ。
武侠小説など,日本では馴染みのない人のほうが多いとは思われるものの,全体的なノリは理解しやすいタイプのものだと思われる。現状のバージョンではちょっと日本では無理だと思うが,将来を踏まえて,日本馴染みの薄いジャンル(シングルなどでポツポツ入ってきているようだが)にも注目しておきたい。 (aueki)
→直撮りプレイムービー1 (MPEG-1:19MB)
→直撮りプレイムービー2 (Quicktime:3.1MB)
→プロモムービー (Blink Video:105MB)
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江湖OL
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