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[E3 2006#186]クリス・テイラーがRTS界に帰ってきた! 度肝を抜くスケールの「Supreme Commander」
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印刷2006/05/17 23:33

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[E3 2006#186]クリス・テイラーがRTS界に帰ってきた! 度肝を抜くスケールの「Supreme Commander」

 「Supreme Commander」は,Chris Taylor(クリス・テイラー)氏が率いるGas Powered Gamesが鋭意制作中のSF RTSだ。THQのクローズドブース内で,2〜3分の短いムービー上映のみという出展内容だったものの,個人的には今回E3で見た全作品の中で,最も期待させられたタイトルの一つであった。

 いったいなぜそこまで興奮するのか分からないという人のために,事情を簡単に説明しておこう。本誌の読者にとっては,主にRPG「ダンジョン シージ」「ダンジョン シージ 2」の制作者として知られているだろうテイラー氏は,実はその前に手がけたRTS「Total Annihilation」で一躍有名になったクリエイターである。



 1997年に発売されたTotal Annihilationは,プリレンダされた3D風のユニットやマップを特徴とするRTSで,いくらでもカスタマイズが可能なユニット,公式サイトで新ユニットを毎週ダウンロード配信など,現在まで続くMODムーブメントの先駆けともなったタイトルである。年季の入ったゲーマーにとってTotal Annihilationは,「Warcraft」「Age of Empires」「Command & Conquer」と共に,RTS創成期の四天王的な存在といってよい。

 ダンジョン シージシリーズはあまり好みではなかった筆者にとって,ここ数年のクリス・テイラー氏に対しては「いつまで寄り道してるんだよ」という思いがあった。そのクリス・テイラー氏が久々に放つRTSタイトルが,今回の「Supreme Commander」というわけである。



 上映されていたムービーから得られた情報をかいつまんで紹介していくと,Supreme Commanderの舞台となるのは,人類が三つの派閥に分裂してしまった37世紀。「Aeon」「Cybran」「United Earth Federation Members(UEF)」は,すでに1000年以上にわたって戦争を延々と繰り広げている。プレイヤーはいずれかの派閥の指揮官となり,敵勢力を滅ぼすために死力を尽くすことになる。

 世界観はTotal Annihilationと同様にSFベースで,ユニットは陸海空の全ジャンルをカバー。二足歩行ロボットのようなオーソドックスなユニットはもちろんのこと,変型して空も飛べる輸送車,幾多もの足が生えて地上要塞に変型する軍艦など,ユニークなものもぎっしりと詰まっている。このあたりのデザイン面のテイストは「Total Annihilation」とまったく同じだ。また砂漠に拠点を築いて発展させるショットも一瞬流れたので,生産の概念もあると思われる。



 ムービー内でとくに印象的だったのは,数体のユニット同士による戦闘をズームアップした状態から,百体前後が画面に収まるくらいまでズームアウト。そこでカメラを一瞬止めてから,さらにはるか上空の大陸図に近い位置まで一気にズームアウトし,最後にはその大陸が丸ごと核で一掃されてしまうという壮絶なシーンだ。しかもこれがイメージ画像でなく,実際のゲーム画面というのだから驚きである。

 ムービーを見終わった感想を一言で述べるならば,これはもう紛れもなく「Total Annihilation」の後継と呼ぶにふさわしいタイトルである,ということ。現時点での発売予定時期は「2007年中」と,まだかなり先の話ではあるが,いちRTSファンとして,これは期待せねばなるまい。それにしても,筆者はこれまで多数のタイトルに触れてきたつもりだが,たった数分のムービー一本でここまでノックダウンされてしまったのは,もしかすると「Warcraft III」以来かもしれない。

 シアターブース内でのムービー撮影は不可だったため,本誌にムービーファイルを掲載できないのは残念だ(海外情報系サイトにも載っていない)。いずれ公式サイトにUpされる日が来るかもしれないので,Total Annihilationのファンは定期的にチェックしてみてはどうだろうか。それだけの手間を掛ける価値はあるだろう。(川崎 政一郎)

  • 関連タイトル:

    Supreme Commander

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