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「CoD MW3」や「龍が如く7外伝」に対応する「Adrenalin 23.11.1」リリース。旧世代のRadeon GPU向けドライバも更新
WHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)通過版となるAdrenalin 23.11.1では,新作タイトルへの対応のほか,Adrenalin 23.9.2で更新が止まっていたPolarisおよびVega世代向けのドライバもリリースされたことがトピックだ。
Polaris/Vega世代向けのドライバは,これまでと同様に,RDNA世代以降向けのドライバとは別のインストーラーとなっている。その影響で,RDNA世代以降のGPUとPolaris/Vega世代を共存させているPCでは,リリースノートにリンクがある特別なインストーラが必要だ。
また,Polaris/Vega世代向けのドライバはリリースノートの内容もRDNA世代以降向けとは異なっており,とくに新作対応が謳われていない。AMDからの公式アナウンスが出ていないので推測になるが,Polaris/Vega世代向けのドライバは,バグおよびセキュリティフィックスのみが行われる,一種のメンテナンス状態に移行したかもしれない。
グラフィックス処理が重い新作タイトルは,旧世代のGPUだと遊ぶのが難しくなってきているのが現実で,特別な対応が行われなくなるのは無理もないところもある。バグやセキュリティホールへの対応が継続されている限りはPolaris/Vega世代のGPUを使い続けることができるので,使えなくなるという心配は当面,必要ないだろう。
そうした事情もあり,本稿は基本的に,RDNA世代以降向けのドライバのリリースノートをもとにしたものだ。Polaris/Vega世代のGPUには,必ずしも該当しない。
さて,RDNA世代以降向けのAdrenalin 23.11.1で対応が謳われているタイトルは,「Call of Duty: Modern Warfare III」「龍が如く7外伝 名を消した男」「The Invincible」,そして「JX3 Ultimate」の4タイトルだ。いずれも性能向上に関する記述はなく,AMDが動作を確認したという理解でいいだろう。
また,新たに「Alan Wake 2」などいくつかのタイトルが「Radeon Boost」対応に加わったとのこと。対応タイトルの詳細に関しては,AMDの公式ページを参照してほしい。
チート判定されてしまう問題が起きて,前バージョンで急遽無効化された遅延低減技術「Anti-Lag+」は,Adrenalin 23.11.1でも状況が変わっていない。Anti-Lag+に関連するトラブルは,解決までまだ時間を要するようだ。
そのほかにもAdrenalin 23.11.1では,Radeon RX 600M/700MおよびRadeon RX 6000/7000シリーズ向けに,MicrosoftのAI向けAPI「DirectML」に対応する画像生成AI「Stable Diffusion」や,「Adobe Lightroom」「DaVinci Resolve」に搭載されるAI機能,UL製ベンチマーク「Procyon Benchmark Suite」の「AI Inference Benchmark for Windows」などに向けた最適化が行われている。DirectMLに対応するアプリの性能が,多少は向上しそうだ。
●Adrenalin 23.11.1の対応GPU
- Radeon RX 7000シリーズ
- Radeon RX 6000シリーズ
- Radeon RX 5000シリーズ
- Radeon VII
- Radeon RX Vegaシリーズ
- Radeon RX 600・500・400シリーズ
- Radeon Pro Duo
- Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
- Radeon RX 6000Mシリーズ
- Radeon RX 5000Mシリーズ
- Radeon 600シリーズ(OEM向け)
●Adrenalin 23.11.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 23.10.2)
- Display Driver Version:23.20.23.01-231025a-397214C-AMD-Software-Adrenalin-Edition(←23.20.17.03-231016a-396809E-KB-AMD-Software-Adrenalin-Edition)
- Radeon Settings:2023.0911.2328.1996
- 2D Driver:8.1.1.1634
- Direct3D:9.14.10.01526
- OpenGL:23.09.230729_569461f
- OpenCL:31.0.22023.1014(←31.0.22017.3004)
- AMD Windows Driver:31.0.22023.1014(←31.0.22017.3004)
- Audio Driver:10.0.1.30
- Vulkan Driver:2.0.283
- Vulkan API:1.3.262
●Adrenalin 23.11.1における最適化
- 「Stable Diffusion」「Adobe Lightroom」「DaVinci Resolve」「Procyon Benchmark Suite」に向けたDirectMLを最適化
●Adrenalin 23.11.1における新要素
- 「Call of Duty: Modern Warfare III」「龍が如く7外伝 名を消した男」「The Invincible」「JX3 Ultimate」に対応
●Adrenalin 23.11.1で解決した問題
- さまざまなゲームで,「Performance Metric Overlay」のフレームレート表示が「N/A」になることのあった問題(※Polaris/Vega世代を除く)
- Radeon RX 7600など一部のAMD製グラフィックス製品で,「Counter Strike 2」の描画性能が想定より低いことのあった問題
- 「Total War: Pharaoh」で,グラフィックス設定を変更後にメニューの表示が断続的に短時間ちらつくことのあった問題
- 「Alan Wake 2」をプレイ中に,一部のテクスチャが断続的にちらつくことのあった問題
- 「Baldur's Gate 3」をVulkan APIでプレイしているときに,ゲーム再起動時にシェーダキャッシュの再構築が誤って要求されることのあった問題
- 「Forza Motorsport」を再起動すると,シェーダキャッシュの再構築が誤って要求されることのあった問題
- 「Forza Motorsport」において,レース終了後のクレジット画面を見ているときにドライバが断続的にクラッシュすることのあった問題
- Radeon RX 6700 XTなど一部のAMD製グラフィックス製品で,Windows再起動語にデバイスマネージャを開くと,断続的に画面が黒くなったり「コード31エラー」(※ドライバで生じるエラーの一種)が発生することのあった問題
- Radeon RX 580など一部のAMD製グラフィックス製品で,Vulakn APIを使用して「Counter Strike 2」をプレイすると,断続的に画面表示の破損が見られることのあった問題(※Polaris/Vega世代のみ)
- Radeon VIIなど一部のAMD製グラフィックス製品で,ACCA Software製建築向けデザインソフトウェア「Edificius Architectural Design」利用時に,サマリーテーブルを選択できないことのあった問題(※Polaris/Vega世代のみ)
●Adrenalin 23.11.1における既知の問題
- AMD SoftwareでAV1コーデックを選択して録画すると,音声と動画が同期しないことがある
- 「EA SPORTS WRC」プレイ中にレーストラックの表示が断続的に崩れることがある
- 「Crysis Remastered」プレイ中に星が断続的に表示されなくなることがある
- Radeon RX 7000シリーズとRyzen 7000シリーズプロセッサを組み合わせて,セカンダリディスプレイを接続したシステムで,Chromiumベースのブラウザを実行すると断続的に微小な表示のカクツキ(スタッタ)が発生することがある
- さまざまなゲームで,「Performance Metric Overlay」のフレームレート表示が「N/A」になることがある(※Polaris/Vega世代のみ)
- 「Radeon RX Vega 64」など一部のAMD製グラフィックス製品において,Radeon Softwareのチューニングタブの設定を変更するとRadeon Softwareが反応しなくなったり,システムがクラッシュすることがある(※Polaris/Vega世代のみ)
AMDの「ドライバー&サポート」Webページ
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