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AMD,1月末公開予定の新しい「Catalyst」でMantle&TrueAudioに対応と予告。Kaveriの実力を引き出すためのアップデートも
それに合わせてAMDの日本法人である日本AMDは報道関係者向け説明会を開催し,Kaveriの概要を説明したのだが,そのなかで,AMD製GPUおよびAPU,チップセットに対応するドライバスイート「Catalyst」に関する話題があったので,本稿ではその内容をお伝えしたい。
MantleとTrueAudioに対応する新ドライバ
Kaveriでもこれらは利用可能
Catalyst関連セッションで登壇したのは,ソフトウェア戦略担当シニアマネージャーを務めるTerry Makedon(テリー・マケドン)氏だ。氏によれば,1月末に,バージョン13.35の「Display Driver」を軸とした公式β版Catalystドライバがリリースされる予定になっており,そこで,以下のアップデートが入るという。
●13.35ドライバで追加される要素
- 「Mantle」対応
- KaveriとRadeon R7シリーズの単体GPUによる「Dual Graphics」時のFrame Pacing対応
- 「HSA」対応
- 「TrueAudio」対応
- GPUを用いた高速なJPEGデコーダ対応
●13.35ドライバとセットで導入されるCatalyst Control Centerに追加される要素
- WHQL通過の公式最新版および公式β版ドライバの自動アップデート機能
- アプリケーション(≒実行ファイル)ごとにプロファイルを結びつけて,自動的に切り替わるようにする機能
- APUに物理演算を処理させながら単体GPUでグラフィックス描画を行う協調動作機能
- マッハバンド緩和機能「Contour Removal」
- 圧縮されたビデオデータのディテール強調機能「Detail Enhancement」
- 24pで収録されたBlu-rayビデオの60p再生時に中間フレームを作りだしてスムーズな映像表現を行う機能「Fluid Motion Video」
最も重要なのは,この次期Catalystによって,独自グラフィックスAPI「Mantle」と,プログラマブルサウンドエンジン「TrueAudio」がいよいよ利用可能になるということだ。
2013年9月に発表されながら,対応ドライバがなければ対応アプリケーションもないという状況だったMantleとTrueAudioだが,これをサポートするβ版Catalystドライバが登場することで,ようやく準備が整ったといえる。あとはアプリケーションの登場を待つだけだ。
異なるGPU間でのFrame Pacingが有効に
Frame Pacingとは何かについては,2013年8月掲載の記事と,その前提となる2013年6月掲載の記事を参照してもらいたいが,簡単にまとめると,CrossFireを構成する各GPUがレンダリングするフレームを,規則正しく表示されるようにする機能のことだ。
1月末にリリース予定の次期Catalystでは,Kaveriと単体GPU版Radeonを組み合わせたDual Graphics構成に向けてFrame Pacingが導入され,Kaveri単体で使うときと比べてほぼ2倍のフレームレートを額面どおり得られるようになるという。
ゲームとは直接関係しないが,ビデオ再生時の画質向上に役立つ新機能についても触れておこう。
まずContour Removalは,色の境目が線のように目立って見える現象「マッハバンド」を緩和するもので,Detail Enhancementは圧縮映像のディテールを強調する処理を行うものだ。また,Fluid Motion Videoは24pで収録されたBlu-ray品質の映画を,60p対応の一般的な液晶ディスプレイやテレビで表示するときに,中間フレームを演算で作りだしてスムーズな表示を可能とする。
ビデオ再生の表示品質を改善する機能のスライド。左が「Contour Removal」と「Detail Enhancement」,右は「Fluid Motion Video」の説明だ |
いずれにしても,RadeonやKaveriの持つ能力を発揮する重要なアップデートが次期Catalystではもたらされそうだ。該当製品のユーザーや,購入を検討している人は,1月末のドライバアップデートに注目しておくべきだろう。
AMD 公式Webサイト
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