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[GC 2006#73]架空の第二次世界大戦史を描くは,ビギナーでも遊びやすいRTS「Warfront:Turning Point」
そのため登場するユニットも,メッサーシュミットやパンサーといった実際に使われた兵器のほか,ミサイルやホバークラフト,音波砲に冷凍砲,ビーム兵器などなど,夢の超兵器も各種使用可能。写真を見てもらえば分かるが,架空兵器のデザインはいずれもレトロフューチャーな感じで,古いテクノロジーと新しいテクノロジーが混在し,独特の雰囲気を持っている。なかなかいい感じだ。
固定兵器の一部は第一人称視点へ切り替えることができ,例えば対空砲ユニットになって,攻撃してくる敵機を次々と撃ち落とす,などといったことができる(その間,ゲームはAIによって進行される)。「司令官ばかりでなく,たまには一兵卒の気分も味わいたい」という人にはもってこいだろう。よい気分転換になりそうだ。
リアル系の大戦RTSと違って「生産」の概念もあり,戦車や飛行機の工場を作ることが可能。研究施設を作ってアップグレードすれば,多砲塔戦車や全翼機などの生産を行えるのだ。登場する三つの勢力にはそれぞれ得意分野があり,ご想像の通り,アメリカ軍は航空機,ソ連軍は戦車,そしてドイツ軍は防衛兵器全般に強い。戦車工場を見ると,溶けた鉄が次々と鋳型に流し込まれるなど,グラフィックス的な小技もなかなか利いていて,眺めていて飽きることがない。
コードネーム:パンツァーズをプレイした人ならよく知っていると思うが,本作には各国の「ヒーローユニット」も登場し,彼らを中心にキャンペーンが進んでいく。彼らは,戦闘にも関わる重要なユニットで,存在することで「味方の攻撃力50%アップ」といった,さまざまな特典がつく。また,ゲーム進行の都合上,殺されることはないため,彼らの存在をいかに上手に使うかが勝敗を分けるだろう。
ただし,同シリーズではヒーローユニットがあまりにも便利で,「簡単すぎる」という声があったのも事実。そのため,ゲームバランスの調整には細心の注意を払っているとのことだ。
超兵器やヒーローユニットなど,雰囲気としては「ビギナーでも楽しめるRTS」を強く志向していると言っていいだろう。ただし,一見易しそうに見えてそれだけでないところがCDVの贈り出すRTSの共通点。例えばマルチプレイなどをやってみれば,ベテランゲーマーでも手応えを感じることができるかもしれない。いずれにせよ,2006年9月を予定している発売日を楽しみにしていたい。(松本隆一)
- 関連タイトル:
War Front: Turning Point
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