プレイレポート
「Age of Conan: Hyborian Adventures」プレイレポートその3:グループプレイから受ける印象と,戦闘以外のコンテンツについて
グループでのプレイおよびクラスについて
だがキャラクターがレベル40を超えるあたりまで育ってくると,グループインスタンスに行かないとクリアできないクエストが多くなる。エリートモンスター(編注:レベルは同じでも,普通のモンスターより数倍強い)がたむろするフィールドに行く必要がある連続グループクエストが出てきたりして,さすがにソロプレイでごり押しするのは難しい局面が増えてくるのだ。
本稿では,グループでのプレイおよびクラスについて,ここまでプレイしてきて感じたことを,2008年6月中旬の段階でのまとめとして掲載しよう。また,戦闘以外のコンテンツについても紹介しているので,AoCの全体像をあらためて確認したいという人は,ぜひ目をとおしてほしい。関連記事をチェックしたい人は,下のリンクからどうぞ。
「Age of Conan」プレイレポートその1
:「Age of Conan」プレイレポートその2
[週刊連載]「AoC暗黒大陸血まみれ紀行」第1回
●メレーコンボ,エリアエフェクト,そして乱戦
メレーコンボの存在は,本作の際立った特徴の一つだ。武器をぶんぶん振り回しつつの打撃戦は背景設定ともマッチして,本作が志向する“バーバリックな世界”のアピールに大きく貢献している。開発者もそんなメレーコンボを多くのプレイヤーに使ってほしいのだろう,AoCでは全12クラス中8クラスで,メレーコンボを使えるようになっている。
AoCのようなクラス構成の場合,ヒーラー3クラスとキャスター3クラスはメレー攻撃を得意としないことが多いはずだが,本作にはメレーが得意なヒーラー(Bear Shaman)とメレーが得意なキャスター(Herald of Xotli)が存在している。
半数以上のクラスがコンボを使える本作でグループを組むと,当然のように,半数以上のキャラクターが武器を振り回して戦うパーティが高確率で出来上がる。グループの最大人数は6人なので,平均で4人が前に出て戦うメレーファイター(以下,蛮族)になる計算だ。
だからAoCのグループ戦闘は,蛮族どもがごっちゃりと集まっての乱戦になる機会が多い。その上でさらに,メレーもヒールもスペルも一定範囲に効果が及んだりするので,画面には数値やエフェクトが飛び散りまくり,実に賑やかな状態になる。
加えて本作では,プレイヤーキャラクターに当たり判定がある(つまり,キャラ同士が重なったり,すり抜けたりできない)ため,最前線では互いの筋肉が邪魔で思うように立ち回れないケースがままある。さらにノックバック系のスペルやコンボを持った蛮族が少なくないものだから,吹っ飛ばされた敵を蛮族どもが押し合いへし合いしならが追っかけていくような光景も頻繁に目にできる。
この“蛮族カオス”な状態は,いかにも作品世界にマッチしていて,筆者などは妙に感心してしまった。
●ほとんどのヒールがAEであることがもたらす影響
またヒールがAE(Area Effect)ならば,その範囲内で戦ってさえいればヒール効果が受けられるので,AoCにおけるDPS(Damage Per Second:一秒あたりの与ダメージのこと。この場合の意味は,ダメージディーラーのこと)は,ほかのMMORPGよりも大胆に振る舞えるだろう。いや,むしろこの仕様ならば,一人のタンクがすべてのダメージを受け止めるよりも,エンカウンター内の数体からの攻撃を,ほかのキャラクターが受けたほうが,周囲にばらまかれるヒールパワーを有効に活用できる……かもしれない。まだまだパッチによる修正が毎週大胆に行われていることもあり,このあたりの突っ込んだ戦術は,これから時間とともに確立されていくだろう。
●タンクとアグロマネージメント
AoCの現状を知る参考にはなると思うので少し説明すると,Soldier系のクラスはアーキタイプ共通で“敵の注意をこちらにひきつける機能を持つコンボ”をいくつか持っているのだが,どうもこれらがレベル20以降アップグレードしていかない。そしてレベル20以降に覚えていく新コンボには,少なくともツールチップには,通常攻撃よりも多くのスレットを稼げるといったような記述は確認できない。
しかし,スタンスなどによるヘイト獲得能力の底上げ以外では,大きなダメージを与えることでしかヘイトが稼げないということになってしまう。それもなんだかしっくりこないが,詳しい記述が見あたらないので判断が難しい。
また,ごくシンプルなタウントスキルを,どのSoldierもデフォルトでは覚えず,キャラクターのカスタマイズ機能であるFeatsのほうでいくつかポイントを振らないと獲得できないのも,なんだかフェアではないような気がする。割り切ってそれを取ってみたら,今度はクールダウンが長すぎて実用的な能力とは言い難い……。
簡単にまとめると,ようするに同タイプのMMORPGと比べると,AoCでは気持ちよくアグロマネージメント(ヘイト管理)ができないのだ。ひょっとしたらこれは,タンクにあまり強力なタウント能力を持たせないことで,さらなる乱戦状態を作り出そうというデザインの一部なのかもしれない。だが,ゲームの端々に見られる未完成ぶりも加味しつつ考えると,たぶんこれは意図されたものではないだろう。そしてこういった事例から類推するに,このような未完成部分は,ほかのクラスにも存在しているのではないだろうか。
●グループの作り方
グループでのプレイを意識し出すと気付くと思うのだが,現在のAoCにはグループを作るための有効な仕組みがない。LFGツール風なものはあるにはあるが,実用性は限りなく低く,LFGに使えるグローバルなチャンネルもない。大きな街のような,すべてのプレイヤーが集まるたった一つの冒険拠点となる場所もない。グループで行きたいと思うようなダンジョンと町との間にはかなりの距離があるので,町でLFGしてほかのゾーンに出かけるという方法も現実的でない。
だから現在のAoCでは,ギルドチャットで連絡が取れるギルド員や,友人達と出掛ける以外の方法で,ダンジョンに行くグループを作りたい/見つけたい場合は,まずそのゾーンまで行き,OOC(Out Of Character,キャラではなくプレイヤーとしての発言,またはそのためのチャットモード)を使ってグループを探すという,きわめてクラシックな方法を使う必要がある。
昔のEverQuestなどではそれが当たり前だったことは,もちろん知っているし経験もしている。だが,その10年後にリリースされるゲームとして,この仕様はどうなのだろうか。今後変わっていくとは思うが,現状がそうであるということは記しておこう。
●中盤以降のコンテンツにはまだ調整が必要か
キャラクターの持つ「敵を引きつける能力」や,味方を回復させる能力,敵の不意をついて大きなダメージを与える能力などは,グループにおいてこそ輝くものだ。だが,レベル50近くになって,実際にグループを組み,ダンジョンなどある程度攻略に時間がかかるコンテンツを体験するようになって思ったのは,「まだいろいろと調整が必要だなぁ」ということだった。
それ以前,おそらく“ゲーム序盤”のコンテンツは,かなり頑張って作り込まれている印象を受けるが,“ゲーム中盤”からそれ以降の部分では,まだちょっと作り込みが足りない部分があるようだ。
「Age of Conan」のクラフティング
AoCのクラフティングは,野外で材料を採集し,それを使って生産を行うというスタンダードなもので,ミニゲームのようなものは盛り込まれていない。武器や鎧,宝飾品,薬,加えてギルドシティの建築物などがプレイヤーキャラクターの手で作り出せる。生産レベルや生産スキルといった数値はなく,生産関連のクエストをこなすこと(+必要キャラクターレベルを満たすこと)で,上位の採集/生産が可能になっていくシステムだ。
採集スキルはキャラクターレベルが20になると取得できる。動物の皮や宝石などはMobからのドロップで,そのほか植物,鉱物,石材などはフィールド上に存在するノードから採取する。各種ノードは一般のフィールド上にもあるが,とくにリッチな専用ゾーンが3国にそれぞれ用意されている。この専用ゾーンにはクラフティング関連のNPCがそろっており,またギルドシティ建築用のゾーンも兼ねている。
ノードは常に同じ場所に存在しているが,その“中身”は採集しているとゼロになり,時間と共にゆっくり回復していくという仕組みだ。
生産スキルはキャラクターレベルが40になると取得できる。一般的なMMORPGと比較すれば,覚えられる時期としてはかなり遅い。しかし,生産スキルで作成できる生産品は,レベル40以上の品質のアイテムだ。
近年のMMORPGではレベル20,30くらいまでなら簡単にキャラ育成ができる。その過程で,高品質なクエスト報酬アイテムなどが手に入ることも多い。そういうレベル帯のアイテムを生産したところで使われる機会は少なく,レシピは最終的に単なる“生産スキル上げ用”のものになってしまったりもする。ならば初めからそうした仕組みを作らず,レベルアップのペースが鈍ってきた時期からの楽しみとして,クラフティングを用意しましょう……といった思想によるデザインだろうか。
現状のAoCでクラフティングがどのような状態になっているかというと……,それを表すのにもっとも適切な言葉は“まったく未完成”だろう。
例えば,ゲーム内ヘルプには「ノードの位置はマップに表示される」とあるのに,実際には表示されない。そのため,ノードが非常に見つけにくいのだ。また,ノードの数や湧出のペースが適切ではないのかもしれず,現状で採集クエストを進めるのは非常に苦しい。
しかし,マップにノードが表示されたらされたで,この仕組みだと今度は簡単になりすぎてしまうような気もする。要するに,挑戦と見返りのバランスがとれたゲーム要素としての,落としどころを見つけられていないのかもしれない。
一方の生産も状況は似ており,“平凡な品質のものがなんとなく作れる”みたいな案配だ。そもそもゲーム全体(とくに中盤以降)のアイテマイゼーションが終わっていないので,こっちのほうも後回しの宙ぶらりんになっている,というのが実際ではないだろうか。
乗った状態で戦闘ができる「マウント」
AoCでは移動に便利な馬のほか,マンモスやサイにも搭乗可能だ。現状のAoCでは,目的地に行くまでにけっこう時間がかかるので,足が速くなる馬はかなり便利に使えそうで,筆者もはやくほしい。マンモスやサイは予約特典アイテムだったので,けっこう持っている人が多い。
動物に乗りながら攻撃ができる(騎乗生物が攻撃する)こともAoCの特徴だが,コンボが使えないなどの制限があるので,乗りながらMobと戦っている人は見かけない。ただ,たとえばマンモスの場合はヘルスとノックバック耐性が大幅に増すといった効果もあるため,後々にSiege PvPを行うときには役に立ったりするのかもしれない。
「ギルドシティ」が建設可能
参考までに,筆者の所属するギルドの話をしよう。300人近くのメンバーがいるそれなりの規模のギルドだが,まだ町の機能が完全にそろったシティは作れていない。また現状では交通の便の悪さもあって,自分達のギルドシティが自分たちの冒険の拠点になったりはしていない。
いずれは,ギルドシティをめぐってギルド同士のSiege PvPも行えるという話だが,これらはいわゆるエンドゲームコンテンツなので,全容が見えてくるのはしばらく先のことになりそうだ。
キャラクターの能力をカスタマイズできる「Feats」
Featsには三つのツリーがあり,そのうち一つはアーキタイプで共通の「General」ツリーで,あとの二つはクラスごとに異なる。たとえばConquerorクラスの場合,Soldier共通の「General」ツリーでは防御力やタウント力,自然回復力の増強が行えて,そのほかに“二刀流”時の能力を強化できる「Carnage」,“2H武器”装備時の攻撃力を強化できる「Brute」というツリーを持っている。AoCのFeatsは簡単にリセットできるので,自分で実際に試しながらFeats研究ができそうだ。
銀行,郵便局,交易所を兼ねた「Trading Post」
- 関連タイトル:
Age of Conan: Unchained
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