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本日発売「マトリックス:パス・オブ・ネオ」はどんなゲームなのか
本日(4月14日),メディアカイトから発売されたアクションアドベンチャーゲーム「マトリックス:パス・オブ・ネオ」。ほとんどの読者がタイトル名でピンときたとは思うが,世界的に大ヒットしたキアヌ・リーブス主演映画「マトリックス」を題材にしたゲームだ。つい先日,そのパス・オブ・ネオの製品版が4Gamer編集部に到着したので,その内容と雰囲気をざっと紹介していこう。
本作は1999年から2003年にかけて上映された,劇場版「マトリックス」3部作のストーリーを,ゲームで追体験できるというタイトルだ。プレイヤーは,ミスター・アンダーソンこと「ネオ」となり,世界の救世主としてさまざまな困難に立ち向かっていく。ゲーム内のステージでは映画内の数々の名場面を忠実に再現しており,映画を観た人であれば懐かしさも相まって,大いに楽しめるだろう。
そして注目したいのは,パス・オブ・ネオは映画のストーリーを単純になぞるだけの内容ではないこと。なんと,劇場版を監督したウォシャウスキー兄弟自らがパス・オブ・ネオの制作に携わっており,オリジナルエピソードがふんだんに盛り込まれているのだ。よって劇場版のファンでも,パス・オブ・ネオではまた数多くの新発見があるというわけだ。
■簡単な操作で派手なアクション。「フォーカス」は要注目!
パス・オブ・ネオのゲームジャンルは,三人称視点のアクションゲーム。基本的な操作方法はW/S/A/Dキーで移動,マウス左右クリックで攻撃,Spaceキーでジャンプと,比較的シンプルだ。それでいて,操作の組み合わせや状況によって,見た目のアクションがめまぐるしく変わっていくのが大きな特徴となっている。
例えばネオが用いる武器は,大きく分けると刀,長剣,素手といった接近戦用と,マシンガン,ライフル,二丁ピストルといった銃器の2種類があり,これらの武器一つ一つで,攻撃時のアクションは細かく違っている。ほかにもタイミング良く連続で攻撃を繰り出すコンボ技や,敵に近づいての投げ技,さらに敵の攻撃に合わせたカウンターなどたくさんのアクションがあり,単調なアクションゲームではない印象だ。
そして,これらのアクションの面白さを倍増させているのが,「フォーカス」というパス・オブ・ネオならではのシステム。これはShiftキーを押すことで,ネオの身体能力を瞬間的に高めるというもの。例えばフォーカスを通常攻撃と併用することで,スローモーション(映画でお馴染みのアレ)を絡めた特別なコンボを行えるようになる。さらには重力を無視して壁を走ったり,迫り来る弾丸を空中で停止させたりなど,映画さながらの名シーンを再現できるのだ。
実際にフォーカスを使うには,専用のゲージが必要で,これは通常攻撃を行うなどして溜めねばならない。よって常時使うことはできないものの,ここぞというところで決めると痛快。フォーカスのシステムはマトリックスの世界観にマッチしていて,スタイリッシュなアクションを追求するのがとても面白いのだ。
■ネオを成長させることで,映画の数々の名シーンを再現
ゲームは,映画の第一作から順番に,ストーリーをなぞっていく形で進行する。映画を観た読者ならご存じのように,主人公ネオは最初,ひ弱な一般人である。ストーリーの序盤は,警備員の隙をうかがって社内をこそこそと逃げ回ったり,ビルの外壁を慎重に渡ったりと,スニークアクションさながらの地味な(=普通の人間らしい)シーンから始まるのだ。
しかし,モーフィアスやトリニティといった仲間を得ることで,ネオの運命は一変する。ネブカドネザル号でのトレーニングを経て,ネオの能力は少しずつ覚醒していくのだ。先述したように,パス・オブ・ネオにはたくさんのアクションが用意されてはいるものの,これらはトレーニングをクリアしないと扱えない。ちなみにトレーニングを進めることで,ゆくゆくはマトリックスを発端に各方面へ多大な影響を与えた,「バレット・ドッジ」などの大技も習得できるので期待しよう。
トレーニングやストーリー本編の合間には,映画からのダイジェストムービーが随時盛り込まれる。このムービーはセンスよく編集されており,筆者も感心することしきりであった。しかも収録したムービーの時間を合わせると1時間に及び,かなりのボリュームがある。
映画には登場しないオリジナル要素も,序盤から登場する。例えばトレーニングには道場でのクンフー訓練以外にも,和風の屋敷や,竹林を舞台にしたミッションがあり,映画ファンにとっては要注目といえよう。
そして,ネオの宿敵ともいえる存在のエージェント・スミスも,もちろん登場する。劇場版第1作ラスト付近の地下鉄ホームでの激戦や,百人スミスとの組手など,ネオの前に何度も立ちふさがることになるのだ。手を替え品を替え攻めてくるスミスに対し,トレーニングで習得した技を組み合わせ,いかにして対抗していくかが要点となるだろう。
■手応えのある難度。映画にはないストーリー展開も
パス・オブ・ネオは,アクションシーンをウリにしているだけのことはあり,その難度はかなり高い。とくに中盤以降のゲームバランスはかなりの手応えがある。一つのシーンに何度も何度も取り組むことになるだろう。とはいっても,戦闘の鍵を握るフォーカスの充填速度は速く,また被戦闘時は体力が急速に回復するなど,必要以上に理不尽に難しいという印象は受けない。よって,アクションゲームが苦手な人でなければ,どうしようもなく詰まることは少ないと思われる。
ちなみに映画のライセンスゲームというと,公開に合わせようとして発売を急ぎすぎ,中途半端な内容に……というイメージを持っている人はいるだろう。しかし今回はたっぷりと開発期間があったためか,プレイした限りそういった印象はまったく受けなかった。元々マトリックスという映画は,観た誰もが驚くようなアクションシーンをウリとする一方で,ストーリーの難解さも当時大いに話題となった。それだけに,パス・オブ・ネオでウォシャウスキー監督自らが追加したオリジナルエピソードの数々は,マトリックスの世界に傾倒するファンであれば一見の価値があるだろう。
なお,メディアカイトの宣伝文句によると,パス・オブ・ネオには映画とは異なるマトリックスのラストストーリーが用意されているとのこと。このあたりが,実際どのような結末を迎えるのかも気になるばかりである。(川崎政一郎)
- 関連タイトル:
マトリックス:パス・オブ・ネオ 日本語版
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