連載
キャラクター作成以来,ずっとスターティングゾーンである荊州でプレイを続けて,メインで使っている武器の戦闘能力レベルは10を超えた。荊州にはまだできることも残っているが,そろそろ次のゾーンへステップアップして世界を広げたい。荊州を卒業したプレイヤーキャラクターが次に向かうべき場所は,荊州の隣にある「司隷」,そしてその中心にある町「長安」だ。司隷があるのは荊州の北。βテストに参加していたころの記憶を頼りに,北へ向かって旅立とう……と水鏡村を出たところで,あることを思い出した。
三國志 Onlineの野外ゾーンの各所には,お金を払うことでその間を素早く移動できる施設「馬屋」がある。普通,馬屋からは“すでに一度自分の足で訪れたことのある馬屋”にしか飛ぶことができないのだが,今回なぜか「長安」の近くの馬屋にだけは最初から移動可能になっていた……ような気がしたのだ。
あらためて近くの馬屋に確認に行ってみる。するとやはり「長安城外」がアンロックされていた。三國志 Onlineの野外ゾーンは一つ一つが大きい。さすがは“大陸”といった感じである。その広いゾーンを,自分の足で移動すれば放浪気分が満喫できてそれも悪くないのだが,かなり時間がかかってしまうので,今回は馬を使うことにした。
そして,あっというまに長安に到着した。城内に入ると予想していたとおりの大変な賑わいだ。銭荘(銀行)の前は,ものを売るために自身を「自動販売」状態にしたキャラクターと,それを見て回るキャラクターたちでひしめいている。一画面内に表示されるキャラクター名と頭上コメントの多さに,初めて訪れた人は圧倒されるはずである。
「銭荘」は一般的なMMORPGでいうところの「銀行」にあたる場所だ。アイテムやお金を預けておくことができる。三國志 Onlineにおいては,この銭荘のスロットとプレイヤーのインベントリースロットではアイテムを重ねられる(スタックできる)最大数が異なっている。基本的に,インベントリー内では100個までしかアイテムを重ねられないが,銭荘内では同じアイテムを5000個まで重ねて一つのスロットに収められる。
銭荘内から100個以上重なったアイテムを一気に引き出したい場合は,右クリックメニュー「引出」を選択するとよい。1回の操作でインベントリー内に適切に移動する。銭荘から任意の個数だけ引き出したいときは,銭荘内で右クリックメニューを使って「分割」したあとに,「引出」を行えばOKだ。プレイを続けるうちにどんどんたまっていく生産材料系のアイテムなどは,この仕組みをうまく使って賢く管理していきたい。
「長安」は三國志 Onlineのゲーム世界の中心地だ。多くのプレイヤーは,ゲームに慣れてキャラクターもある程度育ってくると「魏」「呉」「蜀」いずれかの勢力に仕官する。三勢力にはそれぞれその国の主要都市があり,プレイヤーは所属勢力の主要都市を毎日のように利用することになるが,それと同じ,あるいは人によってはそれ以上の頻度で長安にも足を運ぶことになる。三國志 Onlineでは,合戦もしくは部曲戦でしかプレイヤー同士の戦闘は行えないので,違う勢力のプレイヤーが一つの町にいても問題はない。
長安を訪れる主な理由は,ここがゲーム経済の中心地だからだ。勢力の主要都市には主にその勢力に所属しているプレイヤーしか集まらないが,長安には,アクセスが容易なこともあって,すべての国から人が集まる。そのため物品を売るにはここがいちばん都合がよく,同時に商品を求めるプレイヤーもまた集まってくるのだ。
「魏」にとっては「豫州」,「呉」にとっては「揚州」,「蜀」にとっては「益州」が,その勢力の本拠といえるゾーンだ。そしてそれぞれのゾーンに各国の主要都市が存在する。魏は「許昌」,呉は「建業」,蜀は「成都」だ。主要都市には君主がいるほか,数多くの有名武将NPC達にも会える。
プレイヤーが自分の所属する勢力の主要都市を訪れる理由としては,中レベル帯以降の軍略への参加,武将への納入,俸禄の受け取りなどが挙げられる。三国の中心である長安にも,各国の主要都市にも,それぞれ訪れる理由があるので,現在のところ,どの町もプレイヤー達で賑わっている。
前述のように,町や野外ゾーンで対人戦闘は発生しないので,プレイヤーは勢力に所属した状態で,他勢力の主要都市を訪れることが可能だ。どの国にも司隷もしくは荊州から自分の足で行くことができるが,建業に向かう際には揚州で川を渡るのに渡し守を見つけて話しかける必要があるので注意。また,成都を訪れることがあったら,名物のパンダはぜひ見ておきたい。
戦闘能力レベルが10に達すると,初めての「自動技能」が師範から習得可能になる。「自動技能」は技能習得用のインタフェース上では別タブになっており,うっかり見落として,習い忘れることがあるので気を付けたい。
この自動技能は,体力の最大値が上がったり,回復速度が上昇したりといった効果が自動的に発揮される便利なものだ。使用方法は,スロットに実装するだけ。しかし,ときどき,スロットに実装しなければ効果がないことに気が付かない人がいると聞く。自動技能を実装する場所は「技能スロットウィンドウ上段の専用スロット」だ。確かに見慣れない名前なので,気が付かない人がいても不思議ではない。自動技能は習うのも,実装するのも忘れないようにしよう。
三国志といえば武将。三國志 Onlineにも数々の有名武将がNPCとして登場する。そしてプレイヤーは彼らとさまざまなかたちで関わり合うことになる。
各勢力には君主のほか,6人の主要な武将が存在する。プレイヤーが主に関わりを持てるのは,この各国7名,合計21名の有名武将達だ。彼らは平時は主要都市の宮城(ときおり街角)にいる。彼らは強力だが雲の上の存在ではなく,直接会いに行くことができ,話しかければそれに応えてもくれる。普段から彼らと触れあい,ときには戦場で肩を並べて戦うことも可能であることは,三国志を題材としたMMORPGである本作ならではの魅力だといえる。
魏 | 呉 | 蜀 |
曹操 | 孫権 | 劉備 |
夏侯惇 | 孫策 | 関羽 |
張遼 | 周瑜 | 張飛 |
夏侯淵 | 甘寧 | 趙雲 |
許償ワ | 陸遜 | 諸葛亮 |
徐晃 | 太史慈 | 馬超 |
司馬懿 | 孫尚香 | 黄忠 |
三國志 Onlineのメインフィーチャーの一つに「合戦」がある。主要武将は合戦の際に「将軍」として参加する。将軍は合戦の前後に自軍に対して発言するほか,ときには自らNPC戦力として最前線で戦うこともある。また,味方NPC兵士の強さや,武将の前線滞在時間,自陣の城門強度といった合戦を構成する様々な要素に対して,その将軍の「軍団値」が反映される。軍団値は「納入」によって事前に決まる。
自分が所属している勢力の主要武将に対して,プレイヤーは物資を「納入」できる。「納入」可能なものは,一般的な装備アイテムや採集によって得たアイテム,敵キャラクターからのドロップアイテムなどさまざまだ。合戦前にその武将に対して多くのプレイヤーがたくさん納入を行うことで,その武将が将軍として参戦した合戦は自軍がより有利になる。つまり,この仕組みを使えば,実際に合戦に参加するつもりのないプレイヤーも,勢力の勝利に貢献できるというわけだ。
「部曲」とは,いわゆる「ギルド」「クラン」のこと。三國志 Onlineの部曲は「ある武将を支持する者の集まり」といった位置づけになっており,作成時にその部曲の「所属武将」を選ぶようになっている。そしてそのときに選択できる武将が先述の君主および主要武将達だ。
部曲員たちが協力して所属勢力の武将に一定量の「納入」を行うと,部曲に「客将」が訪れることがある。客将としてやってくるのは主要武将ではなく,それ以外の一般の武将達だ。客将NPCは合戦場で部曲とともに戦ってくれる。彼らが現れるときには,どこの部曲の客将であるかが合戦場全体にアナウンスされるので,なかなか誇らしい気分になれる。
主要武将たちは,ときおり所属勢力の主要都市の街角に姿を現す。彼らを見つけて話しかけると,「親密度」が上がったり下がったりすることがある。各武将に対する現在の親密度は「親密度」ウィンドウで確認でき,親密度が高くなるとその武将から依頼がもらえることがあるという。
筆者は武将を見かけるたびに積極的に話しかけるようにしているが,いつどこで見かけたときに話しかければ上がる(下がる)のかつかめておらず,いまのところ親密度は初期状態からほとんど変化していない。おそらく多くの人がそういう状態なのだろうと予想する。
話は少し戻って再び長安。
大賑わいの銭荘前でほかのプレイヤーたちが売っているものを少し見て回ったあと,筆者のキャラクターは町を一周して,もらえる「依頼」を端から受けていくことにした。確か,以前のプレイではこの町にもたくさんの依頼があった……と記憶していたのだが,どうも様子が違う。荊州でプレイしていたときにも思ったのだが,どうも第一次プレオープンと第二次プレオープンの間に行われた改良で依頼が整理され,その結果,依頼の数が絞られているようなのだ。
以前は,このレベル帯においても「キャラクターを育てるのにもっとも便利なのは依頼である」といえるくらい長安と司隷には依頼が多くあったはずだが,現在ではそれほど見つからない。数個こなしたところで近場では手頃な依頼が見つけられなくなってしまった。うむ,困ったぞ。現在のこちらの武器能力レベルは14〜15といったところ。依頼が配置されていないということは,それ以外の方法でキャラクターを育てろということだと思うのだが……,さてどうしよう?
筆者はプレオープン以前のβテストでもこの作品をプレイしているが,以前に比べると序盤のキャラクターの成長はかなりスピーディになっていることが分かる。いわれるまま,見つかるままに依頼を受けてそれをこなしていくだけでキャラクターはレベル10程度までスーッと育っていった。
依頼の数は以前より絞られており,その内容は,より「三国志らしさ」が感じられるものへと改良されている。目的地の表示機能の追加といったインタフェースの改善もあって,依頼遂行のために悩むようなことはほとんどなくなった。荊州はかなりの早足で駆け抜けるゾーンのように感じられる。
とはいえ,三國志 Onlineでは,ほかの多くのMMORPGと違って複数の戦闘技能を伸ばすことが可能なので,メインで使っているのとは違う戦闘技能を育てたいときには,唯一のスターティングゾーンであるこの荊州に戻ってくることになる。したがって,荊州は「一度駆け抜けたらそれっきり」というわけではない。
そんな荊州には,入門者が「三国志らしさ」を強く感じられるような依頼やNPCが多く配置されている。具体的には“武将”および“武将との関わりが感じられるような内容の依頼”が多く用意されているのだ。ここでは,荊州でのプレイの序盤で体験できる「三国志らしい」のコンテンツの一部を紹介しておこう。
なお,これらの多くは第一次プレオープン以降に追加されたものなので,その頃からプレイを始めていて,早めにキャラクターを成長させていたプレイヤーの中には,新要素をきちんと体験していない人もいることだろう。そんな人は,改めて荊州を巡ってみると新たな発見があって面白いかもしれない。
●水鏡村
水鏡村の村長「水鏡」は,ただのおじいさんではない。三国志の登場人物の一人【司馬徽】だ。彼は仕官せずに荊州で学問を教えていた人物で,人の才能を見抜く能力に長けていたという。プレイヤーはその彼に才能を見いだされて,この乱世でのキャリアをスタートさせるというわけだ。三國志 Onlineの中では,彼は新参プレイヤーに対してさまざまな助言をしてくれるのに加えて,数多くの依頼も抱えている。初めはもらえないが,いくつかレベルが上がるともらえるようになる依頼もあるので,ときどき訪ねてチェックするといいだろう。
水鏡村の南門の近くには魏,呉,蜀それぞれの国の募兵役がいる。そしてその横に各勢力の武将が一人ずつ立っている。
魏の募兵役の横にいるのは【カイ越】(蒯越)だ。荊州の主であった【劉表】などに仕えた軍師で,【曹操】は荊州に侵攻した際,そこを攻め落としたことよりも【カイ越】が手に入ったことのほうを喜んだという。また【劉備】が【劉表】に贈った馬《的盧》が凶相を持っていることを見抜いたのも【カイ越】だ。それにちなんでか,【徐庶】の紹介を受けて【カイ越】に会うと『馬泥棒の親玉』という依頼をくれる。この依頼では,【劉備】の乗馬として有名な《的盧》の前の持ち主であるという【張武】や【陳孫】とまみえることになる。
呉の募兵役の側にいるのは【虞翻】という文官だ。彼は能力を高く評価されつつも歯に衣着せぬ発言でたびたび君主の不興をかったといわれる人物である。
蜀の募兵係の近くには【馬良】が立っている。いうまでもなく【馬良】は,優れた人のことを表す「白眉」という故事成語のもとになった人物だ。水鏡村の北門の近くで受けられる『白眉』という依頼では囲碁試合の招待状の配達を頼まれるが,その届け先がこの【馬良】である。村の囲碁仲間の誰も優秀な【馬良】に勝てないので再戦を申し込む……という筋立てだ。
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