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Lenovo,Windows 8タブレット「ThinkPad Tablet 2」を解説。「Atom Z2760」搭載で軽量・薄型を実現
ThinkPad Tablet 2は,開発コードネーム「Clover Trail」こと「Atom Z2760」を搭載し,10.1インチで1366×768ドット解像度の液晶パネルを採用する製品。その筐体サイズは262.6(W)×9.8(D)×164(H)mm,重量は約570gと薄型軽量となっている。
10点マルチタッチ対応のタッチ操作に加えて,電磁誘導方式の「タブレット・ペン」による操作をサポートするのも特徴だ。
上側面 |
下側面 |
右側面 |
左側面 |
タブレット・ペンは本体に収納可能だ |
厚さ9.8mmの筐体ながらフルサイズのUSB 2.0ポートを備える |
基本的には法人向けとされているので,もちろんゲーマー向けの製品ではないが,Clover Trail採用のピュアタブレットということで注目したいデバイスであることは間違いない。ちなみに,法人向けモデルの価格は,タブレット・ペンが付属しないモデルで6万9300円,タブレット・ペンが付属するモデルで7万4550円(価格はいずれも税込。直販サイトのもの)となっている。
なお,個人向けモデルの発売も予定されており,そちらは2012年12月下旬にレノボ・ジャパンの直販サイトで販売が開始されるとのことだ。
そんなわけで,本稿では説明会の模様をレポートしてみたい。
●ThinkPad Tablet 2の主なスペック
- CPU:Atom Z2760/1.8GHz(L2キャッシュ容量512KB×2)
- マザーボード:未公開
- メインメモリ:PC2-6400 LPDDR2 SDRAM 総容量2GB(※構成未公開)
- GPU:PowerVR SGX 545(※CPUに統合)
- ストレージ:SSD(容量64GB,接続インタフェース未公開)
- 光学ドライブ:なし
- 有線LAN:なし
- 無線LAN:IEEE 802.11a/g/n準拠
- サウンド機能:オンボード+内蔵スピーカー
- ディスプレイ(内側):10.1インチIPS液晶(LEDバックライト付き),1366×768ドット,グレア(光沢)タイプ,静電容量式10点マルチタッチセンサー搭載
- 入力機器:電磁誘導方式スタイラス(ペン)
- そのほかの主な搭載機能:Bluetooth 4.0,microSDカードリーダー
- バッテリー駆動時間:約10時間(無線LAN使用時)
- 本体サイズ/重量:262.6(W)×9.8(D)×164(H)mm/約570g(タブレットペン付属モデルは約600g)
- OS:32bit版Windows 8
- 付属品:とくになし
Windows 8採用が最大の強み。セキュリティ面での優位性をアピール
レノボ・ジャパン Think Client Brand Manager 土居憲太郎氏 |
法人向けでは,iOSやAndroid採用タブレットのセキュリティが課題という |
土居氏は,現状の法人向けタブレット市場のほとんどがiOSやAndroid採用製品であるとし,「iPadの場合は限定された用途で使われることが多く,運用管理がPCのものとは異なる。また,Androidタブレットであれば,コスト重視で選ばれることが多い」と指摘する。いずれにせよ,どちらにしても端末ごとに個別のセキュリティ対策が必要になり,加えて何らかの割り切りが必要であり,これがビジネス用途では課題になるというのが土居氏の主張だ。
しかし,ThinkPad Tablet 2であれば「Windowsを採用しているため,既存のWindows PCと同レベルのセキュリティを確保でき,同等の運用管理が可能になる」(土居氏)。「タブレット端末を前にしたときの割り切り」が不要とも氏はアピールしていた。さらに,本体の作り込みはもちろんのこと,タッチ操作とスタイラスによる操作の両方に対応する点や,キーボードやドッキングステーションなどの純正周辺機器も豊富に用意されている点などもThinkPad Tablet 2のアドバンテージだという。
土居氏はそのほかにも,Microsoft Officeを利用できる点や,最も標準的な標準タイプAのUSBポートを備える点もメリットとして強調していた。
ThinkPad Tablet 2のアドバンテージを示したスライド |
法人向け製品としてのThinkPad Tablet 2が対象とする市場 |
タブレットながらもThinkPadブランド基準の堅牢性を実現
木下氏は,ThinkPad Tablet 2の特徴を「堅牢製と軽量化の実現」「セキュリティ強化」「総合管理の統合運営」「省エネ設計」「ユーザビリティを考慮した設計とオプション」の5つであるとアピールする。それぞれ順に説明していこう。
次に「セキュリティ強化」は,UEFI BIOSの採用によるスーパーバイザーパスワードのサポートやI/Oポートアクセスの制御などが行えることにより高いセキュリティを確保したことを示している。それに加えて,UEFIメニューでもスクリーンキーボードが利用できるようになっているそうだ。
「総合管理の統合運営」というのは,企業向けの要素だ。システム管理者が共通のBIOS設定を遠隔操作で複数のデバイスに展開できるツール「SRSetup」や,同じくシステム管理者が作成したカスタムイメージにドライバを一括でインストールする「SCMM」機能などが提供されるという。
「セキュリティ強化」 |
「総合管理の統合運営」 |
「省エネ設計」は,文字どおり長時間のバッテリー駆動を実現したことを表している。ThinkPad Tabletでは,画面オフのオーディオ再生時で約150時間,720p解像度の動画再生時で約10時間,JEITAバッテリ動作時間測定法 Version 1.0準拠で16.4時間のバッテリー駆動を実現したそうだ。さらに,30秒ごとにネットワーク接続を行い,ストアアプリなどの最新情報を更新するWindows 8のスタンバイ機能「Conected Standby」を併用することで,約600時間(25日)のバッテリー駆動が可能になっているそうだ。
最後の「ユーザビリティを考慮した設計とオプション」というのは,筐体にラバーコーティングを施し,持ちやすさを追求していたり,タッチフィーリングの向上がされていたりと,使いやすさにこだわっていることを指している。ほかにもGPSのアンテナ精度が向上していたりする点もポイントになるという。
「省エネ設計」 |
「ユーザビリティを考慮した設計とオプション」 |
ThinkPad Tablet 2でゲームはできるのかと言われると,スペック考えると,(Windowsストアアプリを除けば)軽めのカジュアルタイトルならなんとか……といったところだろう。なので,ゲーム用途でThinkPad Tablet 2を積極的に活用していくのは厳しいかもしれないが,Windows 8のタッチ操作が活きるのは,こういったタッチセンサー搭載のPCということになる。
ともあれ,タッチ操作に対応したゲームが今後数多く登場することに期待しておきたい。
ThinkPad Tablet 2製品紹介ページ
レノボ・ジャパン公式サイト
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