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[COMPUTEX]ワイヤレスディスプレイ,超ハイエンドシステム,スピーカー,変わり種グラフィックスカードなどなど
ワイヤレスディスプレイ編
〜「表示遅延1ms以下」の製品を各社がデモ
WHDIは,簡単にいうとHDMIをワイヤレス転送するソリューション。そのため,COMPUTEX TAIPEI 2010の会場では「Wirelesss HDMI」と呼んでいる人も多かったが,類似のワイヤレスディスプレイ技術との違いは,1080p映像を非圧縮で伝送できるところにある。圧縮複合処理が不要なため,無線映像伝送方式のなかでは表示遅延も一番少ないとされる。
ビデオの送信には悪くないだろうが,ゲームで使えることを期待するのは,時期尚早かもしれない。
Antec編
〜新ブランド「soundscience」でPCスピーカー市場に参入
エンドユーザーは,音楽用のステレオスピーカーとして使うか,映画やゲーム用のバーチャルサラウンド対応スピーカーとして使うかを選ぶだけで,簡単に利用できるというのが,その大きなコンセプトになる。
デモが行われたのはブース内の特設ミーティングルームで,とてもマトモに音を聞ける環境ではかったため,音に関する評価は行わないが,少なくとも素性は悪くない感じ。PCで「音」を楽しんでいる人にとっては,面白いブランドが誕生したといえそうだ。
EVGA編
〜ベンチマーク世界記録を狙うブランド「SR-2」展開へ
SR-2の「SR」は「Super Record」の略で,EVGA製品がこれまで3DMarkシリーズのベンチマークソフトで数々の世界記録を打ち立ててきたことを記念して発足したものだとか。
というわけで(?),2010年,EVGAのイチオシ製品にはすべて,SR-2の名が冠せられるのだそうだ。
SR-2ブランドの中核となるのが,マザーボード「Classified SR-2」。「デュアルCPU構成を採りたいけれども,CoreプロセッサはデュアルCPU動作をサポートしていない。なら,Xeon 5600&5500番台を使えばいいじゃない」的なソリューションである。
北米市場における価格は600ドル前後で,本格出荷は近日中に行われるとのことだった。
さらに,消費電力が甚大になると容易に想像が付くSR-2システムに対応すべく,ピーク出力1500Wにまで対応した1200Wクラスの電源ユニットも,“SR-2純正”として,やはりマザーボードと同時投入を目指しているとのことだった。価格はこちらも300ドル程度だそうだ。
SR-2 Chassisの前面インタフェース&ファンコンとローラなど |
SR-2ブランドの電源ユニットも発売予定 |
このほか,「GeForce GTX 470」搭載のクロックアップモデル「GeForce GTX 470 SuperClocked+ w/ High Flow Bracket and Backplate」(以下,GTX 470 SC+)や,EVGAブランドのUSBディスプレイアダプタ「UV PLUS+19」なども,EVGAプライベートブースには展示されていた。
EVGAのオーバークロック用ツールをPCの外からリモコン制御するガジェット「ERVbot」。近日発売予定で,北米市場における想定売価は99ドルという |
UV PLUS+19。3D機能は持たないが,最大1920×1200ドットを表示できるデバイスだ。同時に1台のPCにて利用できるのは7デバイスまでとのこと |
Mach Xtreme Technology編
〜小回りの利くマニア向けメーカーを目指す
「ぱっと見,なんだか分からないかもしれないが,2回見れば,MXだと分かるデザイン」を目指しているというMXのロゴ |
MX製のエントリー向けSSD「MX-STARTER」の製品とボックス。ここにも派手なロゴが踊る |
MXは,2010年1月に立ち上がった,新興のメモリ関連製品ベンダーだ。3月からSSDの展開を開始し,国内でも販売代理店経由の製品が流通しているので,記憶にある人という読者はいるのではなかろうか。あるいは,メーカー名は知らなくても,これまでのPC製品にはない,グラフィティ(graffiti,スプレー缶などを主に使って描く絵や文字)を前面に押し出したパッケージデザインでピンとくる人もいると思う。
Tomasz Swatowski氏。「業界で10年以上の実績スタッフが集まっていて,研究開発部門などは,3日もあれば直してくる。正直,前の会社ではこうはいかなかった(笑)」 |
7月中の市場投入が予定されているParallel ATA接続のSSD「MX-NANO」シリーズより,MX-NANO 50 |
そんな同社の製品ラインナップは,SSDとメモリモジュール,USBフラッシュメモリ。「大手ベンダーから見たら『商売にならない』という単位でも,小回りよく開発・製造できるのがウリだそうで,「7月には,古いノートPCのユーザー向けに,50ピンIDE,44ピンIDE,40ピンZIFのSSDを投入する。さらに第3四半期末には,Serial ATA 6Gbps対応モデルも投入していく予定だ」と,製品投入の速度を上げていく構えを見せていた。
ちなみに同社は現在,グラフィティに関しては内製せず,オランダや台湾の著名アーティストを起用しているとのこと。Swatowski氏は「7月以降,日本でもアーティストを探して,ぜひ契約していきたい」と力強く述べていたので,腕に覚えのある人は,記憶に留めておくといいかもしれない。
Shuttle編
〜ここにもグラフィックス拡張ボックスが
本製品は,CeBIT 2010でも展示されていたが,簡単にいうと,「PCI Express x1相当の帯域幅で,PCI Express x16スロットを拡張ボックスに出し,そこにグラフィックスカードなどを差すことで,利用できるようにする」というもの。MSIの「GUS」と同様のコンセプトだが,GXT miniとGUSが決定的に異なるのは,前者が独自のインタフェースを採用していることだ。
GXT miniとノートPC側の物理的な接続インタフェースはHDMI。Shuttleの日本法人である日本Shuttleの伊藤賢氏によると,GXT miniは,ノートPC側が内蔵する“GXT mini対応チップ”とHDMIケーブル経由で接続されることにより,PCI Express x1を外へ引き出しているのだという。要するにGXT miniは,「“対応チップ”内蔵のノートPC専用デバイス」というわけである。
ただ,別途話を聞いたShuttle関係者によれば「ExpressCardによる対応も不可能ではない」とのこと。今回展示されたGXT miniはあくまでコンセプトモデルなので,今後,ExpressCard接続モデルが派生したりする可能性はある。
展示されていたのはION非搭載モデルだったが,ION GPU搭載モデルでは,HDMI出力がサポートされる |
台座が用意されている。基本的にはデザイン重視のNettop的な使われ方が想定されるのだろう |
Thermaltake Technology編
〜Tt eSPORTSラインナップ大幅拡充。ただ日本では?
Thermaltake Technology(以下,Thrermaltake)は,2010年3月に立ち上げたゲーマー向けブランド「Tt eSPORTS」のラインナップを拡充した。そのなかでも,「MEKA G1」「MEKA」と名付けられたメカニカルキーボードは,プロゲーマーからのリクエストに応えた力作と,同社は胸を張る。
MEKA G1。世界市場では8月頃,119ドルで市場投入予定になっているという。ミリタリークラスと位置づけられる太いケーブルを搭載 |
MEKA G1に先行し,99ドルで7月頃市場投入の予定となっているMEKA。キーボード右側の配置が相当に特殊だ |
インタフェースはUSBで,本体にUSBポート×2と,ヘッドフォン出力およびマイク入力用のミニピン端子を引き出し可能。ケーブルは,Thermaltakeが「ミリタリークラス」と呼ぶ,耐久性の高いものになっているが,CeBIT 2010で公開されたモデルよりはすっきりした印象になった。
Black Elementは,Royal Philips Electronics製のツインレーザーセンサーを搭載したワイヤードタイプ。搭載する9個のボタンには,5プロファイル分,合計45のマクロを登録でき,その内容は本体に内蔵される容量64KBのフラッシュメモリへ保存可能となっている。センサーのスペックは,最大加速度50G,レポートレート500Hz,トラッキング解像度最大6500DPI。
もう一つのAzureusは,サイドボタンを持たない,左右メインボタン+スクロールホイールというシンプルな仕様が大きな特徴だ。搭載するセンサーは光学タイプで,本体底面のスイッチにより,トラッキング解像度は400/800/1600DPIの三段階から切り替えられるため,ローセンシから,一部ミドルセンシのプレイヤーまでをカバーするモデルということになるだろう。もはやオヤクソクだが,本製品も重量調整機能付き。
このほかにもTt eSPORTSでは,密閉型エンクロージャを採用したヘッドフォン「Shock Spin」や,カナル型イヤフォンとマイクのセットとなる「Isurus」(イズールス)も公開されたのだが,Thermaltakeの日本法人である日本サーマルティクによると,これらは世界市場でもこれから販売が始まる計画だそうで,日本で展開するかどうかはまったくの未定とのことだった。担当者の口ぶりからは,少なくとも近々に登場する気配はなさそうで,この点はちょっと残念かもしれない。
XFX(Pine Technology)編
〜1スロットHD 5700各種取り揃え。Eyefinity 5モデルも
6月4日になって,XFXブランドで,2010年はATI Radeonに注力すると宣言したPine Technology(以下,XFX)から,「ATI Radeon HD 5000シリーズ搭載の新製品が工場から届いた」と連絡があったので,再びブースを訪ねてみた。
両製品は,いずれもグラフィックスメモリ512MB版と1GB版が用意され,6月中には出荷が始まる見込みだが,価格は未定。
HD 5770カードの背面。メモリチップの有無に注目すると,違いが分かる |
こちらはHD 5750カード2枚。クーラーのデザインがHD 5770と異なる |
やはりグラフィックスメモリ512MB版と1GB版で背面デザインに違いが |
こちらも価格は未定だが,1スロット仕様で5画面出力対応というのは,どこかにニーズがありそうな気もする。
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- 編集部:佐々山薫郁
- ライター:西川善司
- ライター:本間 文
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