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[COMPUTEX]Corsair,PCケース&冷却デバイス市場へ参入
同社は,COMPUTEX TAIPEI 2009のサブ会場であるTaipei World Trade Center(=Hall 1)のすぐ近くにあるホテルでプライベートスイートを展開。そこで,冷却能力の高さを重視し,ゲーマーやハイエンドユーザーをターゲットとするフルタワーPCケース「Obsidian Series 800D」と,オールインワン仕様の液冷CPUクーラー「Hydro Series H50」を公開した。
なぜいま,CorsairがPCケースやクーラーを扱うのか。同社の創業者でもあるAndy Paul(アンディ・ポール)社長兼CEOは,「Core i7の登場で,CPUやシステム全体の冷却性が,メモリモジュールのオーバークロック性能に大きくかかわってくるようになったからだ」と,その理由を説明する。Corsair製メモリモジュールの性能を最大限に引き出す環境作りとして,電源ユニットに続き,PCケースやCPUクーラーの投入へ踏み切ったようだ。
というわけで順に見ていくと,まずObsidian Series 800Dは,ExtendedATX仕様にも対応する,大型のPCケースである。
側板を開けて,内部を覗き込んでみると目に付くのが,マザーボードベースに計7か所のスルーホールが設けられていること。Obsidian Series 800Dでは,断線とエアフローへの悪影響,両方を防ぐシリコンゴム製カバーが設けられたスルーホールを使って,ほぼすべてのケーブルを,マザーボードベースの背面で配線するよう設計されている。
これはもちろん,冷却性能を最優先にした結果だ。ケーブルに邪魔されないエアフローを最大限活用すべく,天板部に最大で3基の140mm角ファンを取り付けられる。
スルーホール部に寄って撮影してみたところ。スルーホールのほか,天面に140mm角の排気ファンを最大3基取り付け可能な点も要注目だ |
マザーボードベースの背面。太いケーブルが這っても側板が閉まらなくなったりしないよう,一般的なPCケースよりも大きな空間が設けられる |
3.5インチベイ部側面には,ストレージデバイスを冷却するための140mm角ファンを搭載。ストレージデバイスを冷却したエアフローは,マザーボードべースの背面を通って,ケース外へ排出されるようになっているのも特徴だ。
その3.5インチベイは計6基で,うち4基はリムーバブルラック仕様。5インチベイは5基と,ストレージデバイスの拡張性は,フルタワーPCケースとしてまずまずといったところである。
先ほど示した側面からの写真で,Corsairのロゴ入りカバーが本体前面に見えていたが,これを外すと,中には140mm角のファンが入っている |
6段用意された3.5インチベイのうち,4段はリムーバブルラックとなっており,PCケースの前面パネル側から着脱できる |
北米市場における想定売価は299ドル。年内にも販売を開始する計画を持っており,日本市場への投入も検討中とのことだった。
ラジエター部に取り付けられている120mm角ファンのファン回転数は最大1700rpm。静音動作にも配慮しつつ,一般的なCPUクーラーと比べて,コア温度は最大で30%低く運用可能なため,メモリコントローラをCPUに統合した,Core i7プラットフォームで,メモリのオーバークロック性能引き上げに,大きく貢献するという。
またCorsairは同時に,ハイエンドのオーバークロックメモリモジュールである「DOMINATOR-GT」用の液冷ブロック「Hydro Series H30」も参考展示しており,今後,システム冷却製品も積極的な展開を図っていく姿勢を見せていた。
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