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[E3 2005#083]「Dreamfall」は新たなADVのヒット作となれるか?
ピュアなアドベンチャーゲームというと,2002年に大ヒットした「シベリア」が思い出されるが,アドベンチャーという,ほとんど死にかけていたジャンルを見直させた作品として,TLJの名を挙げるファンも多い。テーマが"旅"であることや,怪しく美しいグラフィックス,女性の主人公,といった共通点も多かったが,残念ながら日本語化されなかったため,日本のファンにあまり知られていないのも事実だ。
世界観を共有し,サブタイトルにTLJの文字が入っているものの,システム面,物語展開などに工夫を凝らし,単純な続編にはなっていない……と我々にゲームを見せながら説明してくれたFuncomの担当者は言う。これは,続編というより,もう一つのTLJなのだ。
それぞれの登場人物には,順に「交渉上手」「アサシン」「ステルス」といった特技があり,ストーリー上の問題解決やパズルを解くために,そうしたスキルを上手に活用していく必要がある。我々が見たプレイ画面では,黒っぽい服を着込んだエイプリルが,薄汚れたアパートに入って行き,目的の部屋に忍び込むところを紹介していた。
彼女はアパートの地下室に降り,木片と布で松明を作り,鼻を利かせて燃料の入った缶を見つける。そして,出来た松明を燃料に浸し,ボイラーを使って火を灯す。これで簡単な明かりが出来たわけだ。いくつかのオブジェクトは組み合わせが可能で,それがパズルになっている。ただ,見た限りでは,いかにもパズルっぽいパズルはなく,目的を達するため,ゲーム上でどういう手段を使うかということそのものがパズルになっている。
エイプリルは,アパートの住民の背後を音もなく尾行し,住民が目を離した隙にタオルを奪い,それをほかのオブジェクトと組み合わせてロープを作る,というようなことをした。忍び足で歩くエイプリルの行動は,まるでちょっとしたステルスアクションゲームのようで,見つかったらどうなるのだろう,という疑問も浮かぶ。もちろん,本作はアドベンチャーであり,アクションシーンはまったくない。誰かに見つかった場合,今度は会話で切り抜けることになるそうだ。
傑作の誉れ高い割には,日本では不遇なTLJ。Dreamfallがその状況を打破できるだけのポテンシャルを秘めているかはまだ不明だが,ゲーム好きなら気になるタイトルであることは間違いない。今後の追加情報を待ちたいところだ。なお,発売は2005年の秋が予定されている。(ライター:松本隆一)
- 関連タイトル:
Dreamfall: The Longest Journey
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