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コーエーが「三國志X」を発表! 記念すべき10作めとなる本作の実力は?
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印刷2004/01/24 00:00

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 コーエーが「三國志X」を発表! 記念すべき10作めとなる本作の実力は? - 2004/01/24 00:00


移動画面。中国全土を1枚のマップで表しているためか,同じシステムだった前作「IX」と非常に似ている
 コーエーは,同社の看板シリーズ最新作の「三國志X」2004年春に発売すると発表した。

 三國志シリーズに関しては,もはや説明するまでもないだろう。中国の四大奇書の一つ「三國志演義」を題材にした歴史ストラテジーゲームで,原作のドラマチックさを見事に表現したさまざまな演出が受けて大ヒットを続けている。

 この「三國志X」の「X」は,(forGamerの都合上アルファベットで表記しているが)もちろんエックスではなく,ローマ数字の10。記念すべきシリーズ10作めである本作にかけるコーエーの意気込みはかなりもので,従来シリーズの幅広いファン層に受け入れられるものを目指すとのこと。
 具体的には,好評を博した武将担当制(つまり「VII」や「VIII」で採用されていた全武将プレイシステム……君主だろうが在野の人物だろうが,登場する人物の誰としてでもプレイできるシステム)をベースに,原作の魅力である「物語」と「武将」を描き出すことに注力しているようだ。それでいて初心者をも楽しめるシステムにするとも発表されており,いやはや,なんとも高い目標が掲げられた作品である。
 この高い目標を,どのようにクリアしているのか? 順に説明していこう。

 細かい部分の説明に入る前に,まずはザクッとどういうシステムなのかの紹介を。
 先述したように三國志Xは,"人気"の高かった,登場する全武将(プレイヤーが作成する"新武将"を含め750人以上)でプレイできる武将担当制を採用している。しかし掲載した画像を見ると,"評価"の高かった「IX」に近いといえるだろう。
 というのも,三國志Xでも「IX」と同様に中国全土を1枚のマップで表しているのだ。ただ都市での行動や戦争場面では,別の画面に切り替わる。幅広いファン層に受け入れられるものを目指しているだけあり,それぞれの作品の良いところを抽出しているのだろう。
 おそらく,"全武将でプレイできる「IX」+さらなる進化"と表現しても,そんなに間違いではないはずだ。

上段は,説明するまでもないだろうか? 左から劉備,関羽,張飛だ。下段は左が呂布,右が姜維


 それでは,細かい部分を見ていこう。

■ダイナミックヒストリカル・システム

 三國志Xのコンセプトは,"三国志に浸れる世界の創造"。武将担当制ならではの自由度の高さと,シリーズ特有のドラマ性を同時に高めているという。
 そのための具体的な方法が,この"ダイナミックヒストリカル・システム"だ。……といっても,この名前だけじゃどこらへんがダイナミックで,どこらへんがヒストリカルなのかよく分からないだろう。いくつか具体例を挙げて説明していく。

●舌戦:知将たちが頭脳の限り戦う,新たな"一騎討ち"
 武闘派武将(武官)が一対一で戦う「一騎討ち」は,三國志シリーズの華といってもいいだろう。関羽や張飛,呂布といった人気の"猛者"が,自軍の勝利と己のプライドをかけて戦うサマに,手に汗握ったものである。
 しかしその半面,作品ごとに工夫が凝らされていたとはいえ,知性派武将(文官)が活躍する場面は少なかった。活躍しないことはないものの,華々しさには欠けていたといえるだろう。

 三國志Xでは,文官たちによる"一騎討ち"といえる,「舌戦システム」が搭載された。
 舌戦とは,外交時や敵都市への潜入時に発生する特殊なモード。いざというとき……例えば外交のために相手勢力を訪れた使者が,要求を突き返されてしまったときなどに,この舌戦に持ち込める。この場合,舌戦の成果によって,外交の結果が変わってくるのだ。このように,舌先三寸で状況を良い方向にもっていけるというわけ。
 三国志演義の中で,"大軍師"孔明が単身で呉を訪れる場面がある。このシステムで,その雰囲気を従来作以上に味わえるのではないだろうか。

下段中央の画像のタイトルは,"ダブルリーチ"。どうやら,ビンゴゲームか三目並べのようなシステムを搭載しているようだ


●コンビネーション・イベント:今度のイベントは,ゲームの流れをも変える!
 次はイベントについて。これまで同シリーズ及び信長の野望シリーズのイベントは,簡単な条件が揃うと発生して終了,というだけのものが多かった。これはこれで面白いのだが,その後のゲーム展開(とくに戦況)に大きく影響しているとはいえず,まぁオマケ的存在だったのは否めない。
 しかし三國志Xのイベントは,もうオマケとはいえない。まずイベント自体の種類が三つになっているのだ。それぞれは,以下の通り。

・時流イベント……従来通りのイベント。歴史の流れを再現しており,担当武将に関係なく発生する
・各勢力イベント……担当武将が所属する勢力に関するイベント。当然他勢力に関するものは発生しない
・個人イベント……特定の武将にのみ発生するイベント


 「VIII」とあまり変わらない? いやいや,凄いのは,このあとだ。これらのイベントによる影響は,"パラメータの変化"や"アイテムの入手"などはもちろん,"アルゴタイプ(敵AI)の変更" "攻略目標の変更" "戦争の発生" "一騎討ちの発生" "舌戦の発生" "勢力分布の変動"などなど。ゲームの大局的な部分にも影響を与えてくるのである。
 また,あるイベントの発生が別のイベントの呼び水となるなど,今作のイベントシステムは,かなり複雑に,かつゲームに密接したものとなるようだ。

●地方色:各都市に,"数値の差"なんかではない個性が与えられた
 これまで都市ごとの差は,その位置と各種数値くらいなもので,都市の重要さも,結局その二つで推し量るしかなかった。
 しかし三國志Xでは,都市ごとに,それぞれ一定の条件を揃えることで特殊な施設が登場する(※1月29日修正:施設はプレイヤーが能動的に建設するものではなく,条件さえ揃えば自動的に登場する模様)といった,個性化が図られている。ちなみに各都市の特殊な施設には,特殊な兵科(象兵など?)を編成可能にするものなどがあるようだ。
 このため,あえて危険を冒して,遠隔地の都市を攻めて目的の施設を手に入れる,なんて戦術も必要になってくるだろう。

下段はすべて都市の画像で,左から河北,呉越,西北


■マルチフェイズ・ウォーシステム

 これまで見てきたダイナミックヒストリカル・システムは,ゲームのメインシステム。ここで説明する"マルチフェイズ・ウォーシステム"は,戦争部分のシステムだ。こちらも三國志Xを象徴するシステムなので,紹介しよう。
 まぁ簡単にいえば,三國志Xの「戦争」は,"局地的な戦術"を描く「戦闘」と,"大局的な戦略"を描く「戦役」の2段階に分けられている

 「戦闘」は,従来作での"戦争"と同様に,一つの都市の支配権を巡る野戦,もしくは攻城戦だ。行軍中は「IX」のように中国全土マップで見られるが,いざ戦闘が始まると,"戦争マップ"に切り替わる。
 「IX」といえば,戦闘は出陣前にすべての指示を与えておき,戦闘中には見ていることしかできなかったが,三國志Xでは担当武将の軍勢および,配下の軍勢をすべて自由に操作できる。
 戦闘の細かい流れはまだ分からないが,「VII」「VIII」といった従来型の戦闘システムに近いようだ。


 もう一つの「戦役」は,大勢力のみが起こせる大規模な戦争で,複数の都市を巻き込んでの戦いが展開する。
 この戦役では,一つの州がまるまる入るほどの範囲を戦場としていて,いくつかの都市と中間地点,そしてそれらをつなぐ街道が重要な要素となる。これまた詳しいことはまだ分からないが,どうやらここでは"軍勢"(一つの都市から出陣した部隊の集まり)単位で行動するらしい
 今回の発表リリースには,「隠密行動」による"敵背後への回り込み"など,従来以上の戦略性に富む,という風に書いてある。戦役が実際にどのようなシステムになるのか現時点では推測するしかないが,「信長の野望・天下創世」の"決戦"のように,ゲーム終盤のテンポアップにつながるのは間違いないだろう。

上段は,左から野戦,攻城戦,市街戦の画像。下段は,左が在野武将でプレイ中に戦闘に参加しようとしているところ。中央は,在野武将で戦闘中の画像だ


上段は,左から順に袁紹,龐徳(ホウトク),董卓,于禁,諸葛誕。下段は曹真,張苞,王允,温恢,潘臨
 以上,筆者が現時点で知っていることは,ほとんど書いたはずだ。逆にいえば,現時点では筆者もほとんど三國志Xのことを知らない。今後プロデューサーへのインタビューなども検討しているので,お楽しみに。
 本作の発売日は,冒頭にも書いたように2004年春ということだが,おそらく"梅雨"や"初夏"に限りなく近い時期になるだろう。(Iwahama)

© KOEI Co.,Ltd.

※画面は開発中のものです

三國志Xに登場するさまざまな施設。上段は,左から観星亭,工房,市場。下段は造船所,病院

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